卓球2020東京オリンピック日本代表選手男女シングルス選考基準を世界ランキングを例に解説

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卓球

2020年に開催される東京オリンピックに向けて熾烈な代表争いを繰り広げている各競技。中でもレベルの高い代表争いが注目されているのが卓球です。

男女ともにメダルが有望視されており、男女団体、シングルス、混合ダブルス(ミックスダブルス)の3種目における代表を世界ランキングのトップ選手たちが争っています。

ここではそんな卓球競技における東京五輪男女シングルスの代表選考をご紹介しましょう。

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日本卓球協会による東京五輪日本代表選考基準

まずは、日本卓球協会が明示している2020東京オリンピックの卓球日本代表の選考基準をご紹介しておきます。

1.シングルス代表候補選手2 名
2020 年1 月発表の世界ランキング日本人上位2 名をJOC に推薦する。
※上位1 位の世界ランキングポイントが3 名以上、若しくは2 位の選手が2 名以上
重複した場合は、以下の順序で上位を決定する。
(1)ワールドツアー等の優勝回数を評価(〇内の数字は優先順位)
※2019 年1 月1 日~12 月31 日までの期間を評価
※①世界選手権 ②ワールドカップ ③ワールドツアーグランドファイナル
④ワールドツアープラチナ6 大会
(2)世界ランキング30 位以内(日本人選手、同一選手含む)に勝利した回数
(3)該当する選手間で最終決定戦を行う。(詳細は後日決定)
2.団体戦代表候補選手1 名
上記1.の代表候補選手とダブルスが組め、団体戦でシングルス及びダブルスにて活躍が期待できる選手1 名を、強化本部が決定し理事会に報告及びJOC に推薦する。
3.混合ダブルス代表候補選手男女各1 名
上記1.2.代表候補男女各 3 名の選手の中で、最高のペアリングと思われる混合ダブルスペア1 組を、強化本部が決定し理事会に報告及びJOC に推薦する。
なお、日本は開催地枠として全種目のエントリーが保障されており、予選で出場資格を獲得する必要がない。従って、混合ダブルスベスト 4 に代表資格が発生する予定である
2019 年12 月ITTF ワールドツアーグランドファイナルについては、混合ダブルスの代表
候補選手選出の対象大会としない。
※ベスト4 に入ったペアは、所属NF ならびに所属NOC が承認するまで代表ではなく、
所属NF と所属NOC に最終的な決定権があることはITTF と確認済みである。
4.リザーブ候補選手1 名
日本がメダルを獲得するために必要なダブルス及びシングルスでの国際競争力を持ち
合わせている者1 名を、強化本部が決定し理事会に報告及びJOC に推薦する。
リザーブ選手の発表時期はJOC へのエントリー期限直前とする。
5.補足基準
代表候補選手及びリザーブ候補選手が故障等で大会参加が不能となった場合、その代替
候補選手は、強化本部が決定し理事会に報告及びJOC に推薦する。

公益財団法人 日本卓球協会HPより引用

以上が2018年9月に日本卓球協会が公式に発表した東京オリンピックにおける卓球競技各種目における日本代表選手選考基準です。赤太字部分がシングルスにおける選考基準部分となります。

公式文書なので若干分かりにくいかと思いますが、これから男子&女子シングルスの日本代表選考を簡単に解説していきたいと思います。

2020東京オリンピック個人戦(シングルス)日本代表選手決定システム

まずは最も簡単な男女シングルス日本代表を決定するシステムからご紹介しましょう。

これはシンプルですね。2020年の1月初頭にITTF(世界卓球連盟)から発表される卓球世界ランキングにおける上位2名の日本人選手を東京五輪の卓球シングルス代表に選ぶという事です。

最新世界ランキングを例に男子シングルス代表解説

現時点(2019年3月)での世界ランキングを例に挙げて説明しましょう。まずは男子から

1. 樊振東  (中国)
2. 許昕   (中国)
3. 林高遠  (中国)
4. 張本智和 (日本)
5. ボル   (ドイツ)
6. カルデラノ(ブラジル)
7. 李尚洙  (韓国)
8. 黄鎮廷  (香港)
9. 丹羽幸希 (日本)
10.水谷隼  (日本)

