【リオ卓球】水谷準 男子シングルス準決勝は世界ランキング1位馬龍と 次は4位の張継科かベテラン、サムソノフか

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リオオリンピックで史上初のメダル獲得が期待されている卓球の男子シングルス。

男子で準々決勝に進出した丹羽孝希選手は残念ながら準々決勝で中国のロンドン五輪金メダリストの張継科選手に敗れましたが、男子シングルスに出場したもう一人の日本人選手、水谷準選手は見事にベスト4入りを決め、メダル獲得まであと1勝と迫りました。

メダル獲得までいよいよあと1勝と迫った水谷選手の準決勝の展望、さらにその先の展望や見どころなどを見てみたいと思います。

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初戦はいきなりの難敵、変則カットマンのギオニス(ギリシャ)戦

水谷準選手のトーナメント表を見た時に真っ先に思ったのが、

「いきなり初戦がギオニスかよ・・」

でした。

卓球界では実力と人気を備えた選手として有名で、バック面粒高のカットとフォア面裏ソフトの強烈なドライブを特徴とする変則カットマンです。

カットするのはバックの打球のみで、フォアに来たボールはカウンターとドライブで対処します。若干カットマンを苦手とする傾向のある水谷選手にとっては非常に不気味な相手でしたね。

しかしカット打ちは終始安定しており、ギオニスの強烈なフォアドライブもしっかり打撃戦で対処していました。第2セットこそデュースの末落としたものの、ほぼ危なげないと言った試合でしたね。

水谷調子いいなぁというのが一目でわかるほど充実した試合内容でした。

4回戦はまさかの伏兵・カルデラノ。地元ブラジルの大声援の中総アウェー状態に

4回戦ではまさかの対戦相手が待っていました。本来であれば、世界ランキング15位のベテラン・唐鵬(香港)が有力だったのですが、3回戦で世界ランク54位の伏兵・カルデラノに敗れたのです。

地元ブラジルの選手として大アウェーの中始まった世界ランキング6位の水谷準対54位カルデラノの4回戦。第1,2ゲームを危なげなく取った水谷選手の楽勝かと思ったのですが、第3セットから潮目が変わります。好プレーを連発するカルデラノに対して会場は物凄い熱気に。それに後押しされるかのように面白いようにカルデラノのファインショットが決まるようになり、試合は完全にカルデラノペースになりました。

第3、第4ゲームを連取されて試合は2-2のタイに。

しかし水谷選手は全く焦る事もありませんでしたね。地力では圧倒的に勝る水谷選手が第5,6ゲームを連取して結局は4-2で押し切りました。あの雰囲気の中で自分を見失わないのは流石の一言。まさにこんなところで負けてらんねえよ、っていう水谷準の言葉が聞こえて来そうな試合でしたね。

準々決勝は相性の良いフレイタスと まさに横綱相撲で圧倒

準々決勝は大方の予想通り、ポルトガルの世界ランキング11位、フレイタスとの対戦となりました。

ヨーロッパ卓球界を代表する超一流選手ですが、これまでの水谷との対戦成績は0勝6敗。水谷選手が圧倒的な成績を収めている相性の良い相手です。

そんな相性を証明するかのように水谷選手は1ゲーム目からフルスロットル。1ゲーム目を4点しか失わずに先取すると、2ゲーム目は9-11と競り負けますが、3,4ゲームを危なげなく連取。5ゲーム目はシーソーゲームをデュースの末に落としますが、続く6ゲーム目を11-2の一方的な展開で取って4-2で勝利しました。

試合後に水谷選手はミスがなければもっと簡単に勝てた試合だったと言っていましたが、まさにその通りだと思います。4-2という結果以上に力の差を見せつける試合でしたね。サーブ、レシーブ、ラリー全てにおいて水谷選手が圧倒した試合でしたね。

いくら相性が良いとはいえ、このフレイタス程の選手にこれだけの内容で勝てる選手はほとんどいません。

まさに水谷準という選手のポテンシャルとリオでの調子の良さを示した試合でしたね。

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準決勝は世界王者・中国の馬龍と 馬龍に精神的プレッシャーをかけられるか?

