12月10日に開幕したFIFAクラブワールドカップ2015も今日20日で閉幕します。あっという間ですね。
この記事を書いている段階で、3位決定戦が終わってサンフレッチェ広島の3位が確定し、残すはいよいよヨーロッパ王者のバルセロナと南米王者のリバープレートの決勝戦を残すのみとなりました。
サンフレッチェ広島は素晴らしいサッカーをしましたね。攻撃時の4バックと守備時の5バックを使い分ける、いわゆる「可変システム」が世界でも十分に通用する事を示してくれました。特に3決のアジア代表・広州恒大戦においては金満クラブ・広州をきっちり叩いてくれました。これは来年のACLにおいての他のJリーグのクラブにとっても大きな意義を持つ勝利と言ってもいいでしょう。
ブラジルの一流選手で前線を固め、さらにワールドカップ優勝監督のブラジル人、ルイス・フェリペ・スコラーリが率いる広州恒大。ACLではその膨大な資金力で集めた外国人選手・監督の力でガンバ大阪、柏レイソル、鹿島アントラーズといったJのチームをなぎ倒して優勝しました。
片やサンフレッチェは、資金力の乏しさから毎年のように中心選手を引き抜かれ、大物選手を獲得する事もなくやり繰りしながらそれでも勝ってきたチーム。外国人は必要最低限で、しかも世界的なビッグネームはいません。監督も日本人監督、元日本代表MFでサンフレッチェ広島OBの森保一監督です。
この対照的な両チーム。サンフレッチェがこの戦いを制した事はこれからACLでのアジア王者奪還を目指す日本のサッカー界に大きな希望を与えるものです。資金力に劣ってもしっかり育成をし、スカウティングの目を養い、優れた指導者が優れたサッカーを徹底させれば勝つことが出来るという事を示したのですから。本当に胸がスカッとしました。おめでとう、サンフレッチェ!!
あとは準決勝に続いて、再びバルセロナの美しいサッカーが見れるのか。それともリバープレートが南米の意地を見せるのか。メッシとネイマールは果たして出場してくるのか。あと1試合を存分に楽しむだけですね。
そうした試合への興味とは別に、個人的にもう一つ楽しみにしていることがあります。
それは、この大会のスペシャルサポーターになっている明石家さんまさんです。
2011年CWCにおける世界を騒がせたさんま・メッシ騒動
事は2011年にさかのぼります。
2011年のクラブワールドカップは今年と同じく、日本開催でヨーロッパ代表はバルセロナでした。
放映権は当然日テレ。当時もさんまさんはスペシャルサポーターとしてこの大会中の試合前・試合後のスタジオトークなどを盛り上げていました。
事件が起こったのはバルセロナが優勝を果たした決勝戦後のスタジオです。優勝を決めてピッチで喜びを爆発させるバルセロナの選手たち。その中からスーパースターである、リオネル・メッシが競技場内に設置された日テレの特設スタジオに連れてこられたのです。
心なしかちょっと不機嫌気味に見えたメッシに対して、明石家さんまさんが質問する事になりました。そして質問した内容が
「サッカーの事はいつも聞かれてるやろうから・・・老後はどうしはるんでっか?」
と聞いたのです。
通訳を通して質問の内容を聞いたメッシは少し怪訝そうな表情を浮かべた後、一言
「引退するのはまだ先の話だからゆっくり考えるよ」
とだけ言い残し、グラウンドに戻っていってしまったのです。
メッシが去った後のスタジオの微妙な空気はいまだによく覚えています。それくらいメッシのスタジオ退場は想定外だったと思われます。
そして後日、そのさんまさんのインタビューが世界で話題になったのです。「日本のコメディアンがメッシに失礼過ぎる質問!!」などと、そのインタビュー映像が動画サイトなどでも拡散されて世界中が知る事となったのです。
そして今年は日本開催でバルセロナが出場、さらにさんまさんがスペシャルサポーターを務めるという条件が2011年とピッタリ重なってしまったのです。注目するしかないじゃないですか(笑)
本当にサッカーを愛している明石家さんま
この騒動ですが、サッカーに対して愛着の無いサッカー素人のような芸人がした質問であれば、わたしも不快な気持ちになったかもしれません。しかし、さんまさんに対する怒りとか不快感は感じませんでした。
それは、さんまさんがサッカーを本当に愛しているというのを知っているからです。
海外・特にヨーロッパサッカーが大好きで、その知識をひけらかすわけでもないさんまさんのサッカーに対する愛情はテレビ画面を通して嫌というほど伝わってくるからです。
確かに、香川真司がドイツのドルトムントからイングランドの超名門・マンチェスター・ユナイテッドへの移籍が決まった時も
「本当は日本人にはいってほしくないんやけどね、ホンマはね」
等と発言し、ひんしゅくを買うなどという事もありました。しかし、これはユナイテッドのような名門は日本人の手の届かない雲の上の存在であってほしいという意味であったと自分は思っています。言葉足らずが誤解を生んでいるのではと思います。自分もユナイテッドのファンだったので、日本人として誇らしい気持ちが9割とさんまさんのような気持ちが1割くらいはあったから気持ちは少しわかるような気がするのです(苦笑)
さんまさんは、既に大スターだった1980年代の前半にサッカー・日本リーグの試合のポスターに起用されていたことがあります。当時の日本リーグはJリーグが出来る前のアマチュアリーグであり、観客席なんてほんとガラガラの日本サッカー冬の時代でした。ワールドカップ出場など夢のまた夢の様な時代です。当然、日本サッカー協会にはさんまさんのような大スターを起用するような資金もありません。さんまさんはほぼノーギャラで引き受けたと言います。全ては日本サッカーを盛り上げるためです。さんまさんのサッカー愛と男気を感じるエピソードです。
スポーツ番組におけるJリーグの選手たちとのやりとりの面白さだったり、CWCにも毎年出演していたり、サッカーの仕事は本当に楽しそうにやってますよね。
メッシ選手へのあのインタビューは、ピッチで優勝を喜んでいたメッシ選手を日テレスタッフがなかばだまし討ちのような形でスタジオにつれてきたため、スタジオに来た時点で既にメッシ選手は不機嫌だったのだそうです。
そんな中、さんまさんはサッカーファンである明石家さんまとしての自分を置いといて、お笑い芸人・明石家さんまとしてあえてあの質問をしたのだと思います。全てが悪い流れだったって事ですね。
「そんな芸人根性いらんわ」
と思う人も多いのでしょうけど、自分はお笑い芸人としてあえてあの質問をしたさんまさんはある意味凄いなと思ってしまいます。普通の人では無理ですもん、絶対www
さあ、今年はさんま&メッシの4年ぶりのカラミが見られるのか?
試合以上に注目せざるを得ませんな。
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