2016リオ五輪までは男女の団体戦とシングルスが行われていたオリンピック卓球種目。2020年東京オリンピックからは新種目として混合ダブルスが追加されました。
東京五輪で採用されることとなった混合ダブルスは、2018年卓球世界選手権で吉村真晴・石川佳純組が世界卓球49年ぶりの金メダルを獲得した、日本にとってはメダルが有望視される種目です。
ここではそんなオリンピックの新種目、混合ダブルスの五輪代表選考の基準やプロセスについてわかりやすく説明していきたいと思います。
日本卓球協会による東京五輪日本代表選考基準
混合ダブルス選考の詳細な説明の前にまず、日本卓球協会が明示している2020東京オリンピックの卓球日本代表の選考基準をご紹介しましょう。
1.シングルス代表候補選手2 名
2020 年1 月発表の世界ランキング日本人上位2 名をJOC に推薦する。
※上位1 位の世界ランキングポイントが3 名以上、若しくは2 位の選手が2 名以上
重複した場合は、以下の順序で上位を決定する。
(1)ワールドツアー等の優勝回数を評価(〇内の数字は優先順位)
※2019 年1 月1 日~12 月31 日までの期間を評価
※①世界選手権 ②ワールドカップ ③ワールドツアーグランドファイナル
④ワールドツアープラチナ6 大会
(2)世界ランキング30 位以内(日本人選手、同一選手含む)に勝利した回数
(3)該当する選手間で最終決定戦を行う。(詳細は後日決定)
2.団体戦代表候補選手1 名
上記1.の代表候補選手とダブルスが組め、団体戦でシングルス及びダブルスにて活躍が期待できる選手1 名を、強化本部が決定し理事会に報告及びJOC に推薦する。
3.混合ダブルス代表候補選手男女各1 名
上記1.2.代表候補男女各 3 名の選手の中で、最高のペアリングと思われる混合ダブルスペア1 組を、強化本部が決定し理事会に報告及びJOC に推薦する。
なお、日本は開催地枠として全種目のエントリーが保障されており、予選で出場資格を獲得する必要がない。従って、混合ダブルスベスト 4 に代表資格が発生する予定である2019 年12 月ITTF ワールドツアーグランドファイナルについては、混合ダブルスの代表候補選手選出の対象大会としない。
※ベスト4 に入ったペアは、所属NF ならびに所属NOC が承認するまで代表ではなく、所属NF と所属NOC に最終的な決定権があることはITTF と確認済みである。
4.リザーブ候補選手1 名
日本がメダルを獲得するために必要なダブルス及びシングルスでの国際競争力を持ち
合わせている者1 名を、強化本部が決定し理事会に報告及びJOC に推薦する。
リザーブ選手の発表時期はJOC へのエントリー期限直前とする。
5.補足基準
代表候補選手及びリザーブ候補選手が故障等で大会参加が不能となった場合、その代替
候補選手は、強化本部が決定し理事会に報告及びJOC に推薦する。公益財団法人 日本卓球協会HPより引用
以上、日本卓球協会の正式な選考基準です。赤太字の部分が混合ダブルス代表選手の選考基準となっています。
団体戦代表から組み合せる混合ダブルス出場選手 混合ダブルスのみの代表選出は無し
混合ダブルスの説明の前にまず、シングルス代表兼団体戦代表の2名は世界ランキング上位選手、団体戦のみの代表1名はシングルス兼団体代表選手とのダブルス相性などを考慮して選出されるという事をご理解しておいてください。このプロセスについての詳細は以下の記事からご覧ください。
混合ダブルス代表選考基準にはこうあります。
「上記1.2.代表候補男女各 3 名の選手の中で、最高のペアリングと思われる混合ダブルスペア1 組を、強化本部が決定し理事会に報告及びJOC に推薦する」
どういう事かといいますと、混合ダブルス種目に出場する選手は団体戦出場の3選手の中から選ぶという事です。つまり、混合ダブルス種目のために新たに選出されるメンバーはいないという事です。既に選ばれている団体戦メンバーから男女各1選手を組み合わて混合ダブルスに出場させなさいという事ですね。
伊藤美誠、石川佳純、張本智和、水谷隼…ペアを組むのは誰と誰?予想困難なレベルの高さ
公式な選考基準にはこうもあります。
「なお、日本は開催地枠として全種目のエントリーが保障されており、予選で出場資格を獲得する必要がない。従って、混合ダブルスベスト 4 に代表資格が発生する予定である2019 年12 月ITTF ワールドツアーグランドファイナルについては、混合ダブルスの代表候補選手選出の対象大会としない。」
この部分に関して簡単に説明すると、2019年末に行われる「ITTFワールドツアーグランドファイナル」の混合ダブルス種目に出場したペアのうち、ベスト4に進出出来たダブルスペアには東京五輪出場資格が得られますが、日本は既に開催国として出場権を持っているのでベスト4入りしたペアがいてもそのペアが代表決定という事ではないという事です。要は、ファイナルベスト4に入った日本人選手がいても、その成績と関係なく代表を選びますという事ですね。
これは当然でしょう。混合ダブルス優先かシングルス&団体戦優先かという事になれば、シングルスと団体戦で好成績を見込める選手を選ぶという事です。混合ダブルスに出場する選手は自動的に団体戦に出場するわけで、団体戦に出場するという事は最低でも各試合で1試合はシングルス戦を戦う事となります。となれば、シングルス実績も無視できない選考基準となるわけです。
というわけで、優先的に決定されたシングルス&団体出場選手2名と団体のみ出場選手1名の中から選ばれることとなる混合ダブルス種目の代表選手。
最後に個人的に出場選手を予想してみたいと思います。
張本智和&石川佳純ペア
水谷隼&伊藤美誠ペア
右利きと左利きのペアとなるのが基本だと思いますので、現在の世界ランクなどを考えるとこの辺りが無難な線になってくるのかなと思いますね。この辺りの選手だとどう組んでもメダル候補間違いなしというレベルの高さとなってくるでしょう。
どちらにせよ、最大最強の敵は中国ペアになるのは間違いありません。この辺りも勘案して対中国選手への実績を最重点で考慮したペアにする可能性もありますね。どちらにしても代表が最終決定する2020年1月までどう転ぶかわからないレベルの高い代表争いを期待しましょう。
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