リオ五輪でメダルを取るのは誰?女子マラソン日本代表の伊藤舞 福士加代子 田中智美のプロフィールや見どころなど

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スポーツ
引用:大塚製薬陸上部

3月17日に日本陸連が今年8月に行われるリオデジャネイロオリンピックの女子マラソン日本代表3選手を発表しました。

その顔触れが

  • 伊藤舞
  • 福士加代子
  • 田中智美

の3選手です。

数々の物議を醸し、世論を賑わせ、様々な意見が渦巻くなかで決定した日本代表の3選手。

3選手のリオでの活躍を願いながら、その横顔や選手としての特徴、リオ本番での見どころなどをご紹介したいと思います。

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伊藤舞(大塚製薬)

生年月日:1984年5月23日生まれの31歳
出  身:奈良県奈良市
所  属:大塚製薬
身長体重:156cm 41kg
最終学歴:京都産業大学
自己ベスト:2時間24分42秒(2015年名古屋ウィメンズ)

2015年の世界陸上北京大会で見事に7位入賞を果たし、リオデジャネイロオリンピックのマラソン女子代表内定を真っ先に決めたのが大塚製薬のベテラン、伊藤舞選手です。

福士加代子選手の名古屋ウィメンズ強行エントリーなどでまたも議論の的となった今回のリオ五輪マラソン選考の中で、伊藤選手の世界陸上での内定も少なからず議論の対象となっていました。しかし、陸連の内定ラインの線引きが適当かどうかはともかく、伊藤選手はしっかりと陸連の定める内定条件をクリアしての五輪代表ですから、周囲の雑音を気にせずに五輪で力を出し切ってもらいたいものです。

彼女の信条は何といってもその粘り強さ。

真骨頂はやはり昨年の世界陸上での走りです。下馬評ではともに日本代表となった重友梨佐(天満屋)や前田彩里(ダイハツ工業)に比べると地味な印象だったのですが、本番では信条の粘りの走りを思う存分発揮し、33km付近まで先頭集団に食らいついていきました。その後もロングスパートをかけたディババ(エチオピア)らに離されながらも、大きく脱落することなくしっかりとしたペースを守って7位に入賞しました。

気になるのがあまりにも早く内定しすぎたための調整の難しさですが、今年1月に行われた大阪ハーフマラソンで優勝し、順調な調整ぶりを見せつけました。本番まで間が空くことで逆に余裕を持った調整が出来ており、それが良い方向に向かっているようです。

気がかりは持ちタイムが平凡な事ですが、恐らくオリンピックのマラソン本番のレースは極端な高速決着にはならないでしょう。気温の高さやコースの形状などからして過酷なサバイバルレースの様相を呈する事が多いです。そうなると、伊藤選手のような爆発力は無いものの、安定して粘り強く走れるというスタイルの選手が上位に食い込む確率が高くなると予想します。

学生時代は度重なるケガに泣かされて、社会人入りしてからも結果が出ずに所属を変えるなど、ここまで散々苦労してきた遅咲きの伊藤舞選手。だからこそその精神力は過酷なオリンピックの舞台でこそ最高に光り輝くのかもしれません。

福士加代子(ワコール)

生年月日:1982年3月25日生まれの33歳
出  身:青森県北津軽郡板柳町
所  属:ワコール
身長体重:161cm 45kg
最終学歴:青森県立五所川原工業高校
自己ベスト:2時間22分17秒(2016年大阪国際女子マラソン)

リオ五輪選考レースであった、2016年の大阪国際女子マラソンで自己記録の2時間22分17秒をたたき出し、陸連の定めるリオ五輪派遣設定記録を、選考レースに出走した日本人選手の中でただ一人突破して文句なしの代表選出となった福士加代子選手。

彼女が派遣設定記録を破りながら内定を出さなかった陸連の選考を心配し、名古屋ウィメンズマラソンに強行出場しようとした事は、またも陸連の代表選考の在り方に対する世間の議論を呼びました。特に「みちのくの爆走娘」と呼ばれ、実績も人気も陸上選手の中ではトップクラスの一流選手である福士選手の問題という事も話題の拡散に拍車をかけましたね。

