卓球日本代表選手は誰に?男子・女子の個人・団体戦各メンバー&混合ダブルス最有力候補

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卓球

各競技ともに東京オリンピックの代表選手選考が過熱する2019年末。中でも多くのファンから注目を集めているのが卓球競技の日本代表選手争い。連日のようにニュースや情報番組などでその戦いが特集される程の過熱ぶりを見せています。

そこでここでは、日本代表の選考基準となる世界ランキングに大きな影響を与える選考対象最後の大会となる2019ITTFツアーグランドファイナルを終え、シングルス代表が内定した現時点における団体戦及び混合ダブルスの選手選考を考察してみたいと思います。

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卓球日本代表シングルス・団体戦・混合(ミックス)ダブルス選考システムおさらい

まず、卓球の日本代表の選考方法についてはこちらをご覧ください。

東京オリンピック卓球日本代表男女シングルス選考方法

東京オリンピック卓球日本代表男女団体戦選考方法

東京オリンピック卓球日本代表混合ダブルス選考方法

冒頭で申しあげたように2019シーズンの日程がツアーファイナルで終了し、男女のシングルス代表が内定しました。以下の選手が日本代表として東京オリンピックに出場する男子・女子の各シングルス代表選手です。

男子
張本智和
丹羽孝希

女子
伊藤美誠
石川佳純

このシングルス選手男女2名は、同時に団体戦出場メンバーにも自動で選出されます。団体戦に出場するメンバーは男女それぞれ3名ずつ。という事は、団体戦のみに出場する選手がこの2選手に加えて各1名づつ選出されるという事となります。さらに団体戦に出場する男女3選手の中から1名づつが混合ダブルス種目の出場選手に選ばれるというシステムとなっています。

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男子団体戦
張本智和・丹羽孝希に次ぐ団体メンバーは波乱含み??

男子団体戦に出場する張本智和、丹羽孝希に次ぐ3人目の“男”は一体誰になるのか?

普通に考えれば、男子シングルス出場枠を最後の最後まで丹羽選手と争った、リオオリンピック男子シングルス銅メダリストであり長年日本男子卓球界のエースとして君臨した水谷隼選手という事となるのでしょうが、事はそう簡単ではありません。

話をややこしくしているのは、団体戦出場選手選考のうちの次の一文です。

上記1(シングルス出場兼団体戦出場の2選手)の代表候補選手とダブルスが組め、団体戦でシングルス及びダブルスにて活躍が期待できる選手1 名

団体戦で使用されるABC-XYZ方式というのは、3名の団体戦メンバーのうち1人が2シングルスを戦い、残り2名がダブルスを組んでダブルス1試合と各シングルス1試合を戦うというものです。一般的にはシングルス2試合を戦う選手が“エース”と呼ばれる選手であり、日本代表でいえば世界ランキング的にもここ数年の国際大会での実績的にも張本智和がこれに該当するのは衆目の一致するところではないでしょうか。

となれば、必然的に丹羽孝希選手が団体ダブルスに回ることとなり、丹羽選手とダブルスを組める選手が団体戦3人目の選考において重要なファクターとなります。

圧倒的不利といわれる左利き同士のダブルスを避けるなら浮上するダブルスの名手・吉村真晴

しかしここで問題となるのが、丹羽選手が左利きであるという事。卓球におけるダブルスにおいて、左利き同士のダブルスというのは最も不利な組み合わせであるというのは半ば常識的ともなっているのです。世界で実績を残しているペアに、卓球ダブルスで最も理想的といわれる右利きと左利きのダブルスペアが圧倒的に多く、左利き同士のペアをほとんど見ないのはそのためです。

現実的に張本選手をシングルス2点使い、丹羽選手と水谷選手にダブルスを組ませてダブルス1・シングルス1で起用するというシステムはほぼ無いであろうと個人的には思います。張本選手を団体戦の2点使いするのであれば、丹羽選手とダブルスを組むのに最適なのは世界選手権でも丹羽選手とダブルスを組んでメダルを獲得したダブルスの名手、右利きの吉村真晴選手が適格といえるでしょう。リオオリンピックの団体メンバーである吉村選手であれば、実績的にも経験的にも申し分ありません。

