バレーボール・グラチャンの大会歴史 全日本の成績に歴代代表監督と個人賞、MVP選手に過去出場国、優勝国も

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4年に1度、オリンピックが開催された翌年に日本で開催されるバレーボールの国際大会、「バレーボール・ワールドグランドチャンピオンズカップ」(通称・グラチャン)。

オリンピックや世界選手権、ワールドカップの三大大会に比べると1993年に始まった歴史の新しいグラチャンですが、その過去大会の歴史を簡単に振り返りながらご紹介したいと思います。

「グラチャン」という大会の概要やシステムなど、大会自体の詳細については以下の記事に詳しいので是非ご参照ください。

グラチャンバレーのシステム・大会概要解説

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男女通じて唯一の全大会出場(開催国日本を除く)を誇る男子ブラジル代表

まずは各大会における参加国を見ていきましょう。日本は開催国で全ての大会に出場していますので割愛し、他の5か国をご紹介したいと思います。出場国は左から順に「アジア代表、ヨーロッパ代表、北中米カリブ海代表、南米代表、国際バレーボール連盟推薦国」という順番となっています。

男子

開催年   出場国

1993  韓国、イタリア、キューバ、ブラジル、アメリカ
1997  中国、オランダ、キューバ、ブラジル、オーストラリア
2001  韓国、ユーゴスラビア、キューバ、ブラジル、アルゼンチン
2005  中国、イタリア、アメリカ、ブラジル、エジプト
2009  イラン、ポーランド、キューバ、ブラジル、エジプト
2013  イラン、ロシア、アメリカ、ブラジル、イタリア
2017  イラン、フランス、アメリカ、ブラジル、イタリア

出場最多国はブラジルの7回。全大会に出場しているのはブラジルだけです。続いてキューバ、イタリア、アメリカが4回で続き、イランが3回となっています。

女子も最多はブラジル、オールFIVB推薦枠での5回の出場は韓国

続いて女子の大会別出場国をご紹介します。男子と同じく、出場国は左から順に「アジア代表、ヨーロッパ代表、北中米カリブ海代表、南米代表、国際バレーボール連盟推薦国」という順番です。

女子

開催年   出場国

1993  中国、ロシア、キューバ、ペルー、アメリカ
1997  中国、ロシア、キューバ、ブラジル、韓国
2001  中国、ロシア、アメリカ、ブラジル、韓国
2005  中国、ポーランド、アメリカ、ブラジル、韓国
2009  タイ、イタリア、ドミニカ、ブラジル、韓国
2013  タイ、ロシア、アメリカ、ブラジル、ドミニカ
2017  中国、ロシア、アメリカ、ブラジル、韓国

最多出場は男子と同じくブラジルで6回出場。第1回は南米出場枠をペルーに持っていかれたものの、1997年の第2回大会から6回連続の出場を決めています。続いて5回出場の中国、韓国、アメリカ、ロシアが2位で並んでいます。韓国の5回出場は全て主催者推薦枠(ワイルドカード)での出場によるものです。

過去大会の歴代優勝国一覧 男女とも圧倒的優勝実績のブラジル

4年に1度の開催、五輪翌年開催という「グラチャン」ですが、その歴史はまだ新しいものです。初開催は1993年、2017年開催の大会が第7回大会となります。

以下が過去のグラチャンにおける歴代優勝国です。

開催年   男  子   女  子

1993  イタリア   キューバ
1997  ブラジル   ロシア
2001  キューバ   中 国
2005  ブラジル   ブラジル
2009  ブラジル   イタリア
2013  ブラジル   ブラジル
2017  ブラジル   中国

男子はブラジルが4度優勝で最多、女子もブラジルが唯一複数優勝となる2回で最多となっています。意外なのは男女ともにバレーボール大国であるアメリカの優勝が一度もないことです。

それ以外はイタリア、キューバ、中国、ロシアなど強豪国が順当に優勝していますね。

日本代表チームの過去順位と歴代代表監督 3位が最高位の日本の目標は2位以上

続いては、1993年の第1回大会から開催国として全大会に出場している日本代表チームの全成績をご紹介しましょう。

男子成績・監督

開催年   順 位   代表監督 

1993  4 位   大古誠司
1997  5 位   寺廻太
2001  5 位   田中幹保
2005  4 位   植田辰哉
2009  3 位   植田辰哉
2013  6 位   ゲーリー・サトウ
2017  6 位   中垣内祐一

女子成績・監督

開催年   順 位   代表監督

1993  4 位   米田一典
1997  5 位   葛和伸元
2001  3 位   吉川正博
2005  5 位   柳本晶一
2009  4 位   眞鍋政義
2013  3 位   眞鍋政義
2017  5 位   中田久美

過去6大会における日本チームの最高成績は、男女ともに全6チーム中3位という成績となっています。

各大陸王者が集うというハイレベルな対戦国の前に、日本はまだ優勝はおろか準優勝さえ成し遂げられていないという現実となっています。最大目標は当然優勝なのですが、当面の現実的な目標は、過去最高の2位以上という事になるでしょう。

2大会連続で指揮を執った監督は男子の植田辰哉監督、女子の眞鍋政義監督と、男女ともに一人づつしかいません。これは基本的にオリンピックを最大目標として掲げ、オリンピックでひとまずは監督と協会との契約切れとなる事が多いためです。

