リオオリンピックでは数々のメダル獲得有力競技の中でも、高い確率でメダル獲得を期待されているのがバドミントン。
世界ランキング1位の高橋礼華(たかはしあやか)、松友美佐紀のタカマツペアなどは金メダル有力とまで言われています。
そんな中でもう一人メダル候補と呼ばれている選手がいます。
その選手が、バドミントン女子シングルスに出場する奥原希望(おくはらのぞみ)選手なのです。
史上初の日本バドミントンシングルスのメダル獲得へ!
1992年のバルセロナオリンピックで正式種目となったバドミントンは、今回のリオで7回目のオリンピックを迎えます。
バルセロナオリンピックで日本代表となり、美人バドミントン選手として人気を博して現在はスポーツキャスターを務めている陣内久美子さん以来、日本バドミントン界の中で世間一般の話題となってきたのは主に女子ダブルスの選手でした。
バドミントンに収まらない人気者となった潮田玲子・小椋久美子の「オグシオ」を始め、ロンドン銀メダリストの藤井瑞希・垣岩令佳の「フジカキ」、そして今回リオで金メダル候補と言われている高橋礼華・松友美佐紀の「タカマツ」。
そんな中で、日本バドミントン界初のシングルスメダリストを目指すのが、現在世界ランキング6位の奥原希望選手なのです。
世界ランキング6位・奥原希望(おくはらのぞみ)のプロフィール
生年月日 :1995年(平成7年)3月13日生まれの21歳
出 身:長野県大町市
身 長:156.3cm
利 き 腕:右利き
出 身 校:埼玉県立大宮東高校
所属チーム:日本ユニシス
趣 味:散歩
憧れの人物:浅田真央
世界ランク:6位(最高位:3位)
世界ランク以上のインパクトを残すファイナルと全英オープン優勝
奥原希望選手の世界ランキングは6位です。世界ランキング通りに順位がつくのであれば、当然メダルには届かないという事になります。奥原選手の自己最高世界ランクである3位でようやく銅メダル獲得がなるという事ですね。
しかしもちろん世界ランキングはあくまで世界ランキング。どんな精密なデータに基づくランキングでも当然その通りになるわけもありません。男子テニスなどは、絶対王者と言われていた大本命・ノバク・ジョコビッチ(セルビア)が1回戦で敗れるという波乱が巻き起こっています。これがスポーツです。
そしてなぜ奥原希望選手がこれだけ大きな期待をかけられているのかというと、その類い稀な勝負強さです。
奥原選手の名が一躍世界に轟いたのが、昨年2015年のBWFスーパーシリーズファイナルズでの優勝です。このスーパーシリーズファイナルズというのは、バドミントンの国際ツアーであるスーパーシリーズのなかでも格上のスーパーシリーズプレミアの成績を年間で集計して、上位8人のみが出場できるという、まさにトップオブザトップスを決めるバドミントン界最高峰の大会です。
このスーパーシリーズファイナルズで日本人初のシングルス優勝を飾ったのがこの奥原選手なのです。
さらに今年に入ってからはスーパーシリーズプレミアの中でも一番の歴史と権威を誇る、世界選手権にも並ぶほどのビッグタイトル・全英オープンにも優勝。日本人として実に39年ぶりとなる快挙を達成しました。
このように、奥原希望選手の一番の魅力は大きな大会での強さです。オリンピックという大舞台で最も重要な勝負強さを持っているのです。
バドミントン女子シングルス展望と海外の強豪・ライバルたち
現在世界ランキング6位の奥原希望選手のライバルとなる外国勢を見てみましょう。
最も手ごわいのが世界ランキング1位のキャロリーナ・マリーン(スペイン)。2014、2015と世界選手権を2連覇している現在の世界女王です。安定感があり、大きな舞台でも力を発揮できるメンタルの強さを持っています。ただし、スペインはこの種目でまだメダルを獲得した事がなく、このオリンピックでの重圧は相当なものがあるでしょう。世界選手権などとは全く異質のこのオリンピック独特のプレッシャーをはねのけられれば、不動の本命と言えます。
次に怖いのがこの種目でオリンピックを4連覇中の王国・中国勢。もちろん今回も質量ともに優勝を狙えるメンバーをそろえて来ました。
李雪芮 (りせつぜい/リシュールイ)はロンドンでの女子シングルス金メダリストです。世界ランキングは3位でまだ25歳と今油が乗り切っている選手です。李の強さはその変幻自在の対応力。相手選手のタイプや戦術に合わせてプレースタイルを変化させる事が出来、また相手の戦術にも素早く対応してきます。そのプレースタイルはまさに百戦錬磨のベテラン並みであり、こういった国際舞台に強い要素を全て身に付けた選手とも言えます。個人的には最も警戒すべき選手だと思いますね。
もう一人の中国選手、王儀涵(おうぎかん/ワン・イーハン)もロンドン銀メダリストであり、実績のある実力派です。世界ランクは2位となっており、ロンドン五輪後は不調のためにランキングを下げていましたが、昨年になって復調を遂げ、現在は2位にまでランキングを戻してきました。28歳のベテランらしい技術とメンタルの強さが持ち味で、復調した現在では堂々の金メダリストでしょう。178cmの長身を生かしたフィジカルにも衰えは全く見受けられませんね。
もう一人、怖いのが2013年の世界選手権で李雪芮やマリーンを破って優勝したタイのラチャノック・インタノン選手です。当時の年齢が18歳。現在は21歳でまだ伸び盛りの選手です。直近のスーパーシリーズで3連勝を飾っており、今季は絶好調の状態でオリンピック本番を迎えます。世界ランキングは4位ですが、個人的には李選手の次に怖いのはこの選手だと思っています。
この4人が実績的にも最も金メダルに近い位置にありますが、今回リオの女子シングルスは実力伯仲の大混戦となっています。当然奥原選手にも大きなチャンスがあります。そして、奥原選手とともに日本代表として出場する世界ランク11位の19歳の新鋭・山口茜選手もダークホースとして大いに期待できます。
とにかく大混戦の様相を呈しているリオ五輪バドミントン女子シングルス。試合当日の調子やメンタル面が大きく試合の行方、メダル争いの行方を左右する事となるでしょう。
奥原希望選手の女子シングルス試合日程とテレビ放送予定
最後にバドミントン女子シングルスの競技日程とテレビ放送の予定をご紹介しましょう。
奥原希望選手の試合予定
8月12日 グループリーグJ予選 20:00~
8月14日 グループリーグJ予選 22:05~
準々決勝以降の試合日程は予選グループの結果によって決まります。
8月16日 決勝トーナメントベスト16 06:30~
8月17日 準々決勝 05:30~
8月18日 準決勝第1試合 20:30~
8月18日 準決勝第2試合 21:30~
8月19日 3位決定戦 22:10~
8月19日 決勝戦 23:00~
現在決まっているテレビ放送予定は以下の通りです。
8月18日 準決勝 NHK総合 20:30~
8月19日 決勝・3位決定戦 フジテレビ・NHKBS-1 20:30~
現在の所、準決勝までの試合については予定がないようです。恐らく日本人選手の勝ち上がりに合わせて順次追加されていくのではと思いますね。
尚、予定は予告なく変更される場合もありますので、念のために番組表などでご確認ください。
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