卓球王国・中国が負けた!「モスクワの衝撃」女子団体決勝のジャイアントキリングとは

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卓球

1988年にオリンピック正式種目に採用されて以来、卓球種目全32競技中、実に28個もの金メダルを獲得してきている卓球王国・中国。前回のリオデジャネイロオリンピックでも男女団体、男女シングルスの全4競技で金メダルを獲得し、“打倒中国で金メダル”の悲願を胸に挑んだ日本他の強豪国を完膚なきまでに打ちのめしたのは記憶に新しいところでしょう。

ここ日本において東京五輪代表を巡る卓球日本代表争いが激化し注目される中、日本の金メダル獲得に大きく立ちはだかるラスボス、中国の代表争いも気になるところ。

そこでここでは、現在における卓球中国の代表争いに大きく影響している「モスクワの衝撃(屈辱)」についてご紹介したいと思います。

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世界ランキング上位順で必ずしも決まらない卓球中国代表。過去には劉詩ブンや樊振東も涙を…

中国は東京オリンピックの卓球代表選手を来春(2020年春)頃に発表するとしています。ちなみに中国が前回リオオリンピックの代表選手を発表したのが5月。1月に発表するとしている日本よりもかなり遅い代表決定プロセスとなっています。

世界ランキング上位2選手に五輪シングルス出場枠を与えるという、実にわかりやすい日本卓球協会の日本代表選考とは逆に、中国代表は単純に世界ランキング上位に自動的に…とはいかないというのはこれまでのオリンピック中国代表を見てきている卓球ファンの皆さんには周知の事実でしょう。

実際に直近のリオオリンピックの中国代表でも、男子は当時世界ランキング2位だった樊振東(はんしんとう/ファンジェンドン)はシングルスはおろか団体戦メンバーにも選ばれず、3位の許キン(きょきん/シュシン)もシングルスの出場権を逃し、当時4位だった張継科(ちょうけいか/ジャンジイカ)が上位の2人を押しのけてシングルス・団体の出場選手に選ばれました。

女子も当時世界ランキング1位だった劉詩ブンがまさかのシングルス代表落ちし、彼女よりランクが下の丁寧と李暁霞が中国女子シングルス代表に選出されるという波乱が起きたのは記憶に新しいところです。

こういった中国の代表決定プロセスに影響を及ぼしているのが、2010年の世界卓球選手権モスクワ大会で王国・中国が受けた屈辱だといわれています。

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世紀の大番狂わせは“大魔王”張怡寧(ちょういねい)の代表引退で若返った中国女子代表が主役に…

圧倒的な強さを誇る卓球大国、絶対王者に君臨する中国が受けた「モスクワの衝撃」をここで簡単に振り返ってみましょう。

モスクワ大会で大波乱が起きたのは女子団体戦。1993年大会以来、8大会連続で優勝を続けていた中国女子が決勝戦でシンガポールに敗れて銀メダルに終わるという、卓球界における今世紀最大級の信じられないジャイキリ(ジャイアントキリング)が起きたのでした。

この大会における中国女子は、それまで“大魔王”と呼ばれた絶対女王・張怡寧(ちょういねい/ジャン・イーニン)が代表を引退し、劉詩ブンや丁寧、李暁霞、郭躍といった20歳前後の若い世代を中心に編成された次世代中国を担う若手で挑みました。ちなみに丁寧と李暁霞はこの後、大満貫(五輪・世界選手権・W杯のシングルス全てを制する事)を達成して文字通り世界女王に君臨することとなる選手です。

若手とはいってもチーム最年少で19歳の劉は世界ランク1位、同じく19歳の丁寧が4位、郭躍5位、李暁霞7位でチーム最年長の郭炎が3位と他国に比べれば質量ともに圧倒する布陣であり、中国女子の9連覇は確実であろうという前評判だったのです。

そう、世界選手権が幕を下ろす前までは…

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