サッカー五輪代表OA(オーヴァーエイジ)3選手は塩谷司、藤春廣輝、興梠慎三に決定!地味?それとも堅実?

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今年1月に行われたサッカーオリンピックアジア最終予選で見事全勝優勝を果たし、リオオリンピックへの出場権を手に入れた日本男子サッカーU23代表。

その後、サッカーオリンピック代表の大きな焦点は、本番のリオ五輪で24歳以上のオーバーエイジ選手を使用するかどうか、オーバーエイジを使うとすればどのような選手を使うのか?という点でした。

サッカーのオリンピック代表は、基本は23歳以下の選手でチームを編成するのですが、特例として年齢24歳以上の選手を3選手までチームに入れる事が出来ます。しかしこれは任意の権利であり、必ず行使しなければならない義務ではありません。使いたくなければ、全て23歳以下の選手でもいいのです。

そういう意味でも注目されたサッカー五輪代表のオーバーエイジ選手ですが、ようやく結論が出たようです。

以下、それぞれの選手について見ていきましょう。

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塩谷司(しおたにつかさ)背番号:6 所属:サンフレッチェ広島

生年月日 :1988年12月5日生まれの27歳
出   身:徳島県小松島市
出 身 校:国士舘大学
身   長:182cm
体   重:80kg
効 き 足:右足
ポジション:ディフェンダー
所   属:サンフレッチェ広島

可変3バックシステムの核である塩谷は3バック、4バックどちらでもこなせるユーティリティプレーヤー

いやあ、さすが手倉森監督、渋い選手を持ってきましたね。個人的には大好きな選手ですね。

変則の可変3バックシステムでJリーグを制し、クラブワールドカップで3位になったサンフレッチェ広島の最終ラインを任されているのがこの塩谷司選手です。

と言われると、オリンピック代表の基本システムは4バックだけど大丈夫?と思う人もいるかもしれませんが、大丈夫です!(断言笑)。

サンフレッチェの最終ラインは通常3バックですが、マイボールの時にはボランチが一人最終ラインに吸収される形で4バックに近い形になります。逆に相手ボールの時には3バックの最終ラインに左右の両ウイングバックが加わって5バックに近い形になるのです。つまり、3バック(5バック)と4バックを使い分ける戦術です。これがサンフレッチェの可変システムです。

つーわけで、その可変システムの中心選手である塩谷選手はどちらにも対応可能というわけです。

実に実用的な選手です。彼が五輪代表に入る事によって、オプションであった3バックがより精度の高いものになる可能性が高いです。これは、恐らく五輪本番でも選手をターンオーバーしながら使う手倉森監督にとっては、使えるオプションが増えるという事にもなりますし、もちろんセンターバックとして即戦力を得たという事にもなります。

サイドバックに近い形で外に開くことも出来るこの塩谷司選手は、真ん中でもサイドでも間違いなく日本代表の守備陣の要となる事でしょうね。

正確なフィードで攻撃のビルドアップ能力が格段にアップ

もう一つ、この塩谷選手がチームに入る事の大きな恩恵は、正確なフィード能力。

元々がボランチの選手であった塩谷選手は、キックの精度が非常に高い事でも有名です。手倉森ジャパンの最大の欠点は攻撃の際のビルドアップです。最終ラインからの組み立てに難有りでした。しかし塩谷選手が入る事で、しっかり前線へ精度の高いボールを供給できる役割を果たす事が出来ます。最終ライン~中盤でのつなぎが今ひとつだった印象が否めなかった五輪最終予選を見て手倉森監督が出した結論は、

「最終ラインから前線への精度の高いフィードで手数をかけずに行くぞ!!」

という事であったという事です。

とにかく攻守において非常に大きな役割を担える選手ですね。

藤春廣輝(ふじはるひろき)背番号:4 所属:ガンバ大阪

生年月日 :1988年11月28日生まれの27歳
出   身:大阪府東大阪市
出 身 校:大阪体育大学
身   長:176cm
体   重:60kg
効 き 足:左足
ポジション:ディフェンダー
所   属:ガンバ大阪

爆発的なスピードを生かした突破力と正確無比なクロスが持ち味のサイドバック

OA枠の二人目は、ガンバ大阪に所属する左サイドバックの藤春廣輝選手です。

この藤春選手ですが、日本代表監督がハリルホジッチに代わって以降はフル代表の常連ともなっているため、一般的にも知名度の高い選手ですね。

所属するガンバ大阪では2014シーズンに史上2チーム目となる国内三冠(Jリーグ、天皇杯、ナビスコカップ)を達成。三冠シーズンではレギュラーポジションを奪われていましたが、昨シーズンからは定位置を確保、現在ではガンバ不動の左サイドバックです。

藤春選手の最大の武器はその突破力とスピード。サイドバックの選手としての攻撃力では国内でも屈指の存在です。運動量も豊富で、試合終盤になっても左サイドの上下動を絶え間なくこなし、相手チームの脅威となる選手です。

そのスピードで左サイドをえぐり、効き足である左足から精度の高いクロスをゴール前に供給するそのプレーは、ガンバの貴重な得点パターンの起点でもあります。攻撃に比べて守備が課題と以前から言われて来ましたが、現在では守備にも確実性を見せており、今最も充実している時期だといえるかもしれません。

