2014年1月に手倉森誠監督がオリンピック世代カテゴリーの監督に就任してから約2年半。
いよいよリオ五輪サッカー代表の18人のメンバーが発表されました。
この2年半の手倉森ジャパンの招集選手はなんと78人。
その中で最終的にリオへの切符をつかんだ18人を選んだ意図や狙い、そしてリオオリンピックでのフォーメーションやスタメン、オプションなどをポジション別に見ていきたいと思います。
出典:SOCCERKING
フォワード 興梠慎三(OA枠)、久保裕也、浅野拓磨、中島翔哉
まずはフォワードの選手たち。
興梠慎三(オーバーエイジ)
久保裕也
浅野拓磨
中島翔哉
ほぼ予想通りで波乱はありませんでしたね。順当な人選だと思います。
中島に関してはMF(ミッドフィールダー)登録なのですが、敢えてフォワードの方にわたしは入れました。フォワードもこなせる選手だからです。
各選手のプロフィールやプレースタイルなどはこちらの記事をご参照ください。
【リオ五輪】U23サッカー日本代表 プレースタイルやプロフィール、見どころなどフォワード編
ポストプレーの興梠、スピードの浅野、得点力の久保、ドリブル突破と運動量の中島
戦術的にはツートップを中心としながらワントップをオプションとして併用していくことが予想される手倉森ジャパン。
ツートップであれば、リオ五輪前最後の公式戦となった南アフリカ戦で見せた浅野と中島のツートップというのももちろん有力なのでしょうが、恐らくこのチームのフォワードの軸はスイス・ヤングボーイズの久保裕也だと思います。
浅野か興梠をトップにおいて、少し下がり目のシャドーで久保を使うというツートップがファーストチョイスになると思います。浅野のスピードを考えると、浅野をスーパーサブとして相手がバテた時間帯に投入し、スタメンは興梠と久保というのが一番効果的ですね。
興梠はポストプレーに非常に長けた選手であり、シャドーストライカーや2列目の攻撃参加を促すには持って来いのフォワードです。前線でためを作れずに攻撃の人数が足りていないという状況がしばしば見られたこのチームにとっては非常に有意義なオーバーエイジの使い方ともいえますね。興梠が入る事で久保の得点力を最大限に生かす事が出来ると思います。
より押し込まれる試合展開が予想される場合は、浅野をトップにおいて一発で裏を狙わせるという一撃必殺のカウンター戦法もありだと思います。その場合ツートップの相棒は運動量が豊富で前線から積極的な守備の出来る中島翔哉が適任でしょう。
とにかくそれぞれ特色のあるフォワードですので、組み合わせは色々と考えられますね。非常にオプションの豊富なフォワードの人材だと思います。
ミッドフィールダー 遠藤航、南野拓実、大島僚太、矢島慎也、原川力、井手口陽介
続いては中盤の選手、MF(ミッドフィールダー)です。
遠藤航
南野拓実
大島僚太
矢島慎也
原川力
井手口陽介
こちらは大激戦が予想されたミッドフィールダー陣という事もあり、非常に予想が困難でしたね。FW、DF、GKがほぼ無風と言われていたのとは正反対に、評論家の間でも選出メンバーが分かれていたのがこの中盤の選手たちの特徴です。
井手口選手が選ばれましたが、最終予選でアピールした豊川選手なども非常に惜しい存在でしたね。とにかく非常に激しいメンバー争いでした。
各選手のプロフィールやプレースタイルなどはこちらの記事をご参照ください。
【リオ五輪】U23サッカー日本代表 プレースタイルやプロフィール、見どころなどミッドフィールダー編
中盤の守備の要・遠藤と右サイド南野は固定。左サイドは運動量豊富な中島か?
