4年に1度開催される、バレーボールにおいて最も古い歴史と高い権威を持つ国際大会が世界選手権(通称:世界バレー)です。
そんな世界バレー2018の大会システムは男子大会と女子大会で若干違っており、勝ち上がり後のプール分け(グループ分け)や決勝トーナメントでの最終順位決定などに差異が見られます。
ここでは世界バレー2018女子大会のシステムを実際のグループリーグを例にしてわかりやすくご紹介したいと思います。
世界バレーの出場枠や歴史、日本代表の過去成績などについては以下の記事をご覧ください。
バレーボール世界選手権 出場枠や各国出場条件、過去の全日本成績に開催地等
1次ラウンドは各プール総当たりのリーグ戦で順位を決定(各国最新世界ランキング)
世界バレー2018女子大会には全24カ国が出場しており、その24カ国を6チームづつA~Dの4つのプール(グループ)に分け、1次ラウンドが行われます。下が実際の世界バレー2018のグループ分けとなります(国名の後は世界ランキング)。
プールA
日本 (6位)
オランダ (8位)
アルゼンチン(11位)
ドイツ (13位)
カメルーン (18位)
メキシコ (26位)
プールB
中国 (1位)
イタリア (7位)
トルコ (12位)
ブルガリア (17位)
カナダ (19位)
キューバ (25位)
プールC
アメリカ (2位)
ロシア (4位)
韓国 (11位)
タイ (16位)
アゼルバイジャン (24位)
トリニダードトバゴ(30位)
プールD
セルビア (3位)
ブラジル (8位)
ドミニカ (14位)
プエルトリコ(16位)
カザフスタン(18位)
ケニア (29位)
1次ラウンドは、上のA~Dのプールごとに総当たりのリーグ戦を行い、各プールの1位~6位までの順位を決定します。そしてその順位によって2次ラウンドへ進出できるチーム、1次ラウンドで敗退が決定してしまうチームとが分かれることとなるのです。
各組4位までの16強が2次R進出。プール5・6位チームは敗退決定の大会システム
仮に1次ラウンドの日本が所属するプールAの勝敗に関して、世界ランキングの上位国が下位国に勝利したと仮定してシミュレートしてみましょう。するとプールAの順位はこうなります。
プールA
1.日本 5勝0敗
2.オランダ 4勝1敗
3.アルゼンチン 3勝2敗
4.ドイツ 2勝3敗
5.カメルーン 1勝4敗
6.メキシコ 0勝5敗
1次Rの順位がこれで確定し、この結果第2次ラウンドへと進めるのは、各プールの上位4カ国となります。
つまり、「4カ国✖4プール=16」という事で、全24か国中16チームが2次ラウンドへと進出、8ヶ国が1次ラウンドで敗退という事となります。
第2次ラウンドは8チームを2つの組にプール分けして総当たりトーナメントで順位決定
第2次ラウンドは、第1次ラウンドを突破した16チームを8チームづつEとFの2つのプールに分けます。各プールの分け方は以下のように決められています。
プールE(名古屋ラウンド)
プールA1位・2位・3位・4位
プールD1位・2位・3位・4位
プールF(大阪ラウンド)
プールB1位・2位・3位・4位
プールC1位・2位・3位・4位
これに、先に述べた世界ランキング上位が試合に勝つという仮定に基づいた第1次ラウンドのシミュレーション順位を当てはめてみるとこうなります。
プールE
日本・オランダ・アルゼンチン・ドイツ
セルビア・ブラジル・ドミニカ・プエルトリコ
プールF
中国・イタリア・トルコ・ブルガリア
アメリカ・ロシア・韓国・タイ
こうして決定したプールE・Fの各8ヵ国でも総当たりのリーグ戦を行い、各プールの順位を1位から8位まで決定して次ラウンドへの進出チームを決定するのです。
ただし、総当たりとはいっても、1次ラウンドで同じプールとなって戦ったチーム同士は対戦しません。1次ラウンドでの対戦成績はこの第2次ラウンドへと持ち越しという事となります。