ただし、仮に団体戦メンバーに吉村選手を選出するとなった場合にも実に厄介な問題が立ちはだかっているのです。

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中国との対戦を避けるドローを優先するならば五輪メダリスト・水谷隼の一択か

卓球オリンピック団体戦のドロー(組み合わせ)は、各国の団体戦メンバー3名の世界ランキングに応じて決定します。ここで重要になるのが、圧倒的強さを誇る卓球大国・中国の存在です。

男女ともにランキング1位~3位を独占している中国の圧倒的実力からみて、東京オリンピックにおける第1シード獲得はほぼ100%間違いありません。そうなった場合、第2シードに入った国は決勝戦まで中国と対戦する可能性がなくなるのです。メダル獲得を目指す強豪国にとってこのメリットは計り知れない程大きなものとなります。「どうせ金メダルを目指すならいつかは中国を倒さなければならないのだからそんな姑息な計算はけしからん!」とおっしゃる方もいらっしゃるかもしれませんが、それ程までに中国の存在は圧倒的です。メダルを目指すのであれば、なるべく中国との対戦はギリギリまで避けたいというのが卓球界の常識なのです。

2019年12月現在の世界ランキングにおける、男子日本の上位3選手と、日本のメダル争いのライバルである強豪国、ドイツの上位3選手を見てみましょう。

日本男子
5位  張本智和
12位 丹羽孝希
14位 水谷隼

ドイツ男子
10位 ボル
11位 オフチャロフ
15位 フランツィスカ

ほぼ互角ですが、3選手の世界ランキング合計数では僅かに日本の方が上回っています。おそらくこのランキングのまま推移したと仮定すれば、日本が中国に次ぐ第2シードを獲得することとなる可能性が高いでしょう。

では、仮に水谷選手ではなく吉村選手が選ばれたパターンではどうでしょう。

日本男子
5位  張本智和
12位 丹羽孝希
54位 吉村真晴

世界ランキング順位ではドイツに大きく水を空けられることとなり、第2シードの座はほぼ確実に逃してしまうでしょう。ドイツだけでなく、世界ランキング20位以内に3選手を擁している韓国にも抜かれてしまい、第4シードの可能性が濃厚となってしまうのです。準決勝で中国と対戦する可能性が高くなれば、もし中国に準決で敗れた場合に3位決定戦となる銅メダルマッチを戦わなければならなくなり、メダル獲得へのハードルはますます高いものとなってしまうという事です。

金メダルを目指すのは勿論なのですが、現実的にメダル獲得の可能性を高めるのであれば、ドローで中国と決勝戦まで対戦しない第2シードを獲得するために、少しでも世界ランキング上位の選手を選びたいと協会が考えるのも当然のことでしょう。

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メダル獲得の可能性優先かダブルス相性重視か…難航必至の男子団体戦代表候補選考

前述した複雑な要素から代表を選考する日本卓球協会のジレンマは察するに余りある中、あくまで個人的な最適解を探ってみましょう。

ダブルスの名手で実績も実力も申し分ない吉村選手の存在は実に惜しいのですが、やはり第2シードを確実に取りに行くために水谷選手を代表に選ぶのがベストだと思います。

大舞台での経験を持ち、日本卓球界でただ一人シングルスにおけるメダリストである水谷選手をシングルスの2点使いとし、張本選手と丹羽選手をダブルス&シングルスで起用する…というのが現時点で最もベストな選択のような気がします。

張本選手を2点使いとして水谷&丹羽の左同士でのダブルス…というのはやはり厳しいのではないでしょうか。ダブルスはABC・XYZ方式の団体戦では試合の流れを決める重要な役割を担います。その意味では、ここに圧倒的不利といわれる左&左のペアで挑むのはあまりにリスクが高すぎるといわざるを得ないでしょう。

ともあれ、個人的に1月6日の代表決定で最も注目しているのがこの男子団体戦の3人目が誰になるのか?という部分ですね。強化本部はどんな結論を出すのか…本当に迷うところでしょう。どんな決定となっても苦渋の選択となるのは必至、本当に心中察するに余りありますね。

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