伊藤美誠と平野美宇に見る中国選手が強い理由!秘密はツッツキにあり?パワーと回転量を生かした中国の戦術

スポンサーリンク
卓球

圧倒的卓球競技人口の中から生き残ったフィジカルエリートの中国トップ選手たち

中国の脅威となりつつあった平野美羽と伊藤美誠、「みうみま」対策として中国が出した答えは“パワーの差”を最大限に生かして二人の長所を殺すという作戦でした。

中国選手は日本人選手に比べて体格に恵まれた選手が多いです。体格や体力、運動神経などに優れたフィジカルエリートが幼少期から国家規模での英才教育を施されており、その激烈な競争を勝ち残ってきた正真正銘のトップアスリートこそが中国のトップ卓球選手たちなのです。

平野美羽選手は158㎝45㎏、伊藤美誠選手は150㎝45㎏と日本人の平均かあるいはやや小柄な体格。二人とも中国のパワーに対抗すべくウエイトトレーニングでの筋力強化などフィジカル強化に力を入れてはいるものの、あの卓球人口から選び抜かれたフィジカルエリート揃いの中国選手の桁外れのパワーに比べたら見劣りするのは明らかです。

中国選手と日本人選手との最も大きな差こそが“パワー”なのです。

スポンサーリンク

パワー差を補い逆に相手のパワーを利用するカウンター攻撃

では中国選手たちがどういった戦術でみうみまを攻略してきたのかを説明しましょう。

それは二人の最大の武器である前陣からのカウンターを封じるという策です。

基本的に、台から下がれば下がるほどパワーが要求されるのが卓球というスポーツの特徴です(カットマンは除く)。中陣や後陣からのドライブ攻撃は威力あるボールを返すためにとてつもないパワーが要求されます。パワーを武器とするヨーロッパの選手に中陣からのパワードライブ型が伝統的に多いのはこのためです。

しかし中国選手や欧米選手に対してパワーに劣る日本人選手は、その短所を補うために台から離れずに早く高い打点で相手に時間を与えず、相手のパワーを利用することでパワーをさほど必要としない前陣速攻型に活路を見出しました。その究極形といっていいのが“みうみま”といってもいいかもしれません。

相手とのパワー差を逆に最大限に生かしたみうみまの戦型を無効化するために中国が出した答えは、自分たちのパワーを利用させずにカウンターを封じるという戦術でした。

バックでの高速ラリーを封じるためのフォア狙いとループドライブを交えた平野美宇対策

中国選手がみうみま対策として具体的にどういった策を講じたのかを説明していきましょう。まずは平野美宇対策から。

まず中国選手のサービス時にはチキータを封じるためにフォア前へのショートサービスを中心に攻めます。回り込んでのチキータを封じるために時折ロングも混ぜますが、その場合でもシェークハンドの弱点とされるフォアミドルが中心で間違っても平野の最大の武器であるバックへは出しません。

フォア前のショートサービスに対してストップやツッツキで返球された場合には強烈な下回転をかけた長いツッツキを返球します。この強烈な下回転をかけたツッツキをドライブで返球するにはかなりの上回転を要求されるため、日本人のパワーではなかなか強いドライブが返せません。必然的に返球したドライブのスピードは落ち、中国選手にとっては格好のカウンターの餌食となるのです。相手に最初に打たせることでカウンターを封じ、やや台から距離を取って中国選手が絶対的な自信を持つラリー戦に持ち込むという算段です。そのラリー戦においても平野の得意な高速ラリー戦にはつきあわず、途中で敢えて速度を落として回転量を重視するループドライブを挟むなどしてタイミングをずらすという工夫も入れることで平野選手のミスを誘うという工夫も凝らしています。返球コースは基本的に平野選手のフォアハンド。得意なバックには返さずにフォアハンドでのラリー戦を挑むという戦術です。

平野のサーブに対しては、ショートサーブは基本的にツッツキを返します。チキータやフリックなどはカウンターの餌食となるためほとんど使いません。下回転のツッツキをドライブで持ち上げさせてそれを狙うというのが基本です。

中国選手の回転量はずば抜けているため、それ以上の回転をかけて返さなければ相手のディフェンスを打ち破ることはできません。パワーで劣る日本人選手に最も有効な手段こそ強烈な下回転で返球するツッツキなのです。

コメント

  1. にゃおん より:

    いやー詳しい解説ありがとうございます。
    卓球って本当に面白い!
    マリュウなんてほとんどチキータしませんしね。
    どの技術が勝つために重要になるか…
    見極める必要がありますね。

    • りぞっと より:

      確かにそうですね。馬龍見てると、最強のパワードライブはあらゆる技術を凌駕しちゃうのか…ってなっちゃいますよね(苦笑)。あのフォアドライブはわかってても抑え切れない程の強烈な上回転です。対戦する選手はたまったもんじゃないでしょう。
      技術と戦術のチョイスは卓球において大きな要素ですよね。局面に応じてどの戦術や技術をチョイスするかという戦略性とともに、チョイスできる技術や戦術をどれだけ持っているか(身に付けられているか)という引き出しの多さが日本人選手にも重要になってきますね。