準決勝の対戦相手は第1シードで世界ランキング1位の世界王者・馬龍(まりゅう/マロン)

水谷選手との対戦成績はここまで12試合戦って馬龍選手の全勝と、圧倒的な数字となっています。

しかし今大会の馬龍選手は決して絶好調とは言えないとわたしは見ます。はるか格下選手との対戦となった3回戦と準々決勝は別として、4回戦の韓国・鄭栄植には2ゲームを先取される大苦戦。最終5,6ゲームもデュースにもつれ込むなど、負けていても全くおかしくない試合内容でした。

馬龍選手の弱点と言われ続けてきたプレッシャーへの弱さというのが露骨に出た試合でしたね。ミスが多く、崩れ始めたら脆さを露呈するという事を示しました。

馬龍対水谷戦の一番のポイントは、水谷選手が馬龍にプレッシャーをかけられるかどうか。かけられるところまで追い詰める事が出来るかどうかの1点にかかっていると思います。

しかし準々決勝のフレイタス戦で見せたパーフェクトな卓球が出来れば間違いなく馬龍にプレッシャーがかかるでしょう。

中国選手はオリンピックや世界選手権で中国選手以外に負ける事は絶対に許されません。そんな王国特有の大きな重圧が馬龍の一番の敵であり、水谷選手には追い風となるでしょう。

絶好調の水谷準にとっては過去の圧倒的に不利な対戦データは当てにならないとも言えます。恐らく馬龍撃破の最大のチャンスがこのリオでの準決勝となるはずです。

メダルをかけた大一番はロンドン金メダルの張継科か40歳の大ベテラン・サムソノフか

水谷選手が準決勝で勝とうが負けようが、もうひと試合戦う事が決まっています。勝てば金メダルをかけた決勝戦、負ければ銅メダルをかけた3位決定戦です。

その相手となる準決勝のもうひと試合が、中国のロンドン金メダリスト、世界5位の張継科(ちょうけいか)と、元ヨーロッパ王者の大ベテラン、40歳の世界ランク9位サムソノフ(ベラルーシ)です。

どちらと対戦する事になっても強敵であることは間違いありません。

張継科選手は3回戦で登場して以来、3試合で落としたセットは準々決勝の丹羽孝希との試合で失った1セットのみ。調子は良さそうです。

水谷選手との対戦成績は水谷選手の6戦全敗。とはいえ、張継科選手はロンドン金メダルの時よりも確実に力は落ちています。メンタルの強さや勝負強さは相変わらずですが、かつてのどんな相手でも簡単にひねってしまうような圧倒的な強さはありません。ワールドツアーなどでは中国選手以外への取りこぼしも目立ち始めています。

張継科選手は恐らく水谷選手のバックにボールを集めて、バックハンド対バックハンドの応酬を仕掛けてくるはずです。これに対して水谷選手が上手くコースを散らせるかどうか。まともにバックハンド対決を挑めば世界一のバックハンド技術を誇る張継科の戦略通りとなってしまいます。

リスクを負っても水谷選手がストレートを打ち切れるかどうかで試合の流れが大きく変わりそうです。この試合のキーポイントはバックハンドですね。

サムソノフ選手は第3シードの世界ランク5位、オフチャロフ(ドイツ)選手を準々決勝で破ってベスト4に進出してきました。

40歳となる大ベテランですが、力の衰えはありませんね。それどころか、鉄壁の守備はますます強固になっている感さえあります。

サムソノフ選手と水谷選手の対戦は、卓球の醍醐味であるダイナミックなラリー戦が見られる事でしょう。お互いに攻守自在のオールラウンダーですから、攻守が頻繁に入れ替わるスリリングな試合となりそうです。

ポイントは水谷選手がどれだけ攻め切れるか?恐らく水谷選手が攻勢に回る事が多くなると思います。守備力は互角ですが、攻撃力は水谷選手の方が上だとわたしは思います。いかに水谷選手がサムソノフの守備を打ち破れるか?ここがポイントですね。今大会調子のいい選手同士の対戦、激しい試合は間違いないと思います。

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