スタミナが求められる近代サッカーのサイドバックは消耗も激しい

今回のリオ五輪日本代表チームに限らず、近代サッカーにおいて、サイドバックの選手の運動量の多さは既に当然となっていますね。逆に言うと、運動量の無いサイドバックは使い物にならないとも言えます。

それほど運動量を必要とされるサイドバックというポジションは、オリンピックやワールドカップのような、短期間で中2日、中3日を連続してこなさなければならない過酷な大会では人一倍消耗の激しいポジションとも言えます。

その意味ではサイドバックにオーバーエイジ枠を使用したというのも十分に理解できます。実際、前回のロンドン五輪でもFC東京のサイドバック・徳永悠平をオーバーエイジで起用し、大成功を収めていますからね。

スタミナがあり、現代表のサイドバックには無い世界レベルの攻撃力を持つ藤春選手の加入は手倉森ジャパンの新たなオプションとなる事は間違いないでしょう。フル代表で国際経験を積んでいるのも大きなプラスとなると思います。

オリンピックで持ち前の攻撃力をアピールすれば、フル代表のレギュラー奪取、さらには海外クラブへの移籍という可能性も開けるかもしれません。本人にとってもこれ以上ないチャンスでしょうね。

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興梠慎三(こおろきしんぞう)背番号:13 所属:浦和レッズ

生年月日 :1986年7月31日生まれの29歳
出   身:宮崎県宮崎市
出 身 校:鵬翔高校
身   長:175cm
体   重:72kg
効 き 足:右足
ポジション:フォワード
所   属:浦和レッズ

全てを高いレベルでこなせるオールラウンドなフォワード

塩谷選手、藤春選手が先にオリンピックOA選手に内定し、最後の三人目に決まったのが浦和レッズの興梠慎三選手です。

この選手も個人的に好きな選手ですね。

この興梠選手のわたしの印象は、オールラウンドなフォワードであるという事です。ワントップは勿論の事、1.5列目やサイドなども器用にこなせる選手であり、どのポジションで出場してもきっちりチーム戦術にフィットし、しっかりと仕事の出来るプロフェッショナルな選手ですね。

ただしその適応能力の高さゆえに、地味な印象を持たれるのが辛いところですね(涙)。今のレッズは勿論の事、以前所属していた鹿島アントラーズでもレギュラーとして活躍していたにもかかわらず、フル代表の経験が乏しいのはそんなところにも大いに関係があるのかもしれません。

ですが先にも言ったように、チームにとってはこれほどありがたい選手はいないというほどに貴重なプレーヤーです。

最前線でのポストプレーやディフェンダーを引きつけてスペースを作る囮役の動き、個人技での突破も最後のフィニッシャーもパスでの崩しも全てを高レベルでこなせる選手です。ぶっちゃけ、代表でレギュラー奪っても全然おかしくない選手だと思うんですけどね。

久保裕也、鈴木武蔵と競うフォワードの定位置争い、共存も可能

アジア最終予選でのオリンピック日本代表の基本システムは4-4-2でした。その後の大会では4-2-3-1システムも見られましたね。ワントップで行くのかツートップで行くのかは分かりませんが、興梠選手であればどちらにも問題なく適応できるでしょう。

久保裕也選手とツートップを組むか、久保選手とワントップでターンオーバーするか、という感じになるのかなと思いますね。鈴木武蔵選手がケガから完全に復調すれば、フォワードはこの三人で試合ごとに回すという感じになりそうですね。

どちらにせよ、手倉森ジャパンの真髄は全員サッカー。最前線の選手から厳しくプレスをかけていく戦術は、フォワードの選手の消耗を強います。その意味でも、主戦術、オプションどれであっても適応出来るオールラウンドな興梠選手は極めて活用度の高い選手であり、監督としては是非とも入れておきたいタイプの選手である事は想像に難くありません。

あとは本番までに、久保選手や鈴木選手、さらに2列目の中島選手、南野選手らとの連携を深められるかがカギです。

実力の割に地味な印象が拭えなかったこれまでの興梠選手ですが、このオリンピックという舞台でJファン以外にもその実力を思う存分に示してほしいですね。

名より実を取った選手選考 落選した選手の分も活躍を

いよいよオーバーエイジも決まってリオ五輪への緊張感が高まってきましたね。

ネットなどを見ると三人のオーバーエイジ選手が地味だという声もちらほら聞かれますが、確かにJリーグのファン以外から見ると地味かもしれませんね(苦笑)。海外組でもないですし、フル代表のレギュラーでもないですから。

しかし各選手の項で述べたように、実力は間違いない選手です。それぞれが今のオリンピック代表に足りない部分をしっかりと補ってくれるだけの選手です。

手倉森監督は名より実を取ったという感じですね。この人選を見ていると、チームとしての確固たるポリシーを感じます。そのチームに足りないピースを確実に埋められる選手を選んだという感じですね。

ともかく確実に言えることは、この三人がオーバーエイジで入ったという事は、これまでの選手から確実に三人は落選するという事です。リオへ行けない選手たちのためにもオーバーエイジの三人の選手たちには一層の活躍を期待したいですね。

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