とはいえ、タイム面でも順位面でも文句なしの選出と言っていいでしょう。間違いなくリオのマラソンでは日本選手の中でもエース格の存在です。

福士選手の最大の武器はそのスピードでしょう。マラソン転向前には3000m、5000m、10000mの選手としてオリンピックや世界陸上にも出場したそのスピードはマラソンでいかんなく生かされています。マラソン転向直後はその有り余るスピードのためにマラソンの遅いペースに戸惑い、リズムを崩して後半スタミナ切れで失速する場面が目立ちましたが、ここ数年は見事にマラソンに順応し、押しも押されもせぬマラソンの第一人者となりました。

世界の舞台での経験が豊富なのも大きな強みです。マラソンでのオリンピック出場は初めてですが、2013年の世界陸上モスクワ大会ではマラソン代表として選ばれ、本大会では見事に銅メダルを獲得しています。それ以外でも長距離トラック競技でのオリンピック、世界陸上の代表も経験しており、初めてのオリンピックの舞台で気圧される事もないでしょう。

大阪国際女子マラソンで見せたようにタイム勝負でも強く、世界陸上モスクワ大会で見せたようにタフな展開での順位勝負にも強い、まさに日本で最もメダルの可能性が高い選手である事は間違いありません。

穴を探す方が難しいほど実力のある選手ですね。アフリカ勢の牙城を崩すとすればこの選手しかないと言ってもいいかもしれません。あとはしっかりと本番までに調整して欲しいですね。

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田中智美(第一生命)

生年月日:1988年1月25日生まれの28歳
出  身:千葉県成田市
所  属:第一生命
身長体重:154cm 39kg
最終学歴:玉川大学
自己ベスト:2時間23分19秒(2016年名古屋ウィメンズ)

レベルの高い戦いとなった選考最終レースの名古屋ウィメンズで、天満屋の小原怜選手との2位争い(日本人トップ争い)のデッドヒートを1秒差で制して切符をつかんだのが第一生命の田中智美選手です。

小原選手とのタイム差はわずか1秒差ながら、そのレースぶりは圧巻の一言。30キロ過ぎでスパートしたキルワ(バーレーン)に対してただ一人食らいついた上に、日本人トップとなる2位を守り抜いたその積極果敢で粘り強いレースぶりは日本代表に相応しい見事なものでした。

2015年の世界陸上北京大会の代表選考レースでは、唯一の大会優勝者であるにも関わらず代表漏れするという悔しさを味わった田中選手。その時に代表落選の一因として陸連から指摘されたレースの積極性という課題は、名古屋ウィメンズで見事に結果を出して見せましたね。というより、陸連に対する意地のようなものを強く感じる事が出来たレースでした。

彼女の強みは後半の強さです。スタミナは3選手の中でも1番かもしれません。世界陸上北京大会の選考レースでもあった横浜国際女子マラソンでは、ハイペースな前半を無理に先頭集団についていかなかったことで後半の強さを引き出し優勝しました。結果的にそのレースぶりが消極的と判断されて世界陸上のマラソン代表から漏れるのですが、後半の強さはその時から折り紙付きです。

それに加えて、今年の名古屋ウィメンズでは前半の淀みないペースを難なく追走し、ライバルのスパートにも対応できたうえで2時間23分台を出して2位に入れたという、また違った後半の強さを発揮しています。フルマラソンはまだわずか4回しか走っておらず、代表3選手の中では本番までの上積みと未知の魅力という点では1番でしょう。

所属チームの監督が、世界陸上で銀メダルを獲得するなど、選手時代に世界の大舞台で実績を残してきた山下佐知子さんというのも、経験に乏しい田中選手にとっては大きなアドバンテージとなりそうです。

本番のリオ五輪までに更なる成長を促しその才能を覚醒させることが出来れば、世界をあっと言わせるのはこの田中選手になるかもしれません。

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