女子サッカーのリオオリンピック最終予選で、日本は中国に敗れて0勝1分2敗となり、五輪出場が絶望的となってしまいました。形式上はごくわずかの可能性が残されているものの、どう考えてももう出場権は断たれたといっていいでしょう。
試合としては3試合とも全盛期のなでしこJAPANの見る影もないほどでしたね。
最初のオーストラリア戦よりも徐々に試合内容自体は良くなっていっていましたが、勝ち切れる内容ではありませんでした、どの試合も。
この結果を受けてなでしこの選手や監督を叩くのは簡単です。簡単ですが、どうやったら日本女子サッカーがこの先再び世界の頂点を目指せるようになるのかを考えるのが最も建設的ですね。
その過程で批判すべき事があればそれを指摘しなければなりませんが・・
どちらにしても、なでしこの戦力が年々落ちていっていたのは誰が見ても明らかでしたし、この予選も相当厳しい戦いになるであろうことは選手たち自身も分かっていたことだと思います。
一つだけ言えることは、一つの時代が完全に終わった・・という事です。
大儀見優季の問題発言
この敗戦を受けて、チームのエースでもあるFW・大儀見優季が出した試合後のコメントが波紋を呼びそうです。
「最初からこの試合にすべて懸けるつもりだった。自分としては準備もしていたし、試合中も諦めなかった」と話した上で「ただ、その気持ちがチームとしてうまく機能しなかった。全員がそういう気持ちを持っていなかった。ベンチ、スタッフ、見ている皆さんも含めて。この結果を出ていた選手だけのせいにするのは簡単。そうじゃなくてこの原因をとらえて、次につなげていかないといけない」
引用:デイリースポーツ
これはかなりの問題発言となるかもしれません。
問題となりそうなのが、「見ている皆さんも含めて。」という箇所。ベンチやスタッフにも真剣にこの試合に懸けていなかったものがいたというのもなかなかの問題発言ではありますが、それはチーム内の問題であって、チーム内で解決すべきものです。
しかし、「見ている皆さん」とはどういう意味なのでしょう。
スタンドで応援していたサポーターの事なのか?それともスタジアムをガラガラにしてしまった、見に来なかったファンの事なのか?
この発言の真意を是非聞いてみたいです。というか、知りたいです。批判するとかどうとか以前に、この発言の本当の意味を知りたい、ただそれだけです。
いや、絶対に説明しなければなりません。そうでなければ、これは色々な憶測を呼んでしまいます。しっかりと、自分の本当の発言の真意を、自分の口でわかりやすく言わなければなりません。それだけの問題発言だと思います。
熱心なサポーターやなでしこに憧れる子どもたちにも責任が?
今回なでしこは負けてしまいましたが、なでしこに憧れてサッカーを始めた女の子はたくさんいます。熱心に足を運んでくれているサポーターもいるでしょう。
大儀見選手の「見ている皆さん」というのは、そんな人たちも含まれているのでしょうか。
この言葉だけだとそんな人たちも含んだ意味に捉えられても致し方ないでしょう。
だからこそ、説明責任があるのです。
ただでさえ、これから苦難の道が続くことが予想される日本女子サッカー界。支えてくれるサポーターをつなぎ止め、さらに増やしていくことこそが日本女子サッカー復興への大きな課題だと思います。
負けてしまったうえにこの発言では、絶対に世間の共感は得られません。
苦難の道を行くこととなったなでしこを応援し続けようと思っていたファンさえも、離れて行ってしまいかねない事態に発展しかねません。
何度も言います。重要な事なので何度も言います。「原因を捉えて次につなげていかないといけない」と言うのであれば、具体的に「見ている皆さん」が誰を指しているのかを説明するべきなのです!!
建設的立て直しのためにも説明責任がある
すみません。取り乱してしまいました。
大阪に住むわたしの姪っ子も女子サッカーを始めて2年になるのですが、なでしこに憧れてサッカーを始めました。
こちらに盆休みに帰省した時には、顔を真っ黒に日焼けして帰ってきました。
サッカーの話を聞くと、嬉しそうに話します(それ以外は恐ろしいほど冷たいですがw)。憧れの選手はINAC神戸の川澄選手だと言っていました。
そんな姪っ子のような子どもたちも「見ている皆さん」に入ってるのかと思うと、無性にやるせない気持ちになってしまったのです。
確かに、なでしこのW杯で盛り上がった世間は冷めるのも早かったのかもしれません。何を隠そう、わたしもそんな世間の一員です。そういう熱しやすく冷めやすいファンを指しているのであれば、それはそれで一理あるのかもしれません(それでも責任転嫁という意見は出るでしょうが)。
これからの女子サッカー界を立て直していくためにも、やはり大儀見選手には説明を求めたいのです。
そうじゃないと世間は納得しないでしょう、絶対に。
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