日本のロシアワールドカップ最終予選の初戦UAE戦は1-2の敗戦という最悪のスタートとなってしまいました。
アジアカップで苦杯をなめたUAEに対して、アジアカップ以上に大切なこの最終予選初戦での痛い敗戦。
しかしこの負けを引きずる事なく4日後にはアウェーでのタイ戦が控えています。
しっかりと敗因を分析し、次につなげていかなければなりません。ここでは試合を振り返るとともに、敗因や課題、そして次戦に向けての修正点などを考えていきたいと思います。
日本対UAE戦の試合結果
試合の入り方としては、日本は非常に良かったと思います。
リスクを冒さずに攻めながら、しっかりと相手守備を崩せていました。前半11分に清武のフリーキックから本田のヘッドで先取点を入れたシーンも、相手ファーサイドががら空きになるというデータ通りの得点であり、あの先取点の時点で選手はいけると確信したはずです。
ところが、前半19分にカウンターからセンターバックの森重が交わされて大ピンチを招き、吉田麻也がカバーして止めたプレーがファウルを取られました。ゴール真正面からの絶好のフリーキックを決められて同点に追いつかれます。少し逆を突かれた分、キーパーの西川周作は反応が遅れ、パンチングしたものの防ぎきれずにゴールを許してしまいました。
前半はこのまま1-1で終了。
後半も日本がボールを支配するものの、前半のようにワンタッチ、ツータッチの攻撃は影を潜め、ボールを持たされるという時間帯が続きました。そして後半9分、UAEにペナルティエリア内への侵入を許すと、アルハンマディがPA内でボールをキープ。日本は3人がかりでファウルをしないよう奪いに行くが、アルハンマディが縦に抜けようとしたところを大島僚太が足を引っ掛けてしまい、ファウル。相手にPKを与えてしまいます。これをハリルがチップキックで中央に決めてUAEが勝ち越し。日本は1-2とリードを許します。
その後日本は宇佐美貴史、浅野拓磨、原口元気と、攻撃的選手を立て続けに投入しますが、ゴール前を固めるUAEの守備を崩せず、結局1-2のままタイムアップ。勝ち点を挙げる事が出来ませんでした。
ボール支配率、シュート数などスタッツでは圧倒しながらも敗戦を喫した日本代表。あまりにも痛すぎる負けとなりました。
ワールドカップ本戦出場の可能性無し?絶望するにはまだ早すぎる
日本がワールドカップに初出場した1998フランスワールドカップ予選以来、アジアの代表で初戦黒星発進のチームは1チームたりともいません。それほど初戦を落とすという事は痛いという事です。
つまりデータ的にはこれで日本のワールドカップ出場の可能性はデータ上は0%という事になったわけです。
しかしもちろん悲観はしていません。UAEは確かに日本に勝ちましたが、恐らくオーストラリア、サウジアラビア、イラク、タイといった他の国に対して圧倒的な強さで勝ち上がれるかと言われればそうとも思えません。日本がUAEに敗れた事で混戦模様になるのは間違いありません。突破に関しての勝ち点は間違いなく下がる事となるでしょう。わたしの予想では2位通過で17~18くらいまで落ちるのではと予想します。
仮にボーダーラインが20だったとしても、残り試合を6勝1敗2分で行けばいいという事です。逆に考えれば、あと1つ負けれるという事です。
このグループで突っ走って勝てるだけの国は日本以外ではいません。混戦にはなるでしょうが、絶望するにはまだまだ早すぎますね。とにかくこの後の試合は勝ち点3を取りに行くという姿勢が大事です。
引き分けの試合を勝ちに持っていくという事でこの初戦の敗戦はいくらでも取り戻せます。
宇佐美へのファウル、浅野の明らかなゴールが認められないあまりにも不可解なレフェリング
この試合ですが、まず審判については触れないわけにはいかないでしょう。
この試合の審判はカタールの審判団がレフェリングしました。これが本当に酷かったんです。試合後にハリルホジッチも言っていましたし、NHKBS-1で解説していた木村和司氏も中継中に言及していました。
