リオオリンピック卓球競技の団体戦は、女子が8月13日から、男子は8月14日から始まります。
【リオ五輪】卓球王国中国とは?福原愛、石川佳純ら日本代表のメダルの色はトーナメントの組み合わせがカギ?でも述べたように、日本卓球チームがメダルを獲得できるかどうかの重要なポイントは、ドロー(組合せ)にあります。
その理由はあまりにも強大で高すぎる壁・中国の存在にあります。
中国とどのタイミングで対戦するかがメダルの色を決めるうえで非常に重要な要素となるのです。
そんな卓球日本代表の運命を決める組み合わせ抽選会が行われ、リオオリンピック卓球競技の組み合わせが決定されました。
ここでは女子団体戦のドローを見ながら展開を予想していきたいと思います。
リオオリンピック卓球団体戦概要
参加チームは全16の国と地域です。
これらの16チームがトーナメント戦を行います。一度負ければそこで敗退決定という事となります。
試合はシングルス4試合、ダブルス1試合の5試合で行われ、先に3勝したチームの勝ちとなります。
その他詳しい団体戦の方式は下の記事を参照なさって下さい。
【リオ五輪】卓球団体戦のルールやオーダー等のシステム解説 世界卓球とも微妙に違うオリンピックでのABCXYZ方式とは?
1回戦を勝てば次は準々決勝、準決勝、決勝と続きます。金メダルを獲得するためには4試合勝たなければならないという事ですね。
準決勝で敗れたチームは敗れたチーム同士で3位決定戦を行い、勝った方が銅メダル獲得となります。
卓球女子団体展望と見どころ
最新の卓球チーム世界ランキングで、日本女子は2位につけています。
1位は中国、3位はシンガポールであり、4位は香港がランクインしています。
日本は世界ランク2位という事で、最初から中国とは別ブロックとなる事が決まっていました。つまり決勝戦までは対戦しないという事です。
あと、準決勝で必ずドイツかシンガポールのどちらかと対戦する事も決定済みでした。この2チームのうち、どちらと同じブロックに入るのか?というのが女子団体の組み合わせ抽選での最大の注目ポイントであったと言えるでしょう。
そして日本はドイツと同じブロックに入りました。必然的にシンガポールは中国のブロックという事になります。
ここからは、1回戦から日本の対戦予想チームの特徴や実力、日本選手との対戦成績などを見ていきたいと思います。
女子団体1回戦は世界ランキング11位のポーランドと対戦
女子団体戦で日本代表チームは世界ランキング11位のポーランドと1回戦を戦う事になりました。
ポーランド代表で最も気をつけなければならない相手は、世界ランキング30位のエース、リー・チェン。その名からお察しの通り、中国からの帰化選手です。
今年の世界卓球で、ポーランドはグループリーグ敗退に終わりましたが、その時は大会の規定により元中国選手であったリー・チェンは出場していませんでした。エースが加わった事で全く違うチームとなる事は間違いありません。
リー選手が要注意であるのは、リー選手が日本が苦手にしているカットマンであるというのが大きいです。福原愛選手と伊藤美誠選手は裏ソフト+表ソフトのシェークハンド速攻型であり、このタイプの選手はカットマンとの相性があまり良くありません。恐らくリー選手がシングルス2試合に出てくるので、必ず福原選手か伊藤美誠選手のどちらかがシングルスで戦う事になるでしょう。苦戦が考えられますね。
とはいえ、こちらのシングルス2点使いの石川佳純選手は非常にカット打ちがうまく、二人に比べればカットマンを苦にしないので、石川選手でリー選手に1勝を計算できると思います。リー選手以外は力が一枚落ちますので、そこであと2勝というのは難しくないと考えます。
初戦という事で入り方が難しくなるかもしれませんが、日本との力関係的にはまず問題ないと思います。
女子団体準々決勝は世界ランキング7位のオランダか?カットマンのリー・ジエは要注意
1回戦を突破すると、次なる相手は世界ランキング7位のオランダと10位のオーストリアの勝者と対戦する事となります。
どちらも力のあるヨーロッパの強豪ですが、やはり世界ランキング通り、オランダの方が力は上であり、順当であればオランダが進出してくるでしょう。この両チームは今年の世界選手権の決勝トーナメント1回戦で対戦しており、その時は3-2でオランダが勝つという接戦だったのですが、今回はそのチームにさらに元中国の選手が二人加わります。しかも二人ともエース級なのです。オランダ有利と言わざるを得ません。