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中垣内祐一、大竹秀之、青山繁のレジェンドが個人賞受賞した第1回大会

過去大会における日本人選手の個人賞受賞履歴もご紹介します。まずは男子から。

男子

1993年(第1回)
スパイク賞    中垣内祐一
ブロック賞    大竹秀之
ベスト6     青山繫

1997年(第2回)
個人賞受賞者無し

2001年(第3回)
ベストディガー  津曲勝利

2005年(第4回)
個人賞受賞者無し

2009年(第5回)
ベストスコアラー 清水邦広
ベストスパイカー 福澤達哉

2013年(第6回)
個人賞受賞者無し

2017年(第7回)
ベストリベロ   井出智

6大会中3大会は受賞該当選手無しという結果に終わっていますが、現日本代表監督でスーパーエースの中垣内祐一や大型センターの大竹秀之、テクニシャン青山繁、名リベロの津曲勝利など懐かしい名前も見受けられますね。

2009年大会では清水邦広がベストスコアラー賞、福澤達哉がベストスパイカー賞に輝き、日本の将来を背負って立つといわれた同級生コンビが大躍進しました。これからも日本を代表する選手がこのグラチャンで歴史を作って欲しいですね。

迫田さおりのウイングスパイカー賞受賞は日本バレー史に残る快挙

日本人女子選手の個人賞受領履歴もご紹介します。

女子

1993年(第1回)
ブロック賞     多治見麻子

1997年(第2回)
ベストレシーブ賞  津雲博子

2001年(第3回)
ベストサーバー   高橋みゆき

2005年(第4回)
ベストディガー   櫻井由香

2009年(第5回)
ベストセッター   竹下佳江

2013年(第6回)
ウイングスパイカー 迫田さおり
ベストセッター   中道瞳
ベストリベロ    佐藤あり紗
ベストサーバー   木村沙織

2017年(第7回)
ベストセッター   冨永こよみ
ベストリベロ    井上琴絵

女子の方は全6大会で最低1つは個人賞を受賞しています。セッターやサーバー、さらにはリベロやディグといったレシーブ系の受賞が多い中での前回大会での迫田さおり選手のウイングスパイカー賞は特筆すべき快挙といっていいでしょう。なんといっても世界の名だたる大砲、ウイングスパイカーの選手たちを抑えての受賞ですからね。

この女子も多治見麻子や竹下佳江、高橋みゆきに木村沙織・・日本を代表するレジェンド級の選手が各賞を受賞しています。

男子のグラチャン歴代MVP セルビアの英雄・ミリュコビッチらビッグネームも

最後に各大会の男女最優秀選手賞(MVP)をご紹介しましょう。まずは男子から。

歴代男子最優秀選手賞(MVP)

開催年  選手名(国名) 

1993 パオロ・トフォリ(イタリア)
1997 ナウベルチ・ビテンクール(ブラジル)
2001 イヴァン・ミリュコヴィッチ(セルビア)
2005 アンドレ・ナシメント(ブラジル)
2009 ロベルランディ・シモン(キューバ)
2013 ドミトリー・ムセルスキー(ロシア)
2017 リカルド・ルカレッリ・ソウザ(ブラジル)

凄いメンバーですね。イタリアのトフォリとかブラジルのビテンクールとか懐かしの名選手が並んでますね。個人的に大好きだったミリュコビッチもMVP取ってたんですね(汗)。シドニーでグルビッチ兄弟やゲリッチたちとともに金メダル獲得メンバーとなった世界的スーパーエースです。本当に全盛期は凄かったですよね。

女子のグラチャン歴代MVP シェイラ、ファビアナのブラジル勢に美人選手・アルタモノワも

続いては女子の歴代MVPにまいりましょう。

歴代女子最優秀選手賞(MVP)

開催年  選手名(国名)   

1993 レグラ・ベル(キューバ)
1997 エフゲーニャ・アルタモノワ(ロシア)
2001 楊昊(ようこう/中国)
2005 シェイラ・カストロ(ブラジル)
2009 シモーナ・ジョーリ(イタリア)
2013 ファビアナ・クラウジノ(ブラジル)
2017 朱婷(しゅてい/中国)

こちらも凄いですね。シェイラやファビアナといったブラジルメンバーは日本でもお馴染みですね。ブラジル黄金期を支えたオポジットとミドルブロッカーです。アルタモノワも懐かしいですね。ガモワが台頭する前のロシアの大砲です。美人で日本でも人気があった選手です。

各大陸王者が集まり少数精鋭のレベルの高い戦いが続くグラチャン

どうでしょうか、グラチャンの歴史。

ネットなどでは大会自体の存在意義など色々と言われる事の多い大会なのは事実なのですが、こうやって見てみると何だかんだでやはりレベルの高い大会だったのだと思いますね。開催国枠の日本とFIVB推薦国は別として、その他の4か国はれっきとした各大陸選手権チャンピオンが参戦してくるのですからそれだけで当然レベルは最高クラスとなります。日本にとっては確実に勝てる相手(というか格下チーム)がいないという意味においては、三大大会よりも難易度は高いといってもいいかもしれません。

とにかく選りすぐられた世界の強豪国との総当たりリーグ戦というバレーファンにはたまらないカードばかりがズラリと並ぶグラチャン。楽しみ方は人それぞれですが素晴らしいコンテンツであることは間違いないとわたしは思いますね。

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