この審判おかしいぞという場面は前半に日本が先制した直後から見られていました。日本が本田のゴールで先制した直後に、スローイングを執拗に邪魔しようとした相手を押した酒井宏樹にイエローカードが出され、失点につながるファウルを冒した吉田麻也にもイエローが出されました。
この時点で、明らかにこの審判はおかしいという気配は漂っていました。まるで日本はUAEホームのアウェー戦を戦っているかのようなレフェリングでしたね。解説者もこの審判のカード判定には注意しなければならないと警告していました。
その後も明らかなUAEのファウルは取らず、場合によっては明らかなUAEファウルが日本選手のファウルとされてしまう始末。
そして後半20分過ぎ、左サイドでボールを受けた宇佐美がドリブルで中へカットイン。対応した相手DFを抜こうとしたその瞬間、相手選手は明らかにすり抜けようとした宇佐美の体を押して倒します。明らかにペナルティエリアの中でのプレーであり、ファウルであれば日本のPK獲得となる場面です。しかしノーファウル。これにはたまらずハリルホジッチもピッチ間際でカタール人主審に詰め寄ります。
極め付きは後半32分。右サイドをえぐった酒井宏樹のクロスを本田が頭で折り返し、そのボールに途中出場の浅野拓磨が合わせます。シュートは相手キーパーが何とか弾き出しましたが、キーパーがはじいた時には明らかにゴールラインを割っていました。これはスローで見れば明らかですが、完全にゴールラインを割っています。つまり、日本のゴールなのです。
しかしこのプレーについてもノーゴール。日本の得点は認められませんでした。
試合後、キャプテンの長谷部や吉田麻也はカタール人審判に詰め寄ったほどに酷いレフェリングでした。
審判のレベルでは断じてない!明らかな強くて醜い日本への悪意
明らかに日本にホーム戦の恩恵など無く、スーパーアウェーでの戦いのようでした。本当にこんなに酷い審判を見たのは2002日韓ワールドカップ以来ですね。あ、ジーコの時のアジアカップ以来か(笑)。まあどっちでもいいけど、とにかく後味の悪い試合でしたね。
試合後のネットでは案の定、審判に対する批判が噴出。中には明らかに買収されているのでは??という意見も多くみられました。
さすがに日本のホームでそれは無いだろうと信じたいのですが、そう思わなければ納得がいかないというほどに不可解なジャッジングであった事は間違いありません。
以前からアジア人審判のレベルの低さは目に余るものがありましたが、今日の試合を裁いたカタール主審の笛はレベルが低いといった類のものでは断じてなかったように思えます。何かしらの悪意が込められていたとしかわたしには思えません。もちろん日本に対する悪意です。
何年か前にハンドボールの試合で世間を賑わせた「中東の笛」。その中東の笛を思い起こさせる今日の審判のレフェリングでしたね。まさか日本での試合で中東の笛が炸裂するとはね・・(苦笑)
とにかくこの試合に関してはJFLは断固とした態度で提訴すべきです。試合の勝敗がひっくり返る事はありませんが、このような理不尽が今後起こらないようにするためにも毅然とした対応を取るべきです。
中には試合に負けて審判のせいにするなんて見苦しいという意見もあるかもしれませんが、審判のせいとかというレベルではありません。明らかな誤審なのです。それも1つではありません。試合全体を支配していたのは明らかに試合の勝敗を左右してやるんだという強くて醜い悪意です。
もちろんその悪意に負けてしまった日本の力不足という事は攻められて然るべきでしょう。ただし、それとこの不可解なレフェリングを放置する事とは全くの別問題です。放置すればまた同じ事が起きるという事ですから。
清武の交代でいなくなったプレースキッカー セットプレーでの得点チャンスを自ら潰した選手交代
すみません、少し熱くなってしまいましたね(苦笑)。
では、この試合における反省点に参りましょう。
まずは選手交代ですね。リードされた後半17分にハリルホジッチは最初の交代カードを切りました。宇佐美貴史の投入です。
