8月から始まるリオオリンピック。
そこでメキシコ五輪以来48年ぶりのメダル獲得を目指す23歳以下のサッカー日本代表選手たち。
今回はそんな日本代表選手たちの中でもディフェンダーとゴールキーパーの選手たちをご紹介したいと思います。
オーバーエイジ枠の選手たちについてはこちらの記事をご覧ください。
サッカー五輪代表OA(オーヴァーエイジ)3選手は塩谷司、藤春廣輝、興梠慎三に決定!地味?それとも堅実?
櫛引政敏(くしびきまさとし)背番号:1 所属:鹿島アントラーズ
生年月日 :1993年1月29日生まれの23歳
出 身 地:青森県青森市
身 長:186cm
体 重:82kg
効 き 足:右足
出 身 校:青森山田高校
所属チーム:鹿島アントラーズ(J1)
ポジション:ゴールキーパー
反射神経に優れ、セービング能力に定評のあるクラシックなゴールキーパー
U-23アジア選手権(オリンピックアジア最終予選)では神がかり的なスーパーセーブを連発し、何度となく日本を危機から救ったその姿はまさに守護神と呼ぶにふさわしいものでしたね。
この櫛引政敏選手は、本当にスケールの大きさを感じさせてくれる選手です。
もちろんまだまだ粗削りな部分も目立ちますし、フィードやハイボールなど課題も見られますが、それを差し引いても非常に楽しみな存在です。
ゴールキーパーにも色々なタイプがいます。足元が上手いキーパー、フィード能力があってビルドアップの起点になれるキーパー、反応の良さでセーブに秀でたキーパー、最終ラインの裏のスペースもカバーできる守備範囲の広いキーパーなどなど。
もちろんどれも大切な要素であり、特に近代サッカーにおいてはフィード能力や守備範囲の広さ、足元の技術が昔に比べて求められる傾向があります。
しかし、キーパーは得点を防いでなんぼ!!ってのが基本です。そういう意味でこの櫛引選手には無限の可能性を感じるのです。
とにかく反射神経が素晴らしく、反応が早いのが一番の特徴です。やはりこれがキーパーにとって最も大事な要素です。PK戦などでは最も頼りになるキーパーですね。
日本代表で言うと、川島永嗣選手に近いでしょうか。世界的に見れば、タイプ的には「赤鬼」の異名をとった往年のマンチェスター・ユナイテッドの名ゴールキーパー、ピーター・シュマイケル(デンマーク)タイプですかね。レスターのシュマイケルのお父さんです。
川口能活選手にも似た爆発力も感じるキーパーですね。無双状態に入ったらどんなシュートも止めてしまうって感じの。ただし時々ポカもあるというところもね(笑)。しかしジャイアントキリングを起こしてくれそうな予感を感じさせる選手。そんなところも含めて非常に将来が楽しみなキーパーなのです。
中村航輔(なかむらこうすけ)背番号:12 所属:柏レイソル
生年月日 :1995年2月27日生まれの21歳
出 身 地:東京都北区
身 長:182cm
体 重:74kg
効 き 足:右足
出 身 校:柏日体高校
所属チーム:柏レイソル(J1)
ポジション:ゴールキーパー
足元の技術と正確なキックが魅力の現代的ゴールキーパー
櫛引選手と熾烈な正ゴールキーパー争いを続けているのがこの中村航輔選手です。
9歳から柏レイソルの下部組織でプレーしており、アンダーカテゴリーでは国際経験豊富で素晴らしい実績を残してきた期待のゴールキーパーです。順調にキャリアアップを果たしており、正に期待通りの成長を続けている選手ですね。
オリンピック代表ではライバルの櫛引選手に一歩遅れを取っている感はありますが、櫛引選手とこの中村選手は全くタイプの違うゴールキーパーと言ってもいいです。正ゴールキーパーの座は最後の最後まで予断を許さないと断言します。
櫛引選手の武器が反射神経の鋭さを生かしたセーブ力なのに対して、この中村選手の最も大きな武器は足元の技術。その巧さはフィールドプレーヤーも顔負けといってもいいほどです。
フィードも正確で、確実にカウンターの起点になれる精度を誇っています。
近代サッカーのゴールキーパー像の理想形とも言うべき選手なのです。
最終予選では櫛引選手にレギュラーの座を奪われた中村選手。さぞかし悔しい思いをした事でしょう。しかし反撃の余地は十分に残されています。正直言って櫛引選手と中村選手の実力差は全くないと思います。求めるゴールキーパー像の違いだけ、つまり起用する監督の好みと戦術上の関係だけだと思いますね。
クラシックなGK像の櫛引か、それともモダンサッカーのGK像の中村か?
