オリンピック、ワールドカップ、ITTFワールドツアー…卓球の国際大会において常に日本代表の前に立ちはだかる最強最大の高き壁、卓球中国代表。
当然の如く2018世界卓球スウェーデン大会でも日本代表悲願の世界一の前に大きく立ちはだかる存在となります。
ここではそんな世界卓球2018の中国女子代表をご紹介しましょう。
世界ランキング1位 陳夢(ちんむ/チェンムン)
生年月日 :1994年1月15日生まれの24歳
出 身 地:中華人民共和国山東省青島市
効 き 腕:右
身 長:163cm
体 重:55kg
グリップ :シェークハンド
タ イ プ:ドライブ攻撃型
世界ランク:1位(2018年4月時点)
年少の頃から頭角を現している事の多い中国トップ選手の中では遅咲きともいえるこの陳夢選手。現行システムとなった世界ランキングで堂々の1位となり世界卓球中国女子代表メンバーに文句なしで選ばれました。
前~中陣で戦えるオールラウンドな攻撃タイプであり、守備力にも長けた攻守両面で非常にレベルの高い選手で弱点らしい弱点がありません。中国女子のレジェンド選手である張怡寧(ちょういねい)を憧れの選手に挙げる陳夢ですが、その張怡寧の後継者といえる域に達しつつあります。メンタルも強く、本当に穴のない厄介な選手ですね。この選手が絶対女王として君臨する時代となるかもしれません。
日本代表選手との対戦成績がこちらです(2018年4月現在のシングルス戦績)。
対石川佳純 3勝0敗
対伊藤美誠 1勝0敗
対平野美宇 2勝1敗
対早田ひな 1勝0敗
対長崎美柚 対戦無し
シングルスで唯一この陳夢に勝っているのは平野美宇選手のみ。記憶に新しい2017アジア選手権の決勝での対戦ですね。まだどの選手も対戦成績が少ないので流動的なのですが、当然ながら厳しい戦いになる事が予想されますね。唯一勝利した平野美宇選手にしても、その2ヵ月後のワールドツアージャパン荻村杯では0-4のストレートで雪辱を果たされています。
陳夢選手に関する詳しい情報はこちらの記事からどうぞ。
世界ランキング2位 朱雨玲(しゅうれい/ジュユリン)
生年月日 :1995年1月10日生まれの23歳
出 身 地:中華人民共和国四川省綿陽市
効 き 腕:右
グリップ :シェークハンド
タ イ プ:ドライブ攻撃型
世界ランク:2位(2018年4月時点)
陳夢の前の世界ランキング1位選手であり、陳夢とともに東京オリンピックのエースと目されているのがこの朱雨玲選手。李暁霞、丁寧、劉詩文という中国女子の女王世代の後継者の座を早くから約束されてきた天才選手です。
前陣からピッチの速いドライブで連打するそのスタイルはまさに中国の王道ともいえる超攻撃的卓球。に加えてブロックやカウンターなど前陣における守備力も高く、追い詰められても一切プレーが乱れる事のないその鉄のメンタルとともにパーフェクトプレーヤーともいわれます。世界ランク1位の座を巡って陳夢としのぎを削る、日本にとってはバリバリのラスボス的選手です。
日本代表選手との対戦成績がこちらです(2018年4月現在のシングルス戦績)。
対石川佳純 9勝1敗
対伊藤美誠 2勝0敗
対平野美宇 4勝1敗
対早田ひな 1勝0敗
対長崎美柚 対戦無し
朱雨玲に勝利しているのは石川佳純選手と平野美宇選手のともに1度づつ。とはいえ、石川選手の勝利は5年以上前のまだ朱雨玲がジュニア時代のものであり、平野選手も勝利したアジア選手権以降は4連敗を喫しています。
特筆すべきは早田ひな選手でしょうか。シングルス対戦は2017ワールドツアーグランドファイナルでの1度しかありませんが、その対戦では敗れたものの、3-4という大接戦を演じました。朱雨玲的には最も嫌な相手はこの早田選手かもしれません。
朱雨玲選手に関する詳しい情報はこちらの記事からどうぞ。
世界ランキング10位 劉詩文(りゅうしぶん/リュウシウェン)
生年月日 :1991年4月12日生まれの27歳
出 身 地 :中国遼寧省
効 き 腕 :右
グリップ :シェークハンド
タ イ プ :前陣ドライブ攻撃型
世界ランク :10位(2018年4月時点)
中国女子卓球界の最高傑作ともいわれ、天才少女として期待されながらもまだ世界卓球とオリンピックのシングルスタイトルをとれていないこの劉詩文選手(正確な文の漢字は雯)。前陣で打点が高くピッチの速いドライブを連続で繰り出すそのプレースタイルはしばしば日本人が最もお手本にすべき理想形だといわれて来ました。大舞台でのプレッシャーからくるメンタル面での課題を指摘され、これまで実力に見合わない低調なキャリアとなっていますが、その実力はまさに天才といえるでしょう。個人的には李暁霞や丁寧より実力的には上だと断言します。