ペナルティエリア内を固めるUAEに対して攻め手を欠いていた状態でしたので、ドリブルで仕掛けられる宇佐美を入れた意図は十分に分かりますし、正解だったと思います。
ただし!宇佐美と交代でピッチを去ったのは清武弘嗣でした。これは全く納得できません。
清武はワンタッチ、ツータッチで攻撃によく絡んでいましたし、何よりも正確なプレースキッカーとしてコーナーやフリーキックで素晴らしいボールを供給していました。実際に先制点も清武のフリーキックから生まれたものです。
交代要員が清武だと知った時には思わず画面に向かって「おい!!!!!」と叫んで娘をびっくりさせてしまいました(苦笑)。案の定、清武交代後に数限りなくあったコーナーキックやフリーキックは全く得点の匂いの感じられないものばかり。もともと以前の日本は流れの中よりもキッカーの精度の高いセットプレーからの得点が多いチームでした。清武が退いた後は、意地でも流れの中から点を取るしか選択肢が無くなったのです。
つまり、清武を代えてしまったという事は、日本は自ら得点パターンを放棄したに等しい愚策であったとさえいえると思います。
宇佐美投入は大正解です。宇佐美は仕掛けられる選手なのでファウルも貰えますから。ただし、代えるのは清武ではなく香川真司でしょう。明らかに香川は前半途中から中央で消えていました。
あの清武OUTは、反撃の選択肢を限りなく狭めてしまったハリルホジッチの采配ミスだったと思いますね。
ともにシャドーストライカーである岡崎慎司と香川真司を縦に並べるのはどうなの?
この大一番で長谷部とボランチを組んだ大島僚太は、決勝点となるPKを与えてしまいましたが、プレー全般においては及第点をあげられる出来だったと思います。
不安視された守備もしっかり攻撃の芽を摘めていましたし、ディレイやカバーリングなどもそつなくこなしていました。連携も十分取れていましたね。欲を言えば、浅野拓磨と同じピッチにいる時間帯がもう少し長ければと思いました。浅野と大島の息はピッタリで、このホットラインはこれからの日本代表の重要な得点パターンになりそうでした。それが確認できたのは大きな収穫だったと思いますね。
出来がイマイチだったのが岡崎慎司と香川真司。
やはりこれまでこのサイトで言ってきたように、岡崎慎司にワントップは合わないと再認識せざるを得ませんでした。やはりこの選手はセカンドストライカータイプ(シャドーストライカー)です。もしくはサイドですね。香川真司も本質は同じタイプです。ドルトムントではインサイドハーフをこなしたりしていますが、香川の最も得意なプレーはシャドーストライカーの役割です。トップ下と言っても、中央で受けてパスを出したりミドルを狙ったりするタイプではなく、トップの選手が動いて出来たスペースに走り込んだりするシャドーストライカータイプのトップ下です。
二人とも一番の持ち味は裏へ抜ける動きと二列目からの飛び出しなのです。
岡崎と香川を縦に並べたら同じセカンドストライカータイプが並ぶこととなるので、お互いの良さが発揮できないのです。以前から代表で香川トップ下が機能しないのはこのような理由が一番であるとわたしは思います。岡崎を生かそうと思えばトップ下を代えるべきですし、香川をトップ下で生かそうとするのであれば、ワントップを代えるべきです。
このフォーメーションで香川と岡崎が共存するのは非常に厳しいと思います。
次戦ではフォメ変更してもらいたいと思いますね。わたしの希望はワントップに本田、トップ下に香川、左サイドに清武、右サイドに原口。若しくはワントップに岡崎、トップ下に本田、左宇佐美で右清武ですね。
DMFと最終ラインはこのままでいいと思います。
次戦はそれこそテレビ朝日が煽っているように、本当の絶対に負けられない戦いとなります。しっかり修正して気持ちを整理して臨んでもらいたいですね。
コメント
吉田のUAE戦の失点FKファウル
足が掛かっていたのかは微妙です。
しかし直後にUAE選手のユニフォームを引っ張り損ね、
さりげなくバランスを崩させる様にUAE選手の肘を掴んで転ばせています。
イエローは微妙ですが、ファウルは当然のプレイでした。