ハンガリーの首都・ブダペストで開催される2019世界卓球選手権。日本代表選手も発表され、いよいよ開幕を待つばかりとなっています。
2019年の世界選手権は個人戦が開催される大会となります。前回の2017世界選手権個人戦では、吉村真晴・石川佳純組の混合ダブルスでの金メダルの他、5個のメダルを獲得して日本中を大いに沸かせてくれました。
過去の大会同様、今回の2019ブダペスト大会も日本代表の前に大きく立ちはだかる事となるのが、卓球超大国の中国。そこでここでは、日本のライバルとなる2019世界卓球選手権中国代表メンバーをご紹介していきたいと思います(世界ランキングと年齢は世界卓球2019開幕時のもの)。
男子シングルス中国代表
2大会連続優勝中の馬龍や世界ランキング1位の樊振東ら
まずは男子シングルス中国代表から。
世界ランク | 選手名 | 年齢 |
---|---|---|
1位 | 樊振東 (はんしんとう/ファンジェンドン) |
22歳 |
2位 | 許昕 (きょきん/シューシン) |
29歳 |
3位 | 林高遠 (りんこうえん/リンガオユエン) |
24歳 |
9位 | 梁靖崑 (りょうせいこん/リャンジンクン) |
22歳 |
11位 | 馬龍 (まりゅう/マロン) |
30歳 |
世界卓球2019の中国国内代表決定戦ともいえる「地表最強12人」を11勝0敗という圧倒的強さで全勝優勝した樊振東、8勝3敗で2位の梁靖崑という、二人の同い年の若手選手が順当に選ばれています。
「地表最強12人」では5勝6敗の5位に終わったダブルス名手で左ペンホルダーの許昕も国際大会での豊富な経験と実績を買われてシングルス代表に選出。
世界ランキング3位の林高遠は「地表最強12人」で5勝6敗の9位と振るわなかったものの、やはりこれまでの実績を評価されての代表選出となりました。
そして最強中国最後の一人は、「地表最強12人」不参加だった怪我明けの大満貫(五輪・世界選手権・W杯全て優勝)達成のレジェンド・馬龍。世界ランキングこそ11位ですが、これはもちろんケガのため国際試合に出場できなかったため。その実力は依然世界ランキングトップ3クラスです。
向こう10年は男子中国卓球界を背負うともいわれる19歳の王楚欽(おうそきん)は残念ながら落選。やはり「地表最強12人」4勝7敗で12人中11位という結果が響いた形となりましたね。
女子シングルス中国代表
2大会連続優勝中の馬龍や世界ランキング1位の樊振東ら
続きましては女子シングルス中国代表メンバーです。
世界ランク | 選手名 | 年齢 |
---|---|---|
1位 | 丁寧 (ていねい/ディンニン) |
28歳 |
3位 | 陳夢 (ちんむ/チェンムン) |
25歳 |
4位 | 王曼昱 (おうばんいく/ワンマンユ) |
20歳 |
5位 | 劉詩雯 (りゅうしぶん/リュウシウェン) |
28歳 |
29位 | 孫穎莎 (そんえいさ/スンインシャ) |
19歳 |
世界ランキング1位で大満貫を達成した女王・丁寧は当然の選出ですね。こちらも馬龍同様に世界卓球シングルス3連覇を目指します。
「地表最強12人」女子を10勝1敗で優勝した世界ランク2位の陳夢も順当な代表選出となりました。
ワールドカップ女子シングルスを2度制しているベテラン、劉詩雯は初の世界卓球シングルス優勝を狙います。
「地表最強12人」を8勝3敗で2位となった孫穎莎、同大会で7勝4敗の4位だった王曼昱はともに次代を担う期待の若手という事と大会での活躍を認められて初の世界卓球個人戦出場を勝ち取りました。
中国代表最大のサプライズは、元世界1位で最新世界ランキング2位の朱雨玲の落選でしょう。「地表最強12人」では6位だったとはいえ、6勝5敗で勝ち越した実力者です。日本人キラーとしても名高い朱のシングルス落選は日本にとっては朗報といえるかもしれません(それでも十分すぎる程強いですが…)。
