オリンピック、ワールドカップと並んで卓球の世界三大大会に数えられ、最も古い歴史を誇る世界卓球選手権。
個人戦と団体戦を毎年交互に行う世界卓球。2018年は団体戦の年となりますが、ここでは49年ぶりの世界一の座を手にすべく選ばれし卓球日本代表選手の男子5人をご紹介しましょう。なお、世界ランキングは2018年4月におけるものとなっています。
水谷隼(みずたにじゅん/木下グループ) 最新世界ランキング11位
ご存知、日本を代表する男子エース・水谷隼選手。世界卓球選手権の団体戦は、2006年の48回ドイツ・ブレーメン大会に初出場して以来、今回で7大会連続7度目の出場となります。
日本のエースに君臨して10年以上、世界卓球では4度の銅メダル、1度の銀メダルを獲得した日本の大エースにとって目指すは中国を破っての金メダルしか眼中にないでしょう。
世界卓球2017の男子シングルス2回戦、そして2018年の全日本卓球選手権決勝戦でともに怪物・張本智和選手に苦杯を喫した水谷選手ですが、その後3月に行われたジャパントップ12の決勝戦では見事張本選手に雪辱を果たし、オリンピックメダリストの力を示すとともに、まだまだ世代交代は許さないという意地を見せてくれましたね。特に前陣での攻撃とチキータレシーブを多用したそのスタイルはさらに進化しており、対中国においてもますます期待度が増す試合でした。
リオ五輪団体決勝戦では王国・中国から唯一となる勝ち星を許シンから奪ったように、打倒中国にこの男の力は欠かせません。当然世界卓球2018でもエース級としてシングルス2本使いが中心となることでしょう。
張本智和(はりもとともかず/JOCエリートアカデミー) 最新世界ランキング13位
史上最年少で全日本王者に輝くなど、日本卓球界の歴史を次々と塗り替え続ける怪物・張本智和。世界卓球選手権の団体戦は今回が初出場となります(個人戦は2017に出場)。
年々…というよりも試合ごとに進化を続ける、まさに成長途上の怪物・張本智和選手ですが、特に昨年までは課題といわれたフォアハンドの成長は著しく、前から天才的・世界レベルと称されたバックハンド技術と併せてますます弱点の無い選手へと変貌を遂げつつあります。
2018年2月にはチームワールドカップの日本代表に選出され、世界三大大会の団体戦デビューも果たしました。予選から決勝の中国戦まで全5試合でシングルス2点使いのエースポジションを任されて全7試合を戦って3勝4敗という成績でした。ピッチフォード(イングランド)、黄鎮廷(香港)、李尚洙(韓国)、樊振東(中国)という錚々たる面々に敗北を喫しはしたものの、世界最高峰の団体戦を経験できたのは世界卓球に向けて大きなプラス材料となったはずです。
恐らくは世界各国のチームから徹底的に研究されて迎えるであろう世界卓球2018ハルムスタード大会の張本智和。しかしそんな相手チームの対策を上回る更なる進化を遂げてくれることでしょう。水谷とともにWエースとしてのシングルス2点起用が予想されます。
丹羽孝希(にわこうき/スヴェンソン) 最新世界ランキング9位
2018年3月現在では日本人男子選手中最高の世界ランク9位についているのが丹羽孝希選手。世界卓球の団体戦の出場歴は、2012年の第51回ドルトムント大会で初出場以来、今大会で4大会連続4回目の出場となります。
ジュニア時代から世界で活躍し、前陣から両ハンドで相手のエース級のドライブやスマッシュを打ち抜くプレースタイルから「天才」と評されてきた丹羽孝希選手。上の世代には絶対エースの水谷隼が君臨し、下の世代からは次世代エースの張本智和という超新星が出現し、間の世代として世代間抗争も激化している日本男子卓球界。しかしそんな中でしっかりと日本男子の最高世界ランクを維持しているのはさすがという他ありません。
前回の世界卓球2016クララルンプール大会では、水谷とともにWエースに期待されながら、不調によって途中からはスタメン落ちも経験し、悔しい思いも味わった丹羽選手。最近では持ち味の前陣カウンタースタイルに加え、長年の課題といわれた中陣以降に下げられたプレーでも進境を見せる丹羽選手ですが、世界卓球の借りは世界卓球で返してくれると信じましょう。
松平健太(まつだいらけんた/ホリプロ・木下グループ) 最新世界ランキング14位
卓球界屈指のイケメン選手として人気・実力ともに高い松平健太選手。世界卓球団体戦は2010年の第50回モスクワ大会に10代で初出場して以来、2014東京、2016クアラルンプールに続いて4度目の代表選出となりました。
天性のボールタッチ、反射神経などから天才との呼び声高かった“マツケン”ですが、一時期は不振に悩みスランプに陥った時期もありました。しかし、水谷隼に続く長期間日本男子のトップを維持しているのは地力の高さの裏返しに他なりません。かつては中国の世界王者・馬琳を破ったこともあるジャイアントキリングの申し子ともいえるマツケンの存在は、打倒中国を目指す日本にとって頼もしいことこの上ないものといえるでしょう。
現時点では張本と水谷がシングルス2点使いとなり、残りのシングルス1点使いを他の選手とこの松平健太が争うであろうといわれていますが、実績的にも実力的にも水谷、張本の両輪に食い込む事は十分考えられるでしょう。マツケン最大の武器である一撃必殺のカウンターは相手が強くなればなるほど効果を発揮するので、特に強豪チームに対する期待大です。
大島祐哉(おおしまゆうや/木下グループ) 最新世界ランキング29位
卓球チームワールドカップ2018では日本代表として、日本男子史上最高成績となる準優勝に貢献した大島祐哉選手も世界卓球2018ハルムスタード大会代表に選ばれました。大島選手は、前回の世界卓球2016クアラルンプール大会に続いての世界卓球団体戦出場となります。
ジュニア時代から頭角を現して活躍する選手が多い日本代表選手の中にあって、大学(早稲田大学)進学後に実力を発揮して一気に世界レベルの選手となった、比較的遅咲きの選手といっていい大島選手。近年は特に森園政崇選手とのダブルスにおいての活躍が目立つため、ダブルスのスペシャリストに見られがちですが、シングルスでも世界レベルの実力を誇る選手です。
日本選手には珍しいフィジカルエリートタイプの選手であり、その強靭なフィジカルを生かしたフットワークと中陣からのパワードライブが最大の特徴といっていいでしょう。ヨーロッパや中国に比べて日本が最も劣ると長年言われ続けてきたフィジカル面での差を全く感じさせない選手です。後ろに下げられても一発のドライブで攻守を逆転してしまえるそのプレースタイルは日本では稀有な存在ですね。
近年では得意の中陣~後陣での打点を落としたパワードライブに加え、前陣での高い打点での速攻にスタイルをチェンジさせつつある大島選手。それが完成した時、最強のオールラウンド選手になるでしょう。世界卓球の舞台でニュー大島祐哉を見せてほしいですね。
なお、世界卓球2018スウェーデン・ハルムスタード大会における日本女子代表チームについては以下の記事をご覧ください。
コメント