いよいよ5月14日から女子バレーボールの、5月28日からは男子バレーボールの、それぞれのリオオリンピックへの出場権をかけた最終決戦が始まります。
昨年行われたワールドカップ2015で上位2か国に入れずに出場権を逃した男女バレーボールにとってはまさにリオへの切符を懸けた最終便という事になります。この大会で出場権を得られなければリオへの道は完全に断たれるという事です。
ここではバレーボール日本代表が出場権を得るための条件に付いて説明していきたいと思います。
リオ五輪バレーボール最終予選はアジア大陸予選も一緒になった特殊な大会
まずは本番のリオオリンピックの出場国の枠数についてですが、リオ五輪出場国は男女ともに12か国となります。
そのうちすでに男女とも7か国が決定しています。残るリオへの切符は5か国という事です。
以下がすでにリオ決定済みの国と空いている枠です。
出 場 枠 内 訳 男 子 女 子
開 催 国 ブラジル ブラジル
ヨーロッパ大陸予選 ロシア ロシア
南米大陸予選 アルゼンチン アルゼンチン
北中米大陸予選 キューバ アメリカ
アフリカ大陸予選 エジプト カメルーン
アジア大陸予選 ? ?
ワールドカップ アメリカ 中国
ワールドカップ イタリア セルビア
最終予選日本大会 ? ?
最終予選日本大会 ? ?
最終予選日本大会 ? ?
最終予選プエルトリコ大会 ? ?
リオ五輪最終予選は日本とプエルトリコで行われ、日本大会で上位3チーム、そしてプエルトリコ大会で上位1チームが選出されます。日本大会とプエルトリコ大会には重複して参加することは出来ません。
各大陸の王者とワールドカップ上位2か国、そして開催国がすでに決まっている状態なのですが、上の表を見て疑問に思う方もいらっしゃると思います。そう、アジア大陸予選のチャンピオンがまだ決まっていないという事です。
アジア最上位と全体順位3位の分かりにくさ アジアチームは4位か5位でも出場の可能性は有り
このリオオリンピック最終予選を放送する各局はこの大会名を「リオデジャネイロオリンピックバレーボール世界最終予選」として放送していますが、実は5月14、28日から始まる男女の世界最終予選はアジア大陸予選も兼ねているのです。
ここがこの大会のややこしいところなのです(苦笑)。
最終予選というだけであれば、ノー文句で上位3チームがオリンピック出場!!となるのですが、アジア大陸予選も兼ねているので、アジアのチームで最上位のチームも進出する事になるのです。
ここで実際に女子の最終予選を例にとってシミュレーションしてみましょう。
女子の最終予選日本大会の出場チームは全8ヶ国。顔ぶれはこうです。
アジア出場国 アジア以外の出場国
日 本 オランダ
韓 国 イタリア
タ イ ドミニカ共和国
カザフスタン ペルー
例えば、この大会の最終順位が
1位 イタリア
2位 オランダ
3位 ドミニカ共和国
4位 日本
5位 タイ
だったとしましょう。そうするとアジアの最上位国は日本なので、日本は全体順位は4位なのですがアジア大陸予選優勝国としてリオ五輪出場が決定し、イタリア、オランダ、ドミニカは純粋に上位3か国ですのでこの3チームもオリンピック出場となります。
可能性は低いですがこういう場合も日本は出場となります。
1位 イタリア
2位 オランダ
3位 ドミニカ共和国
4位 ペルー
5位 日本
日本の全体順位は5位ですが、アジア最上位なのでリオ行き決定です。
ではこの場合はどうでしょう。
1位 イタリア
2位 オランダ
3位 タイ
4位 日本
5位 ドミニカ共和国
この場合、アジア最上位はタイですのでタイは決定。そして3位のタイを除いた上位3チームがリオ出場権を得ます。1位のイタリア、2位のオランダ、4位の日本です。
例えていうとこういう場合には出場権を逃す事となります。
1位 イタリア
2位 オランダ
3位 タイ
4位 ドミニカ共和国
5位 日本
アジア最上位のタイとそれ以外の上位3か国、イタリア、オランダ、ドミニカが決定ですね。日本はアジアで2位、タイを除いた全体順位でも4位となるためリオ出場を逃す事となります。
どうですか?わかりにくいでしょ(苦笑)。
簡単に言えば、アジア4か国の中で一番良い成績であるか、上位3か国に入れば間違いなくリオ五輪に出場できるという事です。
難解な大会システムはFIVBの日本優遇?雑音をかき消すためにも文句なしの成績を!
この難解な大会に疑問を呈す声も数多くあります。確かに分かりにくいですよね。
例えば、他の大陸は最終予選とは切り離して単独で大陸予選を行っているのになぜアジアだけ??という疑問の声です。
この最終予選のように最終予選と大陸予選を兼ねてしまうと、仮にアジア1位の座を逃したとしても、前途説明したように4位あるいは5位でも出場できるという状況が生まれて来ます。アジアのチームに取りこぼしても他の地域のチームに勝って挽回できるという事です。逆もまた然りですね。まあこれは日本に限らず他のアジアの国にとっても同じなのですが・・
この最終予選のシステムはアジア以外の大陸のチームと比べるとアジア各国の方がかなり精神的に楽なのではないでしょうか。確かに理論上はアジア最上位とそれ以外の上位3か国という事で公平にも見えますが。やはりしっくりこない感は否めませんよね。
ハッキリした事はわかりませんが、これはFIVB(国際バレーボール連盟)でずば抜けた力を持っている日本への優遇措置だという声もネットなどではよく聞かれます。確かにワールドカップと最終予選は必ず日本開催ですし、FIVBの収入が日本でのテレビ放映権料などに大きく依存している事などから考えてもこの噂の信ぴょう性はあると思いますね。
そんな声をかき消すためにも、そして正々堂々と日本がリオへ行くためにも、やはりアジア予選と最終予選は分けて開催するべきだとわたしは思います。
とまあひねくれ者の難癖かもしれませんが(苦笑)、書きたいことを書かせていただきました。
とにかく日本チームには男女ともにアジア1位か、全体上位の3位以内に入って誰にも文句を言われない形でリオ出場権の切符をつかんでほしいと思いますね。
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