日本における人気スポーツの一つといえるのがバレーボール。特に女子バレーは女子スポーツの中でも長きにわたってトップクラスの人気を誇る競技でもあります。
バレーボールにおける主要国際大会の中でも最も古い歴史と伝統を誇るバレーボール世界選手権の歴史や大会システム、日本の過去成績や開催地等について少し説明していきたいと思います。
バレーボール国際四大大会(三大大会)中、最も古い歴史を誇る世界選手権
バレーボールといえば、大体は1年に1度の頻度(つまりほぼ毎年)で各国代表同士が対決する国際大会が行われ、その模様は民放キー局で放送されて大会期間中は大いに盛り上がりますよね。
そんなバレーボールの3大大会と呼ばれる国際大会を皆さんご存知でしょうか。もちろんここでご紹介する世界選手権(通称:世界バレー)も三大大会のうちの一つです。
夏季オリンピックバレーボール競技
バレーボール世界選手権
バレーボールワールドカップ
この3大会が一般的にいわれているバレーボール世界三大大会といわれています。最近ではワールドグランドチャンピオンズカップ(通称:グラチャン)をこの三大大会に加えて四大大会ともいわれています。
ここで簡単に近年の四大大会スケジュールをご紹介しておきましょう。
2014年 世界選手権
2015年 ワールドカップ
2016年 リオ五輪
2017年 グラチャン
2018年 世界選手権
2019年 ワールドカップ
2020年 東京五輪
2021年 グラチャン
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というサイクルとなっています。この四大大会は全て4年に1度の大会となっていて、全て違う年に行われるようになっています。よって、四大大会のどれかは必ず毎年拝めるというわけです。
世界バレーはオリンピックの2年後となっています。つまりサッカーワールドカップが行われる年と世界バレーの開催年は同じという事ですね。
ワールドカップ、グラチャンとの大きな違いは開催地が日本固定でない事
続きましては、世界バレーの開催地についてご説明しておきましょう。
先にご紹介したバレーボールの世界四大大会中、グラチャンとワールドカップバレーに関しては日本開催で固定されているため、基本的に日本は開催国枠として毎大会無条件で出場できることとなっています。
しかしこの世界バレーの開催国は世界各国の持ち回りとなっていますので、日本開催での世界選手権以外は開催国としての出場は出来ないので日本もしっかりと出場条件をクリアして出場しなければなりません。
そしてもう一つ、この世界選手権と他の国際大会との最大の違い、それこそが男女の大会が別々の地域(国)で開催されるという事なのです。
オリンピック、ワールドカップ、グラチャンはどれも男子と女子、それぞれが同じ国で開催されます(グラチャンとW杯は日本)。しかし、世界バレーは男子と女子がそれぞれ別地域(別の国)で開催される事となっています。
例えば、直近の開催である2018年の第17回大会を例にとると、男子大会の開催がイタリアとブルガリアの共催で女子大会の開催地は日本となっています。
男女それぞれの出場国数、開催日数の長さともW杯、五輪等を圧倒し断トツ
日本開催で固定されているW杯、グラチャンとは違い、日本は開催国という特権が無いのでしっかりと出場権を獲得しなければならないと上記しましたが、出場国に関しても世界バレーは他の大会よりも大きく異なっています。
各大会の出場国数(男女別)
オリンピック 12ヶ国
ワールドカップ 12ヶ国
グラチャン 6ヶ国
世界選手権 24ヶ国
世界選手権の出場国数は男女それぞれ24ヶ国づつとなっており、五輪、W杯の2倍、グラチャンの4倍という参加国数は圧倒的なものとなっています。この辺りにも世界最古の国際大会であり、最も権威ある大会であるという部分を物語っているといってもいいかもしれません。
これだけの国々が参加するわけですから、当然ながら他の大会よりも日程は長くなり、勝ち進んでいく国々は膨大な数の試合をこなしていかなければなりません。勝ち抜くために求められるタフさは他の大会とは比べ物にならない程といってもいいでしょう。
しかしだからこそ、この世界選手権で優勝するという事はそれだけの価値があり、この大会の存在意義があるという事にもなるのです。
世界選手権(バレーボール)の出場国決定システムと大陸別出場枠
主要国際大会では最多となる24カ国が参加して世界一を争うバレーボール世界選手権。開催国枠のお話を少ししましたが、では、世界選手権の出場国枠はどのように決められているのでしょう。世界バレーの出場国決定システムを説明しましょう。過去に幾度となく変更が加えられてきましたが、現在は以下の通りとなっています。