男子ダブルス中国代表
ダブルス名手の許昕が外れて若手の王楚欽を抜擢
続いては、2組の出場枠が与えられている男子ダブルス中国代表ペアです。
ダブルスペア名 | 利き手とグリップ・ラバー | 世界ランキング |
---|---|---|
馬龍 王楚欽 |
右シェーク裏裏 左シェーク裏裏 |
11位 145位 |
梁靖崑 林高遠 |
右シェーク裏裏 左シェーク裏裏 |
9位 3位 |
世界ランキング1位の樊振東と2位の許昕を外してくるという余裕の布陣に見える中国の男子ダブルス代表選手選考。特に世界最高のダブルス名手ともいわれる許昕が外れたのは意外でしたね。
右左の組み合わせが有利という卓球ダブルスの定石通り、代表2組ともに右利きと左利きでペアを組んできたこの中国男子ダブルスですが、最大のサプライズは馬龍とペアを組む王楚欽でしょう。
2000年生まれのこの中国期待の若手選手に将来を見据えて世界大会の経験を積ませようという意図が見えます。まあそれでも優勝は逃さないだろうという卓球大国の余裕でしょうか。日本選手には意地を見せてほしいですね。
女子ダブルス中国代表
左利き不足の中国女子は2組とも右利き同士で朱雨玲が代表入り
続いては、ダブルス中国女子代表ペア2組のメンバーです。
ダブルスペア名 | 利き手とグリップ・ラバー | 世界ランキング |
---|---|---|
陳夢 朱雨玲 |
右シェーク裏裏 右シェーク裏裏 |
3位 2位 |
王曼昱 孫穎莎 |
右シェーク裏裏 右シェーク裏裏 |
4位 29位 |
こちらもリオオリンピック団体優勝メンバーであるベテランの丁寧と劉詩雯を外すという、男子同様に余裕ともとれる代表メンバーとなっています。
衝撃のシングルス代表漏れとなった朱雨玲は女子ダブルスのみの出場となり、同世代のライバルである陳夢とペアを組みます。前回2017デュッセルドルフ大会でもペアを組んだこのコンビですが、前回銀メダルの雪辱に向けてモチベーションは非常に高いでしょう。
もう一組は若手の同世代、王曼昱と孫穎莎がシングルスに続いてダブルス代表入りしました。
女子ダブルスの2組はともに右利き同士のペアとなっています。左利きの世界ランク上位選手が丁寧しかいないという、中国女子の左利き不足が浮き彫りとなった格好ですね。
混合ダブルス中国代表
男女の世界1位組とダブルス巧者同士のペア…最強王国の本気度MAX
最後は、東京オリンピックから正式種目として採用される混合ダブルスの中国ペア2組です。
ダブルスペア名 | 利き手とグリップ・ラバー | 世界ランキング |
---|---|---|
樊振東 丁寧 |
右シェーク裏裏 左シェーク裏裏 |
1位 1位 |
許昕 劉詩雯 |
左ペンホルダー裏裏 右シェーク裏裏 |
2位 5位 |
前回デュッセルドルフ大会では中国人同士のペアを派遣しなかった中国の混合ダブルス代表メンバーですが、今回は本気のメンバーで臨んできています。
男女の世界ランキング1位同士となる樊振東と丁寧ペアは当然ながら世界最強同士という事で文句なしの優勝候補でしょう。
しかしながら、ことダブルスという点でいえばもう一組の許昕&劉詩雯ペアの方が上手と見ます。両選手ともダブルスでの経験も豊富でダブルス巧者として名を知られた選手。混合ダブルス優勝候補筆頭とみていいでしょう。
ともかく、東京五輪の正式種目となったという事で今回の中国混合ダブルス代表は本気度MAXの最強ペアを送り込んできたといっていいでしょう。混合ダブルスに出場する最強選手たちを男女ダブルスから外し、万全の状態で金を取りに来たという事です。日本にとっては高くそびえるあまりに巨大な壁といえそうです。
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