いよいよ2月28日(日)に開幕する、2年に一度の卓球の団体戦世界一を決める「世界卓球2016マレーシア」。
今回は、その世界卓球選手権で実に47年ぶりの優勝を目指す卓球日本男子代表チームについて、その展望や出場選手、日程やライバルなどをご紹介したいと思います。
団体戦の方式や解説、現地リポーターなどの詳細は
世界卓球2016マレーシア 団体戦の対戦方式を解説 個性豊かな解説陣や司会の福沢朗の卓球愛にも注目
をご覧になってください。
なお、準々決勝以降の放送予定などはこちらをご覧ください
世界卓球2016準々決勝以降の放送予定と見どころ 男女とも決勝までは中国とは対戦せず!
【世界卓球2016】決勝戦の王者・中国戦展望 男子は丹羽孝希と3番手がポイント 女子は中国キラーの福原愛の奮闘に期待
日程
予選リーグ
参加国は24チームで、これを6チームづつ、4つのグループリーグに分けます。
そして各グループリーグの上位2チームが決勝トーナメントに進出できるという仕組みになっています。
日本が入ったのは予選Cグループ。
相手は、世界ランキング6位のポルトガル、12位のポーランド、20位のベラルーシ、23位のウクライナ、30位のシンガポールとなっています。
ちなみに日本男子は世界ランク3位。どこもみな、日本より格下と言っていい相手ですね。
しかし、油断は禁物です。絶対条件は1位通過を果たす事。決勝トーナメントでは、グループリーグ1位になった場合、他グループリーグの2位と3位の対戦の勝者とぶつかります。つまり、2位、3位チームよりも1試合少なくて済むという事なのです。
他グループリーグを2位・3位で勝ち上がってくる強豪国との試合は1試合でも少ないに越した事はありません。なんといっても、決勝トーナメントは負ければ終わりのノックアウト方式なのですから。
要注意はやはりポルトガル。特に左利きのフレイタスは非常に危険な選手です。昨年のヨーロッパ選手権では準優勝している実力者です。もしもこの選手に2勝されるようなことになれば、日本は絶体絶命のピンチに陥る事になります。2戦することが予想される、水谷準、丹羽孝希がいかにフレイタスの強烈な攻撃を抑えるかがポイントとなるでしょう。ポルトガルにはもう一人、アポロニアという選手もいます。この選手も右利きからの強烈な攻撃力が持ち味です。フレイタス、アポロニアの両エースと互角に戦えれば、3番手の戦いでは日本有利と見ますので、やはり水谷、丹羽の踏ん張りがカギとなりますね。
とにかく、まずは全勝での1位通過を目指すという事になりますね。
決勝トーナメント
1位通過の場合、他グループの2位と3位の勝者と当たります。2位か3位通過の場合は、どこかの2位か3位通過チームと戦い、勝てばいずれかのグループの首位チームと戦います。これに勝てば、準決勝進出、ベスト4決定となり、3位以上が確定します。この大会には3位決定戦がありませんので、準決勝進出時点で3位は確定する事となります。
問題はその後です。
1位通過した場合は、この準決勝で世界ランク1位の中国か、世界ランク2位のドイツ、どちらかと必ず当たる事になるはずです(両チームが格下に足元をすくわれない限り)。というのも、中国とドイツが1位通過すると仮定した場合、この両チームは決勝まで当たらないからです。
中国なのかドイツなのか、それはまだ決まっていませんが、中国とドイツが決勝まで対戦しないことは決まっています。ですから、日本は必ずどちらかと準決勝で対戦する事になるのです。
どちらも強敵ですが、やはり中国よりはドイツの方が与しやすいでしょう。
中国は選手層が厚く、様々なタイプの選手がいます。対するドイツは、絶対的エースであるティモ・ボルは既に35歳。衰え知らずとは言え、やはり中国に比べれば付け入る隙はあります。新エースのオフチャロフ他、パワータイプが多いので、粘りが身上の水谷や、前陣速攻型の丹羽らには中国よりも戦いやすいといえるでしょう。
中国は世界ランク4位までを独占するほどの圧倒的な存在です。出来れば決勝までは当たりたくないものです。当たれば、もはや日本の選手が100%持てる力を発揮するだけです。それが中国と対等に戦うための最低条件と言ってもいいでしょう。
どちらにしても、思い切って行ってほしいですね。世界の頂点に立つには、ドイツも中国も破らなければならないのですから。
日本男子代表選手
水谷準(みずたにじゅん)
1989年6月9日生まれの26歳
静岡県磐田市出身
世界ランキング7位
左利きシェークハンドのオールラウンドタイプ
全日本選手権シングルス優勝8回を誇る、説明不要の日本の絶対的エースです。
持ち味は、攻守両面におけるその安定した戦いぶり。前で戦ってよし、後ろに下がって戦ってよし、のまさにオールラウンダー。攻撃も守備も高いレベルでこなせる、まさに世界基準の選手です。「魅せる」卓球にも秀でており、その戦いぶりは見るものを引き付けてやまない魅力に溢れています。その試合の面白さは、卓球に興味の無い人たちに卓球の魅力を伝える事の出来る、まさに「卓球の伝道師」といってもいいでしょう。カットマンを若干苦手にしていましたが、近年ではかなり克服されていますね。