この熱い戦いにも要注目かもしれませんね。
植田直通(うえだなおみち)背番号:5 所属:鹿島アントラーズ
生年月日 :1994年10月24日生まれの21歳
出 身 地:熊本県宇土市
身 長:186cm
体 重:77kg
効 き 足:右足
出 身 校:大津高校
所属チーム:鹿島アントラーズ(J1)
ポジション:ディフェンダー(センターバック)
手倉森ジャパンで最も代えの効かない守備の大黒柱・植田直通
最終ラインで敵の攻撃を跳ね返し続ける日本代表不動のセンターバックがこの植田直通選手です。
もはやU-23日本代表の顔と言ってもいいプレーヤーですね。手倉森ジャパンの信条はその守備の堅固さにあります。まずは守備ブロックをしっかり固めるというのが基本戦術です。従ってポゼッションには拘りません。当然相手の時間帯が多くなり、押し込まれる時間も長くなります。
しかし決してゴールは割らせない。それは最終ラインの中央にこの植田選手がいるというのが非常に大きいです。さらにその強さと高さから、コーナーキックなどのセットプレーでの得点能力としても重要な得点源として欠かせない選手です。
とにかく1対1に強く、フィジカルも日本人離れしている日本待望の大型センターバックです。恐らくリオ五輪が終わってこのチームが解散となったらハリルホジッチ率いるフル代表にも呼ばれるのは間違いないと思います。
フル代表不動のセンターバックである吉田麻也とコンビを組めば、非常に強くてタフな最終ラインとなります。森重や槇野もうかうかしてられなくなりそうです。
とにかく絶対に怪我をしてもらっては困る選手です。いわゆる「代えの効かない選手」というやつですね。全員サッカーを標榜して誰が抜けて誰が入っても一定のクオリティを保つチームを作り上げてきた手倉森監督ですが、あえて最も抜けてはならない選手を選ぶのであれば、間違いなくこの植田直通でしょう。
熊本大地震で地元・熊本が被災し、インタビューで涙を浮かべながら故郷を思いやった植田選手。その故郷を勇気づけるためにもリオでの大一番での奮闘を期待しましょう。
岩波拓也(いわなみたくや)背番号:17 所属:ヴィッセル神戸
生年月日 :1994年6月18日生まれの22歳
出 身 地:兵庫県神戸市
身 長:186cm
体 重:72kg
効 き 足:右足
出 身 校:第一学院高校
所属チーム:ヴィッセル神戸(J1)
ポジション:ディフェンダー(センターバック)
植田選手とともに最終予選でセンターバックとして日本の最終ラインを統率した守備の要、岩波拓也選手です。
最終予選後に骨折し、リオ代表入りが危ぶまれていましたが何とか間に合いましたね。
最終予選の大会前に全員での寄せ書きを企画し、チームの結束を高めるなど、このチームに対する思い入れは誰よりも強い故に代表入りは嬉しかったことでしょう。
植田選手、岩波選手とともにU23日本代表のセンターバックとして最終ラインでコンビを組んできたライバル・奈良選手はケガのために無念の落選となってしまいました。無念の奈良選手の分も是非岩波選手には頑張って欲しいですね。
岩波選手の大きな特徴といえば、186cmの体格ながらも足元の技術に優れ、精度の高いキックを蹴れる事です。対人に強く、空中戦に絶対の自信を見せる植田選手とはまさに最良のコンビと言えるでしょう。
リオ五輪本番では不詳離脱した奈良選手の代わりにオーバーエイジ枠でサンフレッチェ広島の塩谷司選手がセンターバック陣に加わります。どのような組合せになるかはわかりませんが、岩波選手にとっては良い刺激になる事は間違いありません。
神戸生まれの神戸育ち、そして現在はヴィッセル神戸に所属する生粋の神戸っ子。神戸のファンの夢を乗せてリオで躍動してほしいですね。
室屋成(むろやせい)背番号:2 所属:FC東京
生年月日 :1994年4月5日生まれの22歳
出 身 地:大阪府泉南郡熊取町
身 長:174cm
体 重:65kg
効 き 足:右足
出 身 校:明治大学(在学中)
所属チーム:FC東京(J1)
ポジション:ディフェンダー(サイドバック)
明治大学の先輩・長友佑都を凌駕する可能性を秘めた万能型サイドバック
明治大学在学中の大学生でありながらFC東京に所属し、大学生とJリーガーという二足の草鞋で奮闘しているのがこの室屋成選手です。
とにかくその運動量の多さは特筆ものであり、両チームの選手が苦しい時間帯で足が止まり気味の時でも精力的にサイドのアップダウンを繰り返し、守備に攻撃にとチームに貢献します。わたしはリオ五輪を決めた1月のリオ五輪最終予選の影のMVPはこの室屋成だと思っています。
さらにこの室屋成選手は左右どちらのサイドバックも高レベルでこなせるのもチームにとっては非常に大きいと言えますね。
ところでここまで室屋選手の特徴を書いてきましたが、何か気づきませんか?
明治大学サッカー部、FC東京所属、無尽蔵のスタミナを誇るサイドバック、さらに左右両サイドバックどちらでもできる・・
そうです。イタリアセリエA・インテル所属の長友佑都選手との共通点の多さですね。実際、この室屋選手は一部で「長友二世」とも呼ばれています(室屋選手本人はタイプが違うと言っていますが)。
リオのピッチでサイドを駆け上がる室屋選手の姿が見られるのはもうすぐです。そしてその先には先輩・長友選手と同じく日本代表の顔、そして海外移籍なども当然視野に入れるべき選手ですね。層の厚い日本のサイドバックの中でも攻守のバランスの取れた素晴らしいDFです。
亀川諒史(かめかわまさし)背番号:15 所属:アビスパ福岡
生年月日 :1993年5月28日生まれの23歳
出 身 地:大阪府箕面市
身 長:176cm
体 重:64kg
効 き 足:右足
出 身 校:帝京第三高校
所属チーム:アビスパ福岡(J1)
ポジション:ディフェンダー(サイドバック)
室屋成選手とともにチーム結成以来、U-23チームのサイドバックとして安定した活躍を続けてきたのが亀川諒史選手です。
ケガに苦しむことの多かった亀川選手ですが、リオオリンピック本番を前にしてようやく間に合ったという感じですね。
この亀川選手も室屋選手と同じく、左右どちらのサイドバックも出来るサイドバックのスペシャリストです。
湘南ベルマーレに所属していた亀川選手は、2015シーズンにレンタル移籍でアビスパ福岡へ活躍の場を移す事になりますが、そこで出会ったのが日本代表のレジェンド・井原正巳監督。ディフェンスのスペシャリストから直接の指導を受けた亀川選手はアビスパで不動のレギュラーとして活躍し、アビスパのJ1昇格に大きく貢献しました。
コメント