いよいよ2月28日(日)に開幕する、2年に一度の卓球の団体戦世界一を決める「世界卓球2016マレーシア」。
今回は、その世界卓球団体戦で45年ぶりの世界一を目指す女子卓球日本代表チームについて、その見どころ、日程、選手、放送予定などをご紹介したいと思います。
団体戦の方式や解説、現地リポーターなどの詳細は
世界卓球2016マレーシア 団体戦の対戦方式を解説 個性豊かな解説陣や司会の福沢朗の卓球愛にも注目
を参考にしていただければと思います。
尚、準々決勝以降の放送予定などはこちらをご覧ください。
世界卓球2016準々決勝以降の放送予定と見どころ 男女とも決勝までは中国とは対戦せず!
【世界卓球2016】決勝戦の王者・中国戦展望 男子は丹羽孝希と3番手がポイント 女子は中国キラーの福原愛の奮闘に期待
日程
予選リーグ
参加国は24チームで、これを6チームづつ、4つのグループリーグに分けます。
そして各グループリーグの上位2チームが決勝トーナメントに進出できるという仕組みになっています。
日本は予選Bグループに入る事が決まっています。
相手は、世界ランキング7位のドイツ、11位の北朝鮮、15位のチェコ、18位のタイ、26位のブラジルとなっています。
日本女子はランキング2位。このグループの中では最も高いランクを誇っています。
しかし、全く予断を許さない相手が揃ったグループリーグとなっています。筆頭はやはり、日本の次にランクの高いドイツ。ランク9位のハン・インとランク16位の単暁娜の両ベテランがチームの核となり、そこにランク17位の期待の若手・.ソルヤが加わってスキの無い好チームに仕上がっています。世界ランクでは日本が上回りますが、全く予断を許さない緊迫の試合になる事は間違いないでしょう。
更に不気味なのが、世界ランク11位の北朝鮮。世界ランク的にはリ・ミョンスンが37位で最高位と、見るべきものがないのですが、このチームは全てが謎に包まれています。国際大会にほとんど出てこないので、ランキングを鵜呑みにする事は出来ません。相手のデータはほとんど無く、逆にこちらは丸裸にされているという状態での対戦です。もともと力のあるチームなので、相当な能力を秘めていると覚悟して臨まなければならないでしょう。
実質この2チームとの予選1位争いとなるでしょうが、目指すはもちろん1位での予選通過です。そして2位3位対決で上がってきた相手を叩く、それだけですね。
決勝トーナメント
もしも日本が1位通過だと仮定すると、他グループの2位と3位の勝者と当たります。2位か3位通過の場合は、どこかのグループの2位か3位と戦い、勝てば他グループの首位チームと戦います(つまり、2位3位通過だと中国と準々決勝で当たる可能性があります)。これに勝てば、準決勝進出、ベスト4決定となり、3位以上が確定します。この大会には3位決定戦がありませんので、準決勝進出時点で3位は確定する事となります。
そして準決勝では、初めて他グループの1位通過チームと対戦する可能性が高くなります。
ここで気になるのが、日本より格上である世界ランク1位の絶対女王・中国の動向です。
中国が戦うのはグループリーグA。実はこのAグループの首位チームと日本が所属するBグループの首位チームとは決勝戦まで対戦しないことがすでに決まっているのです。日本が対戦するのはグループリーグCかDの1位チームがいるブロックとなります。
世界ランク的には3位の香港、4位のオランダ、5位の韓国、6位のシンガポール、恐らくこの辺りが勝ち上がってくると予想されます。正直、どこが上ってきても厳しい戦いになるのは間違いありません。このクラスの相手になると、いかに日本といえども、実力をフルに発揮しなければ簡単に足元をすくわれるでしょう。大会での調子や勢いを見ながら的確に選手起用する事がポイントとなりそうです。幸い、選手層の厚さで見れば、これらのチームの中では日本に最もアドバンテージがあると思われます。逆に選手層が厚いからこそ選手起用が難しいともいえるのですが・・(苦笑)
とにかく、女王・中国への挑戦権を手に入れるには、決勝トーナメントでは一つの負けも許されません。45年ぶりの優勝を手に入れるためには、結局全てを打ち破らなければならないのです。中国は世界ランキングの3位までを独占し、トップ10のうち6人が中国の選手という、まさに圧倒的な存在です。質・量ともに他国の追随を許さないこの牙城を突き崩すためには、やはり中国人選手に強い福原愛の力が大きくものを言うはずです。さらに、若干中国選手には分の悪い、石川佳純の奮起も当然必要となります。石川の調子次第では、2試合戦う選手を期待の若手・伊藤美誠に託すという選択肢もあるかもしれませんね。
日本女子代表選手
福原愛(ふくはらあい)
1988年11月1日生まれの27歳
宮城県仙台市出身
世界ランキング4位
右利きシェークハンドの前陣速攻タイプ
日本卓球界の象徴として幼少時より数々の記録を重ねてきた愛ちゃんも27歳になって、押しも押されもせぬ世界のトップ選手として認知されました。持ち味は、本場中国で磨いたそのスピード。相手に反撃のスキを許さないその圧倒的なスピードで勝負を決します。特にバックハンドは世界でもナンバー1といってもいいほどの攻撃力を誇ります。
