2015年のクラブワールドカップはヨーロッパ王者・FCバルセロナが世界一に輝きましたが、個人的には開催国王者として出場したサンフレッチェ広島の3位が最も嬉しい出来事でした。
特にアジアでは規格外の経営規模を誇るアジア王者・中国の広州恒大を破っての3位というのがまた嬉しかったですね。サッカーの内容においても優勝したバルセロナは別格として、それ以外のチームの中では最も素晴らしいサッカーをしていたと個人的には思います。
しかし、あくまでサンフレッチェは開催国枠での出場。もし日本が開催国でなければ3位どころか出場すらできていなかったわけで、そういう意味では少し引っかかるものはあります。やはりアジア王者として出場し、3位になって欲しかったなと。
そのアジア王者としてクラブワールドカップに挑んだのが中国の広州恒代です。資金力に物を言わせて世界中から一流監督・一流選手を呼び寄せている現在のアジア最強チームと言ってもいいでしょう。
2011年以降その傾向が顕著で、監督はイタリアの名将・マルチェロ・リッピ、同じくイタリアのバロンドーラ―・ファビオ・カンナバーロ、そしてワールドカップ優勝監督のブラジル人、ルイス・フェリペ・スコラーリ・・。正直言って7、8年くらい前まではとてもじゃないですが、アジアのクラブチームに来てくれるようなメンツじゃないですよね(苦笑)。
選手もまた然り。ブラジル人のムリキ、クレオ、エウケソン、レネ・ジュニオール、リカルド・グラール、アラン、パウリーニョ、ロビーニョ。アルゼンチンのダリオ・コンカ。パラグアイのルーカス・バリオス。イタリアのアルベルト・ジラルディーノ、アレッサンドロ・ディアマンティ。
ここ5年半ほどの間にこれだけの大物を獲得しています。下手したら1人の移籍金でJリーグのクラブ運営が出来てしまう程の大物も何人かいますね。
あのフッキも中国へ?
そんな中、またまた広州恒大入りが噂される大物ブラジル人選手が・・
あのフッキです。ブラジル代表FWであり、ポルトガル、ロシアでともに得点王に輝いた事もあるあのフッキです。若き日にコンサドーレ札幌や東京ヴェルディに所属し、Jリーグで無双状態だったあのフッキです。
移籍金は3700万ユーロ(約47億円)と言われており、ヨーロッパのビッグクラブ並みの資金力が必要となりますが、広州ならその心配はないのでしょうね(苦笑)。移籍金に加えて当然年俸も払わなければならないわけですが、当然吹っ掛けられるでしょう。15億円くらい払わなければ来てもらえないのではないでしょうか。
というより、ホントに来るのか?って話ですよね。フッキほどの選手ならば、資金力のあるイングランド・プレミアリーグやドイツ・ブンデスリーガ、スペインのリーガ・エスパニョーラなどからも引く手あまたのはず。広州はこれらのチームと交渉するための当て馬である可能性も十分にあります。
しかしそれらを吹っ飛ばすほどの条件を出せば移籍は当然あり得ますし、実際その力もあるのが広州恒代なのです。それにフッキの場合FCポルトで得点王を獲得して三冠に導くなど、メガクラブ移籍が確実視されていた中で、あえて高額年俸を提示したロシアプレミアリーグのゼニト・サンクトペテルブルクを選択した実績(笑)もありますしね。
そういった意味では十分に可能性のある記事だと言わざるを得ません。
広州恒大はJのチームにとって大きな壁なのか?
広州恒代はAFCチャンピオンズリーグ(略称ACL)を2013年、2015年に制し、アジア王者に輝いています。昨年もJリーグからはガンバ大阪、浦和レッズ、鹿島アントラーズ、柏レイソルの4チームがACLに出場しましたが、浦和と鹿島は予選リーグ敗退、柏はベスト8で広州に、ガンバもベスト4で広州に敗れてアジア王者を逃しました。日本のクラブチームは2008年のガンバ大阪以来ACL王者を排出できていません。
そんな中、相変わらず豊富な資金力で大型補強を続ける広州恒大。今年もJチームはこの広州に涙を呑まされることになるのでしょうか?
