いよいよ始まったロシアワールドカップアジア最終予選。
日本は開幕戦のホームUAE戦でまさかの敗戦を喫しましたが、2戦目のアウェータイ戦は勝利し、2戦を終えて1勝1敗の勝ち点3でグループBの3位というスタートとなりました。
10月にはホームでのイラク戦、アウェーでグループBで日本の最大のライバルとなるであろうオーストラリアとの連戦が控えており、早くも大一番を迎える事となります。
このタイミングで大きなニュースが飛び込んできました。
リオ五輪監督の手倉森誠、アギーレジャパン以来のA代表コーチへの復帰
大きなニュースと言うのがコチラ。
手倉森氏、日本代表コーチ復帰へ「A代表でやるという決心が芽生えた」
リオオリンピックのU-23サッカー日本代表監督を務めた手倉森誠氏がハリルホジッチの率いるA代表のコーチに就任する事になったというニュースです。
とはいっても、サッカー日本A代表のコーチとなったのはこれが初めてではなく、2014年8月から2015年2月の半年間務めていた時期があり、厳密に言えば日本代表コーチ復帰という事になります。
手倉森誠氏がA代表コーチだったのは現監督のバヒド・ハリルホジッチの前任のハビエル・アギーレ監督の時であり、アギーレ監督が就任からわずか半年で契約解除されたタイミングで手倉森誠コーチも日本代表から退いたという事ですね。
しかし手倉森コーチの場合、日本代表コーチに就任する前の2014年1月から日本代表のアンダーカテゴリーである五輪代表監督を務めており、日本代表コーチを退任後は五輪代表監督に専念していたという側面が大きいですね。
そしてリオオリンピックが終わり、五輪代表監督としての肩書が無くなった事によってA代表のコーチに復帰したという事でしょう。
フランスワールドカップでの加茂周更迭、岡田武史監督就任の再現?
ネットなどの一部メディアでは一連のこの動きについて、こう見る向きも少なくありません。
「いきなり初戦のUAE戦に負け、2戦目の格下・タイ戦でも2得点しか取れなかったハリルホジッチが最終予選中に解任された時に備えての次期代表監督候補人事だ」
確かにこの説には説得力があります。
このパターンで思い出されると言えば、フランスワールドカップアジア予選真っ只中の加茂周監督解任、岡田武史コーチの代理監督就任の流れでしょう。
加茂ジャパンのコーチだった岡田監督は、結局敗退濃厚だったアジア予選を勝ち上がり、フランスワールドカップ出場を決めました。
ハリルホジッチ監督のいきなりのUAE戦敗戦は、日本サッカー協会にとってはフランスワールドカップ時の加茂周監督更迭を思い出させるのに十分なほどのインパクトだったでしょう。なにせ最終予選の黒星スタートは日本がワールドカップ出場を果たしてから初めての事です。さらに、フランスワールドカップ以降、アジア最終予選の初戦に敗れたチームの予選敗退率が100%という不吉なデータもそのインパクトを後押ししていました。日本サッカー協会が不測の事態に備えて手倉森監督をスタッフに入れたと考えても何も不思議はないでしょう。
あのフランスワールドカップ予選での衝撃的な展開を知っているファンにしてみると、加茂→岡田の流れがハリル→手倉森の流れにフラッシュバックしてくるのも当然と言えますね。
UAE戦の負けの前から決まっていた日本人コーチの入閣
確かにロシアW杯初戦のUAE戦を落とし、タイ戦でも圧倒的に攻め込みながら2点差勝利という微妙な試合をした後のこの手倉森コーチ誕生の話だけに、「ハリル解任→手倉森コーチの監督昇格」への布石をサッカー協会が取ったようにも思えるこの話。
しかしどうもそうではなさそうです。
というのも、アジア最終予選が開始される前から日本人コーチ入閣の話は出ていたからです。
このように、最終予選の初戦である9月1日のUAE戦よりさかのぼる事5日前には、ハリルホジッチ監督自身が日本人コーチを入閣させようと協会に要請していたのです。
つまり、手倉森コーチの話はUAE戦の敗戦とは何の関係もないという事です。
解任危機はまだ続く?10月のイラク戦で負ければハリルホジッチ更迭も?
最終予選初戦負けとは関係なく進んでいた、手倉森誠氏のA代表コーチ就任。
しかしハリルホジッチ監督が最終予選中に辞任、あるいは更迭となった場合、ほぼ間違いなく手倉森誠コーチが監督に就任する事になるでしょう。
最終予選の真っ只中で全くチームと関係の無い監督を新監督に迎えるというのは相当なリスクを抱えてしまいます。すでに予選敗退が決定したのであれば、新規招集でもいいのでしょうが、まだ可能性を残している状態であれば、素直に考えればチームの内情を把握できているコーチからの内部昇格と言うのが無難でしょう。
そして、ハリルホジッチ監督はタイ戦での勝利によってとりあえずの解任危機は脱したと言われていますが、わたしはそうは思いません。
10月のホームでのイラク戦に敗れるようなことがあったら再び解任騒動が勃発する事は間違いないでしょう。個人的にはオーストラリア戦の前に解任される可能性もかなりあるのではないかと思います。
さらに例えば、イラク戦に引き分け、次のアウェーでのオーストラリア戦で負け、などと言うパターンでも解任可能性はかなり高くなると思います。
10月のイラク戦とオーストラリア戦の2連戦で勝ち点1以下だった場合は、協会はハリルとの契約を解除し、手倉森誠コーチを監督へと昇格させる事になると予想します。
まだまだハリルホジッチの綱渡りは続いていくという事ですね。そして手倉森誠コーチは万が一の時の命綱であるという事でしょうか。
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