恐らく日本代表の基本フォーメーションは4-4-2になると思われます。中盤の陣形は左右の両サイドハーフにボランチ2枚という布陣ですね。
ボランチの一枚は守備に特化したキャプテン・遠藤航が不動のスタメンとしてファーストチョイスなのは確実です。
守備に長けた遠藤とコンビを組むのはやはり展開力に長けた選手となるでしょう。となると、大島、原川、矢島辺りという事になりそうです。
攻撃的にいくのであれば、原川と大島か矢島のコンビの可能性もあるかもしれませんが、ターンオーバー以外では遠藤を外す事は無いでしょう。ターンオーバーで遠藤が外れるという事になれば、その代わりはパス奪取能力に特化した井手口選手という事になるでしょう。
左右のサイドハーフはどうでしょうか。
恐らく右サイドのスタメンは南野拓実が務める事になると思われます。個人技で海外選手に打ち勝てるスキルを持つ選手ですし、パス、シュートと決定的な働きが出来る選手だからです。
左サイドは中島翔哉が入る事が多くなりそうです。中島の運動量はやはりチームの守備的戦術には欠かせないピースであると思います。カウンターでは突破力と強烈なミドルでの展開打破にも期待でき、攻守においてこのチームでの戦術理解度の高い中島はやはり出場機会が多くなるでしょう。
矢島慎也はサイドハーフでも出来る選手ですし、非常にポリバレントな中盤の選手です。得点力もあるので切り札として使えますし、スタメンで出してサイドやボランチなどポジションチェンジしながら起用するという事も出来るのはチーム構成上非常に大きいですね。
ディフェンダー・ゴールキーパー 櫛引政敏、中村航輔、植田直通、岩波拓也、塩谷司(OA枠)、室屋成、亀川諒史、藤春廣輝(OA枠)
最後に守備陣、DF(ディフェンダー)とGK(ゴールキーパー)です。
GK
櫛引政敏
中村航輔
DF
植田直通
岩波拓也
塩谷司(オーバーエイジ)
室屋成
亀川諒史
藤春廣輝(オーバーエイジ)
こちらもフォワードと同様、ほぼ事前の予想通りでしたね。これまでの実績を重視した選出と言えそうです。
各選手のプロフィールやプレースタイルなどはこちらの記事をご参照ください。
【リオ五輪】U23サッカー日本代表 プレースタイルやプロフィール、見どころなどディフェンダー、ゴールキーパー編
センターバックは植田と塩谷が基本か?サイドバックは三人でターンオーバー
フォーメーションとして、最終ラインは恐らく4バックは崩さないで行くと思われます。
まずセンターバックですが、名実ともにこのチームの守備の要である植田直通はよほどのことがない限りは外さないでしょう。植田とコンビを組むのが岩波なのかオーバーエイジの塩谷なのかという事になってきますね。
連携的にはずっとこのチームでコンビを組んできた植田・岩波の方がいいのは間違いありません。塩谷はサイドバックも出来るのですが、手倉森監督はセンターバックとして呼んでいるはずです。
ずばり、わたしは基本線は植田選手と塩谷選手だと思います。恐らく塩谷選手のフィード能力を買っての起用となるかと。
このチームの最大のウイークポイントは、最終ラインからの攻撃のビルドアップにあるとわたしは思います。塩谷選手は元々中盤の選手であり、足元の技術と正確なキックには定評のあるセンターバックです。塩谷選手からの正確なロングフィードは間違いなくこのチームの大きな武器となる事でしょう。大きく守備の時間を減らす事が出来るはずです。
サイドバックは左サイドを基本的にOA枠の藤春選手が担うと思われます。
亀川選手と室屋選手は左右どちらでも出来るサイドバックですので、この両選手を右サイドで使い、藤春選手の疲労や相手チームの特性を考えて、亀川・室屋でスタメンというパターンもあると思います。サイドバックは恐らくしっかりとターンオーバーで回すのではないかと思いますね。非常に疲弊の激しいポジションですからね。
最も熾烈な櫛引と中村の正GK争い
ゴールキーパーの争いも熾烈です。
櫛引選手はセーブ能力に優れたキーパーであり、中村選手はビルドアップ能力と足元の技術に優れたタイプです。全く違ったタイプのゴールキーパーですね。
最終予選では櫛引選手がスタメンでしたが、リオ本番ではどうなるか全くわからないでしょう。
相手チームの戦術、日本代表の戦術家フォーメーションを踏まえたうえで手倉森監督が決める事になるのだと思います。
このチームで最も熾烈なポジション争いが繰り広げられているのがこのゴールキーパーでしょうね。
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