課題はカットマン。あとは、無回転系のボールを操る変速系にも脆さを見せる事がありますが、反面、ストレートに攻撃してくる正統派には滅法強く、中国選手にもその攻撃力は全く引けを取りません。打倒中国を成し遂げるためには日本にとってなくてはならない存在と言えるでしょう。
石川佳純(いしかわかすみ)
1993年2月23日生まれの23歳
山口県山口市出身
世界ランキング5位
左利きシェークハンドのドライブ型
福原愛と並ぶ、日本が誇る2枚エースの一人。その卓球センスは、しばしば「天才」と評されるほどの実力者です。よく福原愛と比較されますが、この石川の持ち味はその圧倒的なフォアハンドの攻撃力。やや打点を下げた強烈なドライブを相手の弱点や予測不能なコースに叩き込み、得点を挙げていきます。
さらに反射神経にも優れており、相手の会心の攻撃をカウンターで仕留めるのも石川の持ち味です。福原が苦手としているカットマンを得意としているのも日本チームにとっては心強い限りですね。強烈なフォアに比べてバックハンドが弱点と言われていましたが、最近ではかなり改善されており、年々穴の少ない完璧な選手になってきています。
伊藤美誠(いとうみま)
2000年10月21日生まれの16歳
静岡県磐田市出身
世界ランキング12位
右シェークハンドの前陣速攻タイプ
ITTFワールドツアー初優勝を若干14歳で果たし、史上最年少優勝の記録を持つ逸材。「みうみま」と呼ばれた同い年の平野美宇と組んだダブルスでは、ITTFワールドツアーファイナル優勝という、日本人初の快挙を成し遂げます。武器は表ラバー(粒状の突起のあるラバー)のバック、裏ラバー(突起の無いラバー)のフォア、どちらからも繰り出せる強打。世界でも有数の攻撃力と評価されるその強打を武器に相手の守備を打ち破ります。半面、守備が固く、少し下がり気味でラリー戦に持ち込んで戦う選手に対しては、脆さを見せる場面もしばしば見受けられます。
ジュニア時代に団体戦で中国を破るなど、中国に対して苦手意識がまだないのは非常に強みであるといえます。福原とともに、打倒中国のカギを握る選手といえるでしょう。
若宮三紗子(わかみやみさこ)
1989年6月23日生まれの26歳
香川県仲多度郡多度津町出身
世界ランキング28位
左シェークハンドの前陣速攻タイプ
前陣からの攻撃が持ち味の攻撃的選手です。特にその反射神経の鋭さを生かしたミート打ちは若宮選手の代名詞ともいえるものです。これまではダブルスの得意な選手という印象が強かった若宮選手ですが、決してシングルスに弱いという訳ではなく、それを証明するように今回の団体戦では、期待のホープ、平野美宇選手らを押しのけて代表入りを果たしました。その経験が生かして世界の強豪に立ち向かってくれることでしょう。
浜本由惟(はまもとゆい)
1998年7月28日生まれの17歳
大阪府大阪市此花区出身
世界ランキング48位
右シェークハンドのドライブ型
次世代のエース候補と呼ばれる若手のホープです。172㎝の長身を生かしたスケールの大きな卓球が持ち味です。その可能性は、20年に一人の逸材と評されるほど。小学校1年生からモデル事務所に所属し、モデルとして活躍したルックスの良さ、さらに英語・日本語・中国語の三か国語を話せる才女でもあります。まさに才色兼備、スター性も天性のものを持つ、期待の新星ですね。
試合予定と放送予定
2/28 Gリーグ第1戦 チェコ戦
Gリーグ第2戦 ブラジル戦
(テレビ東京 夜7:54)
(テレビ東京 深夜1:35よりハイライト)
2/29 Gリーグ第3戦 北朝鮮戦
(テレビ東京 夜6:57)
(テレビ東京 夜11:58よりハイライト)
3/1 Gリーグ第4戦 タイ戦
(テレビ東京 夜6:57)
(テレビ東京 夜11:58よりハイライト)
3/2 Gリーグ第5戦 ドイツ戦
(テレビ東京 夜9:00)
(テレビ東京 夜11:58よりハイライト)
今のところの予定はこのようになっています。これはあくまで現在での予定ですので、番組表などで最新の情報を確認してみてください。
ちなみに、準々決勝以降の放送は、日本チームの試合スケジュールに合わせて放送する事になるようです。
2月29日(月)の北朝鮮戦と3月2日(水)のドイツ戦は必見でしょう。ドイツ戦は9時からだから大丈夫そうだけど、北朝鮮戦は7時前・・仕事終わるかなぁ・・(爆汗)
見どころなどまとめ
前回世界選手権では2位、さらにロンドン五輪でも団体銀メダルを獲得するなど、打倒中国の一番手とみられている日本代表チームですが、中国以外の日本、韓国、香港、シンガポール、オランダ、ドイツなどは紙一重の実力差であり、かなり拮抗した状態にあるといえます。
つまり、試合によってどう転ぶかわからないので、中国への挑戦権を手に入れる道はそうそう楽な物ではありません。基本線としては、福原、石川、伊藤中心のオーダーで戦っていくことになると予想される日本女子。3人の負担を軽減するためにも、若宮と浜本の奮起も期待したいところです。
前回2位に入っている実績からしても、ファンが求めるのは優勝という事に成るのでしょうが、選手たちにはそのプレッシャーをはねのけて中国に挑んでほしいですね。それだけの実力を秘めたチームである事は間違いないのですから・・
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