伊藤美誠と平野美宇に見る中国選手が強い理由!秘密はツッツキにあり?パワーと回転量を生かした中国の戦術

スポンサーリンク
卓球

表ソフトのバック狙いでフォアカウンター“みまパンチ”を封じる伊藤美誠対策

続いては中国が伊藤選手に対して立てた打倒・伊藤対策。

まず、ロングサーブを多用する伊藤選手に対して、ロングサーブには伊藤選手のバックかミドルに返球が基本、ショートサーブに対してはツッツキを伊藤選手のバックに長く深く返し、バックハンドでツッツキを持ち上げさせて伊藤選手のバックサイドへのラリーへと持ち込みます。伊藤選手のカウンターを誘発するチキータやフリックはほとんど使ってきませんね。

中国選手のサーブは伊藤選手のバックへのショートかミドル・バックへのロングを多用。伊藤選手が得意とするフォア側へのロングサーブはほとんど使用しません。

基本的には伊藤選手のフォアドライブやスマッシュ、“みまパンチ”と称されるフォアカウンターを防ぐためにサーブもレシーブもバックかミドルを攻めるのが基本でそれを徹底させています。伊藤選手は裏面が表ソフトということもあり、前陣で高い打点で打つ場合は速さで優位に立てますが、少し台から下げられて打点が下がるとミスが出やすくなり優位性が失われてしまいます。

表ソフト選手対策に有効といわれる深いツッツキとバックを中心に左右に振ることで台から下げさせるという基本を徹底、バックを徹底的に意識させることで得意のフォアハンドを封じるという戦術ですね。

とまあ書くのは簡単なのですが(笑)、多彩なサーブに細かな台上技術や厳しいコースを狙うボールコントロール、強烈な回転を生み出せるフィジカルパワーの全てを兼ね備えた中国選手だからこそできる芸当であることは間違いありません。

スポンサーリンク

チキータレシーブに代わって再び“ツッツキ”が重要戦術に?

このように、中国選手はバックハンドが得意な平野選手に対しては徹底したフォア攻め、フォアハンドが得意な伊藤選手に対しては徹底したバック攻めを基本としていることがお分かり頂けると思います。

そして両選手に対しての共通の戦術がツッツキの多用。前述したように中国選手のツッツキは強烈な下回転がかかっているため、ドライブで持ち上げて返球するためにはそれ以上の上回転をかけなければなりません。その上に相手の守備ブロックを破るほどのドライブを放つためにはさらに強烈な上回転が必要となり、フルスイングでドライブを振れるフィジカルに優れたパワードライバーでなければ中国選手の守備ブロックを打ち破ったり台から大きく下げさせることは至難の業となります。つまり、パワーに劣る日本人選手のツッツキに対するドライブでは相手にとって格好のカウンターの的となってしまうというわけです。強烈な下回転で勝負するカットマンに日本人選手が伝統的に弱いのはこういった理由もあるわけですね。

大満貫を達成したスーパースター・張継科などの活躍によって卓球界にはレシーブにおけるチキータ旋風が吹き荒れましたが、中国がみうみまに対してとった戦法はチキータが登場するまでのレシーブの基本であったツッツキの多用であるというのは非常に面白いですね。

チキータが登場して男子選手だけでなく女子選手もチキータでのレシーブが当たり前となった近代卓球ですが、最近ではチキータ対策も施されており、逆にチキータをカウンターで狙われてやられてしまう場面も珍しくなくなっています。

卓球大国中国が王国を脅かす存在となったみうみまに対してとったツッツキが再び卓球において重要な戦術となっていく可能性は高いと思います。

なお、最近では中国選手だけでなく各国の主要選手や同じ日本の選手も二人に対してこの中国選手の戦術を取り入れてきています。すでに世界や国内でもみうみまに対する対策は徹底されつつあるというのが現状です。

中国人選手のパワーと粘着ラバーによる回転量克服が東京五輪金メダルの大きなカギに

というわけで、卓球王国中国が脅威となるライバル・みうみまに対してとった対策を簡単に説明してきたわけですが、二人がこの対策のさらに上を行く可能性のある選手であることを信じたいですね。卓球の場合は研究と対策で丸裸にされて、それを克服して、また研究と対策…というループが当たり前の世界ですから。

卓球経験者としての感想をいわせてもらえれば、やはり上回転にしろ下回転にしろ強烈な回転をかけてくる選手というのは本当にやりづらいものです。個人的にはスピードのある選手よりもよほどこちらの方が嫌ですね。特にあまり対戦経験のない選手だと、回転量に慣れて見極める前に試合が終わって(負けて)しまうというのも珍しくはありません。

そんな状態に加えてスピードや技術、パワー、そして試合中の戦術変更などへの対応力、つまり卓球脳にも優れているのが中国選手なのです。

ハッキリ言って、みうみまはスピードと技術では中国に劣っていません。が、フィジカルを生かしたパワーという点では大きく水をあけられています。そのパワーと中国製ラバー特有の粘着力を生かした回転量で優位に立つという中国選手の戦術は自らの長所と相手の短所を最大限に生かした有効な戦術で非常に理にかなったものであるといえるでしょう。

これらに対してみうみま、いや日本人選手はどのように立ち向かうのか…これが東京オリンピックでの悲願の金メダル獲得への最大の障壁といえるでしょう。

コメント

  1. にゃおん より:

    いやー詳しい解説ありがとうございます。
    卓球って本当に面白い!
    マリュウなんてほとんどチキータしませんしね。
    どの技術が勝つために重要になるか…
    見極める必要がありますね。

    • りぞっと より:

      確かにそうですね。馬龍見てると、最強のパワードライブはあらゆる技術を凌駕しちゃうのか…ってなっちゃいますよね(苦笑)。あのフォアドライブはわかってても抑え切れない程の強烈な上回転です。対戦する選手はたまったもんじゃないでしょう。
      技術と戦術のチョイスは卓球において大きな要素ですよね。局面に応じてどの戦術や技術をチョイスするかという戦略性とともに、チョイスできる技術や戦術をどれだけ持っているか(身に付けられているか)という引き出しの多さが日本人選手にも重要になってきますね。