今年こそ、エースとして前回の3位以上の成績、そして中国撃破を成し遂げてほしいですね。
丹羽孝希(にわこうき)
1994年10月10日生まれの21歳
北海道苫小牧市出身
世界ランキング14位
左利きシェークハンドの前陣速攻タイプ
弱冠19歳で王者・水谷準を破って日本王者になった、ご存知、日本卓球界の若き「天才」。
台から下がらず、相手の改心の攻撃を一撃で仕留める必殺のカウンターが武器。逆に台から下げられたら脆さを見せる場合もあり、パワータイプに対していかに後ろに下げられないかがポイントになります。以前よりもパワーがついており、前回大会以上の活躍が期待されますね。押しも押されもせぬ、水谷と並ぶ日本の2枚看板です。
松平健太(まつだいらけんた)
1991年4月11日生まれの24歳
石川県七尾市出身
世界ランキング28位
右利きシェークハンドの前陣速攻タイプ
日本男子卓球界きってのイケメン。その人気は写真集を発売するほどで、芸能事務所・ホリプロに所属している。実力も抜群で、世界卓球2015蘇州では、丹羽孝希と組んだダブルスで見事3位に輝いた。
最大の強みはそのブロック能力。相手のフィニッシュをいとも簡単にブロックし、自分のポイントにしてしまいます。その実力は、あの王者中国チームをして、最も危険な選手と言わせたほどです。松平の代名詞とも言われる、しゃがみ込みながらバック面でうつ「マツケンサーブ」も見どころの一つですね。
吉村真晴(よしむらまはる)
1993年8月3日生まれの22歳
茨城県那珂郡東海村出身
世界ランキング24位
右利きシェークハンドの攻撃型
この選手も天才と称される選手です。高校三年生だった2012年の全日本で当時無敵だった水谷の連続優勝を阻止し、一躍トップ選手への道を駆けあがります。日本人離れしたリーチの長さと、恵まれたフィジカルを生かした超攻撃型選手。前陣でも後陣でもパワフルな攻撃力を誇り、まさにヨーロッパの選手にもパワー負けしない程のポテンシャルを誇ります。
ヨーロッパの強豪との試合が続くグループリーグではカギを握る存在となるかもしれません。
大島祐哉(おおしまゆうや)
1994年3月5日生まれの21歳
京都府京都市出身
世界ランキング20位
右利きシェークハンドのドライブ型
新世代のイケメンスター候補選手。早稲田大学入学後にめきめきと頭角を現し、世界卓球2015蘇州大会では森薗政崇と組んだダブルスでベスト8に進出。準々決勝では当時世界最強と言われた中国ペアに対して3-4で惜敗したものの、マッチポイントを握るなどあと一歩まで追い詰め、世界にその名を轟かせました。
陸上で鍛えたその抜群の身体能力を生かして、少し台から離れた中陣で破壊力抜群のドライブを繰り出します。フットワークも良く守備にも長けており、松平健太に続く、新たなスターの世界卓球団体戦デビューに期待は高まるばかりです。
試合予定と放送予定
2/28 Gリーグ第1戦 ベラルーシ戦
(テレビ東京 深夜1:35よりハイライト)
2/29 Gリーグ第2戦 シンガポール戦
(テレビ東京 夜11:58よりハイライト)
2/29 Gリーグ第3戦 ポーランド戦
(BSジャパン 夜9:00)
(テレビ東京 夜11:58よりハイライト)
3/1 Gリーグ第4戦 ウクライナ戦
(BSジャパン 夜9:00)
(テレビ東京 夜11:58よりハイライト)
3/2 Gリーグ第5戦 ポルトガル戦
(BSジャパン 夕5:29)
(テレビ東京 夜11:58よりハイライト)
今のところの予定はこのようになっています。これはあくまで現在での予定ですので、番組表などで最新の情報を確認してみてください。
ちなみに、準々決勝以降の放送は、日本チームの試合スケジュールに合わせて放送する事になるようです。
やはり3月2日、予選リーグ天王山のポルトガル戦は必見ですね。夕方5:30はでも無理だなぁ・・。しゃあない、ハイライトで我慢すっかなあ(涙)。
見どころまとめ
とにかくまずは何が何でも1位通過を目指すことです。それによって中国とはほぼ準決勝まで当たる心配はないでしょう。次の注目は準決勝でどこと当たる事になるのか?これがメダルの色を決める重要な要素になる事は間違いありません。
重要な国際大会で苦汁を呑まされ続けているドイツに何とか雪辱を果たしてほしいと個人的には強く思っています。そして、その勢いで絶対王者・中国に挑戦してほしいと思います。
中国は確かに強いですが、日本には未知の魅力に溢れた選手がたくさんいます。
水谷は既に世界で戦ってきたエースの貫録十分ですし、丹羽・吉村・大島は年齢的にも上積みは十分です。松平健太は、世界卓球で五輪金メダリストの中国・馬琳を倒した事があるほど、格上に強い選手です。これらの選手が自らのポテンシャルをフルに発揮できれば、必ずや中国とも好勝負に持ち込めるはずです。
正直、グループリーグのポルトガルも十分強敵ですが、こんなところで躓いているわけにはいかんでしょう。もっと先を、もっと上を目指せるだけの可能性を秘めている、いや、それが当たり前なほどのチーム。それが今大会の日本男子チームなのですから。
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