11月13日に開幕するATPワールドツアーの優秀を飾る2016ATPワールドツアーファイナルズ。
世界のテニス選手の中で、たったの8人しか参加を許されないこのテニス界の最高峰の大会には、日本の錦織圭選手も3年連続の出場を果たします。
そして、注目のワールドツアーファイナルズのラウンドロビン(予選グループ)のグループ分けが確定しましたので、ここではメンバーを見ながら展望などを見ていきたいと思います。
2016ラウンドロビンはマッケンローグループとレンドルグループ
ツアーファイナルズという大会についてと、ツアーファイナルズに出場するために重要となる世界ランキングについては、過去の記事をご参照ください。
2016ツアーファイナルズに出場する世界ランキング上位の8名がこちらとなります。
順 位 選 手 名 国 名
1 位 アンディ・マレー イギリス
2 位 ノバク・ジョコビッチ セルビア
3 位 スタン・ワウリンカ スイス
4 位 ミロシュ・ラオニッチ カナダ
5 位 錦織 圭 日本
6 位 ガエル・モンフィス フランス
7 位 マリン・チリッチ クロアチア
9 位 ドミニク・ティエム オーストリア
世界ランキング第8位のラファエル・ナダル(スペイン)はケガのために欠場という事で、世界ランキング9位のドミニク・ティエムがファイナル初出場を果たしています。
今年のラウンドロビンは、ジョン・マッケンローグループとイワン・レンドルグループに組分けされます。そして、世界ランキング1位のマレーはマッケンローグループ、2位のジョコビッチはレンドルグループに入る事が最初から決定されていました。
後は3位以下の選手がどちらに入るかという事だったのです。下図の通りの組分けですね。
マッケンローG レンドルG
マレー ジョコビッチ
(3位のワウリンカか4位のラオニッチ)
(5位の錦織か6位のモンフィス)
(7位のチリッチか9位のティエム)
錦織が最初から同組にならないと決まっているのは6位のガエル・モンフィスのみ。マッケンローグループに入るのか、それともレンドルグループなのか?そしてグループのメンバーは?果たしてどうなったのでしょうか。
考え得る限り最悪に近いドローとなった錦織圭のジョン・マッケンローグループ
では決定したラウンドロビンの組み合わせを見てみましょう。
マッケンローG レンドルG
A・マレー N・ジョコビッチ
S・ワウリンカ M・ラオニッチ
錦織圭 G・モンフィス
M・チリッチ D・ティエム
という組分けとなりました。
どうでしょうか?一言でいうと、最悪に近い組分けです。個人的に最高の組み合わせだと思っていたのが、
A・マレー
M・ラオニッチ
錦織圭
D・ティエム
だと思っていましたので。ジョコビッチと当たらなかったのが唯一の救いと言えばそうなのですが、ハッキリ言ってマレーとジョコビッチだったらどちらとでもそう大差はありません。弱冠マレーの方がまだマシかなという程度だと思います。
問題はワウリンカorラオニッチでワウリンカ、チリッチorティエムでチリッチと一緒になってしまったことでしょう。どちらも錦織にとっては難敵中の難敵です。実力も実績もワウリンカとラオニッチ、チリッチとティエムでは、マッケンローグループに入ったワウリンカとチリッチの方が一枚上です。
もう一度ハッキリ言いましょう。ドロー(組合せ・くじ運)としては錦織選手にとっては最悪といってもいいものとなってしまいました。まさに「死の組」と呼ぶにふさわしいまでに
ラウンドロビン出場選手との錦織圭の過去の対戦成績
ちなみに、これが錦織圭選手との各選手の対戦成績です(カッコ内はファイナルズと同じサーフェスであるハードコートでの戦績)。
ジョン・マッケンローグループ
N・ジョコビッチ 2勝10敗(2勝7敗)
S・ワウリンカ 2勝 4敗(2勝3敗)
M・チリッチ 7勝 5敗(6勝4敗)
イワン・レンドルグループ
A・マレー 2勝 7敗(2勝6敗)
M・ラオニッチ 5勝 2敗(4勝1敗)
D・ティエム 2勝 0敗(ハードは未対戦)
どうでしょうか。
まずはワウリンカには負け越しているのに対して、ラオニッチには大きく勝ち越しています。ワウリンカとの直近の対戦は2016全米オープンの準決勝。ここで敗れて決勝進出を逃したのは記憶に新しいところですね。結局ワウリンカはその勢いで全米オープン優勝を果たしました。調子の波の激しい選手として有名なワウリンカですが、いい時のワウリンカに当たれば手も足も出ない程の選手です。マレーもジョコビッチも凌駕するほどのトップ選手です。ワウリンカとラオニッチ、どちらと当たった方がいいかは一目瞭然でしょう。
チリッチに対しては勝ち越している錦織ですが、これも直近のスイスインドア(ハードコート)の決勝戦ではチリッチに敗れています。2014全米オープン決勝戦で錦織圭悲願の初優勝を阻止したのもこのチリッチです。大舞台では特にチリッチに負けている印象は強いですよね。対してティエムにはまだ負けがありません。ハードコートではまだ対戦がない錦織とティエムですが、錦織がハードコートを最も得意としているのに対して、ティエムが最も得意とするのは球足が遅くなるクレーコート。ハードコートで戦えば錦織有利なのは間違いありません。
ジョコビッチとマレーは、ハードコートでの対戦成績はほぼ似たようなものですし、2016シーズンの後半だけ見れば、むしろジョコビッチを追い落として世かランキング1位に上り詰めたマレーの方が勢いは確実にあるので、どちらと戦っても厳しいです。
全勝も全敗もあり得るラウンドロビンの錦織圭
ここまで述べたように、錦織圭選手が入ったラウンドロビンのジョン・マッケンローグループは非常に難しいメンバーがそろってしまいました。
しかし、もちろんですが決して準決勝進出が絶望的になったわけではありません。
恐らくラウンドロビンで2勝1敗で行ければ準決勝進出への道は開けるはずです。
前述したようにワウリンカは調子の波の激しい選手であり、ダメな時のワウリンカが出てくれれば錦織優位で試合を進められるはずですし、チリッチには大舞台では苦渋を舐めさせられていますが、トータルの対戦成績では勝ち越しています。ジョコビッチにしても後半戦は調子を落としているので、チャンスは十分にあると見ます。
錦織圭選手がどれだけのコンディションでこのATPワールドツアーファイナルズに臨めるかが一番のカギになってくるのではないでしょうか。
ハッキリ言って3勝0敗も0勝3敗もあり得るグループだと思いますね。
まあファン的にはこのメンバーの中で勝ち抜けてこそ本当のファイナリスト!って気もしないでもありません(苦笑)。その意味ではどのゲームも間違いなく面白い試合になるでしょう。
だけどやっぱりラオニッチとティエムが良かったっすねえ・・(涙)。
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