卓球中国女子・孫穎沙(そんえいさ/スンインシャ)平野美宇のコピー選手から世界トップランカーへ

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卓球

毎年のように現れてくる卓球王国・中国の若手選手。選手の質・量ともに他国を圧倒する絶対王者の中国にはその選手層の厚さゆえになかなか国際舞台に上がることのできない実力者がゴロゴロいます。

ここではそんな中国の分厚い選手競争の中を勝ち上がって世界ランキング上位入りし、将来の中国女子のエースとなる事が確実視されている孫穎沙(沙は正確には上に“くさかんむり”)選手をご紹介しましょう。

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女子世界ランキング29位・孫穎沙(そんえいさ/スンインシャ) 右シェークハンドドライブ型

生年月日 :2000年(平成12年)11月4日生まれの18歳
出 身 地:中華人民共和国
効 き 腕:右
グリップ :シェークハンド
ラ バ ー:両面裏ソフト
タ イ プ:ドライブ攻撃型
世界ランク:29位(2019年4月時点)

孫穎沙(そんえいさ/スンインシャ)選手は、世代的にはリオ五輪金メダリスト世代の丁寧劉詩ブン(1990~91年生まれ)、そしてその下の朱雨玲陳夢らの世代(1994~95年生まれ)の次の世代となる中国のニュージェネレーションとなります。同世代のトップランカーには1999年生まれの王曼昱がいます。日本の女子黄金世代といわれる伊藤美誠、平野美宇、早田ひなの3選手とは全くの同学年であり、ジュニアカテゴリーでもしのぎを削ってきたライバル関係でもあります。

最新の世界ランキングではみうみまよりも下の29位となっていますが、それは他の多くの実力派中国選手同様、自国のあまりの層の厚さ故に他国の世界ランカーに比べて国際大会に出場する機会がないため。その実力は確実に世界ランキングトップ5に入る地力があるといわれています。

実際に2019年の世界卓球選手権ブダペスト大会では3回戦で世界ランキング7位の伊藤美誠選手に4-1で圧勝しています。

将来的には王曼昱らとともに中国の将来を担う事が確実といわれている大器です。東京五輪後には一線から退くことが確実視されている丁寧や劉詩文の次を担うといわれている朱雨玲や陳夢らの世代を飛び越えて2024年パリ五輪のエースとなる可能性まであるほどの実力者なのです。

みうみまひなの日本黄金世代とジュニア時代に対戦し手の内を知り尽くす孫穎沙

前述したように、中国女子卓球界はロンドンとリオの両五輪で主力を担った丁寧と劉詩文がキャリアの晩年を迎えています。おそらく東京五輪後には引退かセミリタイアするのではといわれており、卓球界では次代の女王が誰になるのかが大きく注目されています。

一時は世界ランキングの1位と2位を独占した、年齢的には最も脂の乗り切っている朱雨玲と陳夢が引っ張るのが妥当な見方でしょうが、朱雨玲は大舞台での勝負弱さ、陳夢は安定感があるものの爆発力に欠けるとして、絶対女王になるには足りないという見方があるのも事実です(それでも十分強いのですが汗)。

そこで注目されているのが、この孫穎沙や王曼昱といった新世代の実力選手たち。彼女らは経験こそ上の世代には劣るものの、王国の最大の敵とみなされている伊藤美誠や平野美宇、早田ひなら日本のゴールデンエイジとはジュニア世代で何度も戦って手の内を知り尽くしているのが強みといえます。

間違いなく卓球女子で中国が最も警戒しているのは日本。そしてその中でも中国選手を何度も撃破しているみうみまひなは王国最強の敵として最大限の対策と戦術を施しています。

そんな中国の国家を挙げたプロジェクトの中から彗星のごとく現れた選手こそこの孫穎沙という選手なのです。

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中国ナショナルチームの平野美宇対策でコピー選手として頭角を現した孫穎沙

中国の強さというのは選手の質と選手層の厚さと述べましたが、ハッキリ言って本当の実力は世界ランキングの20位くらいまでは中国の選手が占めてしまうのでは?とさえいわれています。それほどに中国の選手層は群を抜いているというわけです。

2017年のアジア選手権で卓球王国の中国を揺るがす衝撃があったことは卓球ファンならばよく御存じのことでしょう。

この大会の女子シングルスで、日本代表の平野美宇選手が準々決勝で丁寧(世界ランキング当時1位)、準決勝で朱雨玲(同2位)、決勝では陳夢(同5位)を3連続で撃破して優勝したのです。

この衝撃は世界の卓球界に激震ともいわれる程の衝撃を与え、王国・中国のプライドをズタズタに引き裂きました。

しかしこの平野美宇への対策も実に迅速でした。圧倒的な選手層を誇る中国は平野美宇選手を手低的に研究して丸裸にし、平野選手にプレースタイルなどが似た実力派選手を仮想平野美宇に見立て、コピー選手として中国ナショナルチームの練習に帯同させて代表選手に徹底的に対戦させたのです。その後、中国選手がほとんど平野選手に負けないようになったのもみなさんご存知の通りです。

そしてそんな仮想平野美宇として帯同させた選手のうちの一人こそこの孫穎沙選手。そこから一気に開花して中国の次代の女王候補と呼ばれるまでになったのです。

ピッチの速い両ハンドドライブと戦術変更にも柔軟な卓球脳が魅力のプレースタイル(動画有)

こちらは2019卓球世界選手権女子シングルス3回戦、伊藤美誠選手対孫穎沙選手の試合。

黄色いユニフォームが伊藤選手で青いユニフォームでショートカットの選手が孫選手です。大柄な選手が珍しくない中国女子選手の中では小柄な方で日本選手とほとんど差はありません。

しかし動画を見てもらえばわかるように、フィジカルは中国選手らしい強靭なもので、鍛え抜かれた下半身を重心に全身を使ったパワフルなドライブで何度も伊藤選手の守備を打ち破っています。しかも特筆すべきは普通の選手ならば一撃で決まるほどのドライブを早いピッチで連続して打ち出すことができるという点。ラリーに強くカウンターに長けた伊藤選手をこれだけラリーで圧倒しているのですから絶句する他はありません。

さらに、トリッキーな伊藤選手のプレーにもほとんど動じず、試合中の伊藤選手の戦術変更にもしっかり対応して流れを渡さないという戦術的な柔軟度も大きな武器です。こういった卓球脳の高さもこの選手が国際舞台で輝ける理由ですね。

向こう10年以上にわたって日本選手の前に立ちはだかる存在となる事は間違いない孫穎沙選手。しかしそんな孫選手でさえ全く安穏とはしていられない程の選手層を持つ中国…王国の懐はどこまで深く広いのか。まさに卓球日本にとっての巨大すぎるラスボスですよね。

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