オリンピック、世界卓球選手権、そしてワールドカップという卓球の三大国際大会において、個人戦とともに行われるのがチームとして国同士が戦う団体戦。
世界卓球選手権とオリンピック及びワールドカップにおける団体戦の方式は大きく違っていますが、東京オリンピックからはさらにリオ五輪までの方式から変更が加えられることとなっています。
2018年にイギリス・ロンドンで行われるチームワールドカップで初めて導入される、ABCXYZ方式の新オリンピックシステムをここでは説明していきたいと思います。
なお、世界卓球選手権における団体戦ルール・システムについては以下の記事をご参照ください。
5試合を行って3勝したチームが勝利する卓球団体戦、オリンピックシステムの試合内訳は
まず、卓球の団体戦というのは対戦するチーム(国)同士で5試合を戦い、先に3試合で勝利したチームが団体戦としての勝利を得ることとなります。どちらかが3試合に勝利した場合、未対戦の試合があってもその試合は施行されません。つまり、3-1ないし3-0という試合結果の場合は残った1試合ないし2試合は行われないという事となります。
ここまでは世界卓球選手権の団体戦と同じです。
大きな違いはその5試合の内容となります。
世界卓球選手権が5試合のシングルス戦で雌雄を決するのに対し、オリンピック及びチームワールドカップでは4試合のシングルス戦と1試合のダブルス戦の計5試合で争われることとなるのです。
日本男子と中国男子の頂上対決を例に五輪団体戦のABCXYZシステムを解説
両チームともが3名づつの選手を出し合って4シングルス1ダブルスの5試合で勝敗を決するオリンピックなどにおける卓球独特の団体戦方式をABCXYZ方式といいます。
このABCXYZ方式をわかりやすく説明するために、男子団体戦を例にとって説明したいと思います。
男子団体戦で日本と中国が激突したと仮定します。
試合前にまずコイントスを行い、両チームを「ABC」か「XYZ」かに決めます。仮にコイントスの結果、日本がABCで中国がXYZに決定したとしましょう。
日本はABC、中国はXYZに出場する選手名を当てはめます。各チームの監督はこう割り振ってオーダーを決定しました。
日本チーム
A 水谷隼
B 張本智和
C 丹羽孝希
中国チーム
X 樊振東(はんしんとう/ファンジェンドン)
Y 馬龍(まりゅう/マロン)
Z 許昕(きょきん/シュシン)
このオーダー決定の時点でどの選手がどの選手と戦うのかというのが既に決定しているのがABCXYZ方式の特殊な部分でもあります。
ダブルスと両チームのエース対決で先手必勝が重要となる新オリンピック団体戦方式
ABCXYZ方式の場合、既に誰が誰とどの試合方式(シングルスかダブルスか)でいつ戦うのかが定められています。その試合方式が以下の通りとなります。
試合順 | 試合形式 | ABC側 | XYZ側 |
---|---|---|---|
第1試合 | ダブルス | B&Cペア | Y&Zペア |
第2試合 | シングルス1 | A | X |
第3試合 | シングルス2 | C | Z |
第4試合 | シングルス3 | A | Y |
第5試合 | シングルス4 | B | X |
この試合順…といいますか方程式は既に決まっており、各チームはコイントスで決まったABC若しくはXYZに各選手を当てはめていくだけなのです。
上の図を見てもらえばお分かりの通り、ABC側でいえばAに入る選手、XYZ側ではXに入る選手がそれぞれ2試合のシングルス戦を行う事となります。俗にいう“2本使い”といわれるポジションであり、一般的にはチームのエース格がこのAとXに入ることになるパターンが多いです。
そしてこのエース級同士は第2試合のシングルス1で必ず対戦することとなるのです。そして2本使い以外のB・C、或いはY・Zの2選手はそれぞれがペアを組んで第1試合のダブルスを戦う事となっており、ダブルス以外にそれぞれシングルスも1試合を戦い、合計2試合を行う事となります。こうする事によってすべての選手が2試合を戦うという事となるのです。
東京五輪以降の卓球団体戦変更点と水谷隼や馬龍ら実在選手でのシミュレーション
では早速ABCXYZ方式による図式に上述した日本チームと中国チームのオーダーを当てはめてみましょう。
試合順 | 試合形式 | 日本(ABC) | 中国(XYZ) |
---|---|---|---|
第1試合 | ダブルス | 張本智和 丹羽孝希 |
馬龍 許昕 |
第2試合 | シングルス1 | 水谷隼 | 樊振東 |
第3試合 | シングルス2 | 丹羽孝希 | 許昕 |
第4試合 | シングルス3 | 水谷隼 | 馬龍 |
第5試合 | シングルス4 | 張本智和 | 樊振東 |
こういう対戦となるわけですね。
リオ五輪までのABCXYZ方式団体戦ではダブルスは第3試合に組まれており、A対Xのいわゆるエース対決はいきなり第1試合にもってこられていたのです。
これまでは勢いをつける第1試合、つまりエース対決がかなり重要だったのですが、新方式においてはエース対決以上に第1試合に組まれるダブルスの重要性がますます上がった事は間違いありません。
ダブルスのスペシャリストと絶対的エースを擁するチームは2連勝で圧倒的優位に立てるというわけです。
あと、相手エースとシングルスで絶対に当たらない選手も出てくるので、2本使いの相手エースと相性の悪い選手は敢えてそこ(敵エースと対戦しない枠)に持ってくるというような駆け引きも重要となってきます。そんな相手オーダーを読んで敢えて裏をかくなどといった心理戦もよくみられます。そういった部分にも注目するとより楽しめる事請け合いですね。
コメント