2019年3月の世界ランキングを例にとると、日本人選手のトップ2は4位の張本選手と9位の丹羽選手という事となり、自動的にこの2人が日本代表2枠の男子シングルス代表となるというわけです。日本人選手3位の水谷選手は残念ながら落選という事となるわけですね。

最新世界ランキングを例に女子シングルス代表解説

続きまして女子シングルス代表を現行ランキングを例に見てみましょう。

1. 丁寧   (中国)
2. 朱雨玲  (中国)
3. 陳夢   (中国)
4. 石川佳純 (日本)
5. 劉詩文  (中国)
6. 王曼昱  (中国)
7. 伊藤美誠 (日本)
8. 鄭怡静  (タイペイ)
9. 平野美宇 (日本)
10.馮天薇  (シンガポール)

このランキングを例にとると、日本代表となるのは4位の石川佳純と7位の伊藤美誠という事になります。9位の平野美宇は惜しくもシングルス代表には届かないという事となるわけです。

テニスに似た卓球の世界ランキング決定システム 重要なのは2019年1年間の国際大会実績のみ

公式文書にはランキング対象選手の順位が重複した場合の選定基準も書いてありますが、この可能性は非常に低く、あまり考えないでもいいかと思われます。

重要視しなければならないのは、2020年1月時点での世界ランキングがすべてといっても過言ではないでしょう。

卓球の世界ランキングについては2018年1月からランキング制定方法が大幅に改定され、テニスの世界ランキングに似たシステムとなったのは卓球ファンならよくご存じのはずです。

現行ランキングの決定方法は、テニスと同様に直近1年間(オリンピックは4年、世界選手権は2年)の国際大会(ITTFツアー各大会や世界選手権、ワールドカップ等)における成績が反映されるものとなっており、それ以前の成績はランクに反映されません。

どういうことかと言いますと、2020年1月に発表される世界ランキングで反映されるのは直近1年間の国際大会成績、つまり2019年1月~12月の成績だという事です。

つまり、2019年の1年間でいかに国際大会で活躍してランキングポイントを多く稼げるかというのが東京オリンピック代表におけるシングルス出場権の重要なポイントとなるという事なのです。

世界ランク上位進出のためのランキングポイントが大きな世界卓球選手権

全ては2020年1月初旬にITTFから発表される世界ランキングで決定する卓球シングルスの日本代表選手。まさに2020年1月の世界ランキング発表は運命の瞬間となります。

前述したとおり、代表の座を狙う選手たちは2019年の国際大会に全力を傾けるわけですが、特にITTFの各ツアー(特にプラチナム)や年末に行われるグランドファイナル、ワールドカップといったランキングポイントが多く得られる大会は熾烈な戦いが繰り広げられることでしょう。

中でもランキングポイントが最も多く貰えるのが、2019年4月にハンガリーのブダペストで開催される世界卓球選手権です。団体戦と個人戦が隔年で行われる世界卓球選手権ですが、今年は個人戦が行われる年となります。

ランキングポイントが多く得られるこの世界選手権で好成績を収める事はイコールでオリンピック代表に大きく近づくという事を意味します。

逆に言えば、世界選手権のポイントを得られなかった選手はオリンピックのシングルス代表から大きく後退するという事にもなるわけです。

というわけで、2019世界卓球選手権ブダペスト大会の男女シングルス代表選手をご紹介しておきます。

世界選手権ブダペスト大会男子シングルス代表
張本智和
丹羽幸希
水谷隼
吉村和弘
森園政崇

世界選手権ブダペスト大会女子シングルス代表
石川佳純
伊藤美誠
平野美宇
佐藤瞳
加藤美優

この中から世界選手権で上位に進出した選手がランキングポイントを獲得することが出来る権利を得たという事です。

逆に言えば世界選手権シングルス出場権を逃した選手は世界選手権で得られるポイントが0ですので、その時点で東京五輪シングルス代表からは大きく後退してしまっているという事にもなるのです。

多くの有望選手がひしめく日本卓球界にとっては非常にもったいないなという気もしますが、国内での争いのレベルの高さこそ本番での成績にも影響するので致し方なしといったところでしょうか。

東京オリンピックにおける団体戦と混合ダブルスの代表選考に関してはこちらの記事をご覧ください。

東京オリンピック男女団体戦日本代表出場選手選出の選考基準と決定システム

東京オリンピック混合ダブルス日本代表出場選手選出の選考基準と決定システム

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