2次Rは1次Rの同プール国での対戦成績は持ち越して他プール国との対戦成績との合算
第1次ラウンドの対戦成績は持ち越したまま、第2次ラウンドの各プールのリーグ戦を戦うという事がどういうことかを具体的に例を出して説明してみましょう。
日本が入っているプールEで見てみます。
まず、プールAから勝ち上がった日本とオランダ、アルゼンチン、ドイツは既に1次ラウンドで戦ったので、この2次ラウンドでは戦いません。そしてプールDから勝ち上がったセルビア、ブラジル、ドミニカ、プエルトリコ、この4チーム同士も戦いません。
そして先に述べたように、第1次ラウンドの勝敗を引き継いでのリーグ戦を行うという事となるのです。つまり、日本チームを例にとってみてみると、
日本は1次ラウンドのオランダ戦とアルゼンチン戦、ドイツ戦の対戦結果である3勝0敗を持ったまま、プールDから勝ち上がってきたセルビア、ブラジル、ドミニカ、プエルトリコと戦う事となるというわけです。1次ラウンドの3試合+2次ラウンドの4試合、計7試合分の成績で順位を争うという事になるわけですね。
第2次ラウンドはプールEとF各8チーム中3位以内の6チームが勝ち抜け
第2次ラウンドのプールE・F各組で上記した方法で順位を決定し、各プールそれぞれ3カ国づつが次の第3次ラウンドへと進出する事となります。
第1次ラウンドと同じように、世界ランキング上位国が勝つと仮定した場合の各プール結果を出してみます。(プールEで世界ランキング同位のブラジルとオランダはブラジル勝利と仮定しました)
プールE
セルビア 7勝0敗
日本 6勝1敗
ブラジル 5勝2敗
オランダ 4勝3敗
アルゼンチン 3勝4敗
ドイツ 2勝5敗
ドミニカ 1勝6敗
プエルトリコ 0勝7敗
プールF
中国 7勝0敗
アメリカ 6勝1敗
ロシア 5勝2敗
イタリア 4勝3敗
韓国 3勝4敗
トルコ 2勝5敗
タイ 1勝6敗
ブルガリア 0勝7敗
この結果によってプールEからはセルビア、日本、ブラジル、プールFからは中国、アメリカ、ロシアの各3ヶ国づつが続く3次ラウンドへと進出することが決定しました。
第3次Rを経ていよいよ準決勝&決勝、そして3位決定戦に5位決定戦も
いよいよ佳境に入った感のある世界バレー2018女子大会の第3次ラウンド。ここも第2次ラウンド勝ち上がりの6チームをプールGとH、3チームづつをこの2つのプールに組分けします。
プールGとプールHは、抽選によって各3チームづつにグループ分けされます。
第3次ラウンドの組分け抽選によって決定された3か国×2つのプールでもそれぞれ総当たりのリーグ戦を行い、GとH各プールの順位を決めます。その結果で決勝ラウンド進出が決められるというシステムとなっています。
そして各プール1位と2位のチームがいよいよ最終ラウンドとなる決勝トーナメントの準決勝へと進出することとなります。残念ながら第3次ラウンド各プール3位のチームは敗退決定という事となり、プール3位国同士の5-6位決定戦を戦う事となります。
決勝トーナメント(最終ラウンド)における順位決定システムは以下の通りとなります。
準決勝
プールG1位チーム VS プールH2位チーム
プールH1位チーム VS プールG2位チーム
5位決定戦
3次ラウンド3位チーム同士が対戦
3位決定戦
準決勝敗退チーム同士が対戦
決勝戦
準決勝勝利チーム同士が対戦
準決勝に進出したチームは準決勝の結果如何に関わらず、必然的に残りは2試合という事になります。準決勝勝利なら決勝戦、準決敗退なら3決へというわけですね。準決勝に残ったので3位以上、銅メダルが決定!!というわけにはならないわけです。3位決定戦で勝利しなければメダル獲得とはならないという事です。その点はオリンピックと一緒ですね。
世界バレーの詳細についてはこちらもご参照ください。
コメント