わたしの答えとしては、Jチームと広州とでは、クラブの資金力程の力の差はないのでJチームが広州を打ち負かす可能性は十分あると考えます。
実際、昨年のACLでの広州恒大とJリーグのチームとの直接対戦成績を見てみましょう。
ホーム アウェイ
広州恒大4-3鹿島
鹿島 2-1広州恒大
柏 1-3広州恒大
広州恒大1-1柏
広州恒大2-1大坂
大坂 0-0広州恒大
通算成績は1勝3敗2分。
まあ確かに負け越してはいるのですが、手も足も出ないという感じではないですよね。アントラーズなんて1勝1敗でスコアも2戦合計5-5ですし。何より、試合内容を見ていて全く引けをとっていなかったですから。
一番大事なのは名前負けしないという事ではないのでしょうか。昨年広州と戦ったチームは、今度戦ったらいけるという感触は既に掴んでいるはずです。
広州恒大最大の弱点はあの大物?
ずばり、広州恒大の最大の弱点は「スコラリおじさん」こと(笑)、監督のルイス・フェリペ・スコラーリであると思います。
このブラジル人監督の実績は確かに凄いです。2002年の日韓ワールドカップでブラジルを率いて優勝。ポルトガル代表監督としても地元開催だった2004年のユーロで準優勝、2006年のドイツワールドカップでベスト4。代表では確かに素晴らしい実績を残していますね。
しかしこの反面、クラブチームの監督としてはあまりパッとしません。イングランドのチェルシー、ブラジルでのパルメイラスなど、結果を出せずに途中で解任も珍しくありません。
高評価を得ていた代表監督としても、昨年のブラジルワールドカップでのブラジル代表監督として戦った準決勝ドイツ戦での1-7や三位決定戦での対オランダ0-3などでミソをつけてしまったのは記憶に新しいところです。
実際、日韓W杯での優勝は有力チームの早期敗退(いや、韓国のお陰というべきかw)や、3R(ロナウド、リバウド、ロナウジーニョ)の圧倒的攻撃力に助けられたためだと思っていますし、ポルトガル代表にしても、まだ黄金世代が残っていた時期であり、今のポルトガル代表とは比べ物にならない戦力があったためともいえますね。
もともと彼は攻撃に関しては選手任せの監督として有名であり、彼の戦術は前線に自力で点を取れてしまうようなスペシャルな選手がいてこそ成り立つものです。そこそこの選手を使い、連携などによって守備をこじ開けるようなオフェンスのアイデアはほぼ皆無といってもいいです。
であるからこそ、広州でも前線に優秀な外国人選手を次々と補強するのです。最初のブラジル代表の時には3R、ポルトガル代表時にはフィーゴ、ルイコスタ、パウレタ、そして後期にはクリスティアーノ・ロナウドと、スコラーリが結果を出したチームには必ず世界トップクラスの攻撃的選手がいました。しかしブラジルワールドカップ時にはネイマールくらいしかおらず、そのネイマールがケガで出場できなくなった準決勝のドイツ戦と3位決定戦のオランダ戦はあの惨敗。
このスコラーリこそが金満クラブ・広州恒大の最大の弱点だと思います。ブラジルW杯でのドイツ、オランダ、2015CWCでのサンフレッチェ広島のような高度に組織化された守備で相手の単発の攻撃を食い止められれば、それを打開して得点を量産する事は出来ないのです。
ディフェンスラインも低めで、オフサイドを取ったりという組織的な守備というよりはフィジカルで跳ね返すという印象なので、守備もそう固いとは思わないはずです。恐らく実際に戦ったアントラーズやレイソル、ガンバ、サンフレッチェはそのことを最も感じているのではないでしょうか。
とにかく名前負けしなければ手も足も出ないチームではないと思います。例えフッキが加入したとしてもです。今年のACLは個人的にもすごく楽しみにしています。Jリーグのチームには是非アジアチャンピオンとしてクラブワールドカップに出場してほしいですね。
追記
この記事を書いていると、もうひとつ広州恒大の大補強の噂が・・
なななななんと!!イングランドプレミアリーグのチェルシーに所属するコロンビア代表FW、ラダメル・ファルカオも狙っているんだとか(苦笑)
まあ、いいけどね(負け惜しみじゃねーぞw)。余計に倒し甲斐があるってもんでさぁね(笑)。頑張れ!Jリーグ!!
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