危険な相手といってもいいかもしれません。特に中国からの帰化選手二人はかなり強力です。恐らくシングルス2試合使いには世界ランク17位のカットマン、リー・ジエが出てくることでしょう。それでは日本選手との対戦成績を見てみましょう。
石川佳純(6位)
対リー・ジエ (17位) 0勝2敗
対リー・ジャオ(31位) 3勝3敗
対エールラント(95位) 4勝0敗
福原 愛(8位)
対リー・ジエ (17位) 2勝1敗
対リー・ジャオ(31位) 2勝1敗
対エールラント(95位) 対戦無し
伊藤美誠(9位)
対リー・ジエ (17位) 対戦無し
対リー・ジャオ(31位) 対戦無し
対エールラント(95位) 1勝0敗
対戦無しが多く、対戦があっても試合数が少なくてデータとしては掴みどころのないものとなっています。しかし気になるのが、相手エースのリー・ジエに対して、石川佳純選手が0勝2敗と勝てていない事です。
ともにシングルス2点使いが予想されるこの2人。間違いなくシングルスで激突する事となります。0勝2敗という対戦成績もそうですが、そのうち1敗は今年6月の韓国オープンでした。直近の対戦で負けている、しかも0-4のストレート負けを喫しているというのが非常に気になります。
対して、福原愛選手は対戦試合数こそ少ないものの、元中国の2選手には勝ち越しています。これは非常に心強いですね。さらに伊藤美誠選手は元中国の2選手とは初対戦。どちらに転ぶかはわかりませんが、伊藤美誠選手の精神力であれば伊藤選手の有利と見ます。
恐らく石川選手にリー・ジエとリー・ジャオをぶつけてくるオーダーをオランダは採用してくるはずです。石川選手の奮起がこの試合のポイントとなりそうです。あとはリー・ジエに福原か伊藤、どちらをぶつけるのか。日本チームのベンチワークも見どころの一つとなりそうです。
準決勝は世界卓球の再現でドイツか?中国帰化選手2人が加わり全く別のチームに!
準決勝の対戦相手はどこになるのでしょう。世界ランク4位の香港も強いですが、わたしは9位のドイツだと見ます。ドイツの世界ランク9位というのは不当なまでに低い数字ですね。間違いなく世界のトップ4に入るチームです。
世界卓球では日本と2度対戦したドイツ。この時はグループリーグで2-3で敗れたものの、決勝トーナメントでは3-0で快勝して借りを返しています。この時のチームに中国帰化選手が2人加わるのが今回のドイツチームです。世界ランク7位のハン・インと同21位の単暁娜(シャン・シャオナ)の二人です。
この強力な二人に、世界卓球では石川、福原の両エースを撃破した世界ランク15位のソルヤがいるのです。ハッキリ言って強いです。対戦成績を見てみましょう。
石川佳純(6位)
対ハン・イン( 7位) 1勝0敗
対ゾルヤ (15位) 2勝2敗
対単暁娜 (21位) 3勝0敗
福原 愛(8位)
対ハン・イン( 7位) 2勝1敗
対ゾルヤ (15位) 2勝2敗
対単暁娜 (21位) 5勝0敗
伊藤美誠(9位)
対ハン・イン( 7位) 1勝0敗
対ゾルヤ (15位) 2勝2敗
対単暁娜 (21位) 1勝0敗
ソルヤとは3選手全員が五分の勝負となっていますが、ハン・インと単暁娜には全員が勝ち越しています。
恐らくドイツはソルヤがシングルス2点使いで来ます。ポイントはソルヤと石川佳純のエース対決です。ここでどちらが勝つか?
さらに3試合目に行われるダブルスも重要です。福原愛&伊藤美誠ペアとハン・イン&単暁娜ペアの戦いとなるでしょう。ここも絶対に落としたくない試合です。
後の試合では互角以上の試合が期待できるだけに、この2試合が勝負のポイントとなるでしょう。
ちなみに予想が外れた時のために(汗)、香港と日本選手との対戦成績も参考までに載せておきます。
石川佳純(6位)
対帖 雅娜(16位) 4勝 2敗
対杜 凱栞(22位) 2勝 1敗
対李 皓晴(24位) 13勝 0敗
福原 愛(8位)
対帖 雅娜(16位) 4勝11敗
対杜 凱栞(22位) 2勝 1敗
対李 皓晴(24位) 6勝 2敗
伊藤美誠(9位)
対帖 雅娜(16位) 対戦無し
対杜 凱栞(22位) 3勝 3敗
対李 皓晴(24位) 1勝 0敗
香港に対しては、概ね相性が良いと言えるでしょう。やはりドイツの方がやりにくいし強いと見ますね。
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