日本代表選手との対戦成績がこちらです(2018年4月現在のシングルス戦績)。
対石川佳純 7勝0敗
対伊藤美誠 1勝0敗
対平野美宇 3勝0敗
対早田ひな 1勝0敗
対長崎美柚 対戦無し
高速卓球の申し子である劉詩文と世界卓球2018日本女子代表選手との対戦成績は上記の通りです。誰も勝てていないというのが現状です。戦績を見ても分かる通りですが、今大会での日本女子にとっての最も大きく高い壁はこの劉詩文といえるでしょう。プレースタイルを従来のものから高速卓球へと変えて中国選手にも実績を残しつつあるエースの石川佳純選手や目下絶好調で確変中の伊藤美誠選手辺りに期待したいですね。
劉詩文選手に関する詳しい情報はこちらの記事からどうぞ。
世界一のスピード卓球&カット打ち・劉詩雯(文/りゅうしぶん)
世界ランキング11位 丁寧(ていねい/ディンニン)
生年月日 :1990年6月20日生まれの27歳
出 身 地 :中国黒竜江省大慶市
身 長:172cm
効 き 腕 :左
グリップ :シェークハンド
タ イ プ :ドライブ攻撃型
世界ランク :11位(2018年4月時点)
リオ五輪女子シングルス金メダリストであり、現役の中国女子選手唯一の大満貫達成者(五輪・世界選手権・ワールドカップ全てのシングルスで優勝する事)であるこの丁寧選手。長身から繰り出すダイナミックなプレースタイルやスーパースターらしからぬ愛嬌のある性格で、本国中国だけでなく日本でも人気の高いスター選手です。
多くの説明は不要なほどに日本のファンにもお馴染みのこの丁寧、世界卓球にオリンピック、ワールドカップと悉く日本悲願の世界一を阻む強敵として日本女子の前に立ちはだかってきましたね。既にベテランの域に達してきた年齢ですが、スピード勝負にもパワー勝負にも対応できる幅の広いプレースタイルは円熟味を増す一方です。まだまだ世代交代は許さないという絶対女王の意地を感じますね。
日本代表選手との対戦成績がこちらです(2018年4月現在のシングルス戦績)。
対石川佳純 9勝0敗
対伊藤美誠 5勝1敗
対平野美宇 7勝1敗
対早田ひな 2勝0敗
対長崎美柚 対戦無し
丁寧も過去の日本人選手との対戦は圧倒的な数字を誇っていますね。今回の日本代表の中ではみうみまがそれぞれ1勝しているだけです。ただ、ポジティブにかんば得れば、ともにスピード卓球が上手くハマれば丁寧に一泡ふかせられるというのは実証しているともいえます。加えて日々進化している10代の若手選手特有の伸びしろもプラス材料と言えるでしょうし、その辺りに期待したいですね。
世界ランキング5位 王曼昱(おうまんいく/ワンマンユ)
生年月日 :1999年2月9日生まれの19歳
出 身 地 :中国黒竜江省
身 長:176cm
効 き 腕 :右
グリップ :シェークハンド
タ イ プ :ドライブ攻撃型
世界ランク :5位(2018年4月時点)
丁寧や劉詩文の次世代、陳夢や朱雨玲のさらに次世代となる新世代の中国女子のエース間違いなしと言われている逸材がこの王曼昱選手です。フィジカルエリート揃いの中国女子ナショナルチームの中でも176cmの長身は際立っています。あの丁寧ですら172cmなのですから。
細かな技術面はまだ粗削りな部分が残りながらもそのプレースタイルはまさに大物というにふさわしいものです。相手守備を打ち抜くパワフルな両ハンドドライブに加え、長いリーチを生かした守備範囲の広さも素晴らしく、ラリー戦に圧倒的な強さを誇ります。この若さにして世界ランキング5位というのも十分にうなずける強さであり、ここ数年のうちに間違いなく世界ランキング1位に躍り出る事となるでしょう。日本戦でのスタメンも十分にあり得る実力者ですね。
日本代表選手との対戦成績がこちらです(2018年4月現在のシングルス戦績)。
対石川佳純 2勝0敗
対伊藤美誠 4勝0敗
対平野美宇 対戦無し
対早田ひな 対戦無し
対長崎美柚 対戦無し
平野、早田、長崎とはシングルス未対戦で、石川と伊藤に対してはまだ負けていません。何度も言いますがまだ19歳の選手です。まだ未対戦の平野選手のスピード、早田選手のパワーとどれだけ対抗できるのか見てみたいですね。個人的には平野美宇選手との次世代の日中女王対決を見てみたいです。それにしても…世代交代ごとにこのレベルの選手が複数人出てくる中国という国の質量ともに圧倒的な選手層はまさに脅威という他有りませんね。
世界卓球2018の中国代表男子選手についてはこちらの記事をご覧ください。
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