- 開催国
- 前回大会優勝国
- 各大陸予選の上位チーム
開催国が無条件で出場できるのはオリンピックやワールドカップなどと同じです。前回大会優勝国に優先出場権が与えられるのはこの世界選手権特有のシステムといえるでしょう。
少しややこしいのが、各大陸予選の上位チームという部分なのですが、各大陸にどれだけの出場枠が与えられるかというのは、その大陸に属する国々の世界ランキングの高さにより決定される事となっています。世界ランクの高い国が多くある地域、つまりレベルの高い地域になるほど多くの出場国枠が与えられる事となり、多くの国が世界選手権の出場権を得ることが出来るというわけです。
世界バレーのアジア、ヨーロッパ、北中米、アフリカ、南米各大陸の出場国枠
ちなみに、過去5大会の出場国の各大陸別の内訳をご紹介します。
男子大会
大会 | 開催国 | 前回優勝国 | アジア | ヨーロッパ | 北中米カリブ | 南アメリカ | アフリカ |
---|---|---|---|---|---|---|---|
2002 | 1 | 1 | 4 | 11 | 3 | 2 | 2 |
2006 | 1 | 1 | 5 | 9 | 4 | 2 | 2 |
2010 | 1 | 1 | 4 | 8 | 5 | 2 | 3 |
2014 | 1 | 0 | 4 | 8 | 5 | 3 | 3 |
2018 | 2 | 1 | 4 | 7 | 5 | 2 | 3 |
女子大会
大会 | 開催国 | 前回優勝国 | アジア | ヨーロッパ | 北中米カリブ | 南アメリカ | アフリカ |
---|---|---|---|---|---|---|---|
2002 | 1 | 1 | 5 | 8 | 5 | 2 | 2 |
2006 | 1 | 1 | 4 | 7 | 6 | 2 | 3 |
2010 | 1 | 1 | 4 | 8 | 6 | 2 | 2 |
2014 | 1 | 0 | 4 | 9 | 6 | 2 | 2 |
2018 | 1 | 1 | 4 | 8 | 6 | 2 | 2 |
※男女ともに2014大会は前回優勝国枠は無し
過去の5大会においては上のような出場国内訳となっています。レベルの高いヨーロッパや北中米カリブ、アジアに多くの枠が設けられている反面、レベルが落ちるアフリカと国数自体が他地域より少ない南米は枠が少ない傾向がありますね。
日本は4~5枠というアジア大陸からの出場国枠を争っているというわけですね。
全日本男子・女子代表の過去大会成績に優勝・準優勝・3位国一覧
1998年大会以降の過去5大会の1位~3位国と日本チームの成績をご紹介しておきましょう。
男子大会
大会 | 開催国 | 優勝国 | 準優勝 | 3位 | 全日本成績 |
---|---|---|---|---|---|
1998 | 日本 | イタリア | ユーゴスラビア | キューバ | 15位 |
2002 | アルゼンチン | ブラジル | ロシア | フランス | 9位 |
2006 | 日本 | ブラジル | ポーランド | ブルガリア | 8位 |
2010 | イタリア | ブラジル | キューバ | セルビア | 13位 |
2014 | ポーランド | ポーランド | ブラジル | ドイツ | 不出場 |
2018 | イタリア ブルガリア |
女子大会
大会 | 開催国 | 優勝国 | 準優勝 | 3位 | 全日本成績 |
---|---|---|---|---|---|
1998 | 日本 | キューバ | 中国 | ロシア | 8位 |
2002 | ドイツ | イタリア | アメリカ | ロシア | 13位 |
2006 | 日本 | ロシア | ブラジル | セルビア・ モンテネグロ |
6位 |
2010 | 日本 | ロシア | ブラジル | 日本 | 3位 |
2014 | イタリア | アメリカ | 中国 | ブラジル | 7位 |
2018 | 日本 |
全日本男子は2006年の8位が過去5大会では最高成績であり、メダル獲得は1974年大会の銅メダルまで遡らなければなりません。2014大会に至ってはアジア大陸予選で敗退して参加すら出来なかったという屈辱も味わっています。
全日本女子は2010年大会で32年ぶりのメダル獲得という快挙を成し遂げました。
ともあれ、男女ともにこの世界最高峰の国際大会で存在感を示し、バレーニッポン復活の狼煙を上げてもらいたいものですね。
世界バレー2018男子大会の大会システムやテレビ放映等についてはこちらの記事をご覧ください。
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