夏休みと春休みの風物詩が高校野球の甲子園だとするならば、冬休みの風物詩はやっぱり高校サッカーでしょう。
何かといがみ合う事の多い(特にネットね笑)野球ファンとサッカーファンですが、高校野球、高校サッカーにはやはりプロスポーツにはない「熱い何か」がありますよね。個人的にはどちらも凄く楽しませてもらっています。
そんな「野球の甲子園」にも匹敵する歴史と格を誇る高校サッカーとはいったいどのような大会なのでしょうか。
10日間で最大6試合の過密日程 2回戦から登場できるシード権の重要性
まず、正月に行われる高校サッカーの正式名称ですが、「全国高等学校サッカー選手権大会」といいます。別名を「冬の国立」ともいいますね。
その名の通り、全国の高校サッカー部の各都道府県代表が高校日本一をかけて争うトーナメント大会です。負けたら終わりの一発勝負。負けた時点で3年生の高校サッカー生活は終了を迎えます。まさに野球でいうところの夏の甲子園のようなものなのです。
全国の都道府県の地方大会を勝ち上がってきた各都道府県代表チームは全48チーム。東京都だけは2チーム選出される事となっています。その他の46道府県は地方予選で優勝した1チームだけという事で合わせて48チームという事となります。
日程は今年(2016年度)の場合は12月31日に一斉に各会場で1回戦が行われ、2回戦が1月2日、3回戦が1月3日、準々決勝が1月5日に行われ、1月7日に準決勝、そして決勝戦は成人の日で祝日となる1月9日に行われる事となっています。1994年以降は大晦日に初戦が行われ、ハッピーマンデーとなる成人の日(今年の場合は1月9日)を有効利用するようなスケジュールで日程が組まれています。
基本的に中1日、連戦もあるというかなりの強行日程となっていますが、これは会場となる競技場使用の事や高校生の冬休みなどを考慮するとある程度致し方ないのかとも思いますね。
組合せは48チーム中の32チームは1回戦から登場。16チームは1回戦を免除されて2回戦から登場という形となります。上述したようにかなりの過密日程である事を考えれば、1回戦から戦うのか2回戦から戦うのかというのは、決勝戦までのスケジュールを考えればかなり大きな差となって表れる事は明白です。従って、組み合わせを決める組合せ抽選は優勝を狙うチームにとっては大きな意味を持ってきます。当然どのチームも2回戦から登場できる16チームの中に入りたいと願う事となるのです。ちなみに、前年度の大会でベスト4に入った都道府県のチームだけは、シード権という事で2回戦からの試合となる特権が与えられています。というわけで、シード権のない都道府県代表にとっては、シード権に入る確率は12/44という狭き門となるというわけですね。
そんな部分に注目しながらトーナメント表を眺めていると、また一段とこの大会を楽しめると思います。
高校サッカーのアンセム、イメージソングとイメージキャラクター、年末年始といえばこれ!
テレビ放送は日本テレビ系が独占放送権を持っています。「高校サッカー=日テレ」、もうお馴染みですよね。
試合は日本テレビ系列の放送局を中心に、基本的に全国の各都道府県代表の試合をそれぞれの地域の視聴者が見られるように放送されています。おらが町のチームをしっかりと応援できるようになっているのは非常に有り難いですよね。
試合のメインテーマソングはあの有名な「振り向くな君は美しい」。子供時代にサッカーに勤しんだ人たちにとってはアンセムのような曲です。少なくとも我々の世代にとってはそうでしたね。作詞は阿久悠さん、作曲は三木たかしさんという、大御所の曲なのです。
大会歌としてずっと親しまれている「振り向くな君は美しい」ですが、この大会アンセムとは別に毎年毎のイメージソングというのも決められています。2016年は家入レオさんの「それぞれの明日へ」。過去にはGReeeeNやナオト・インティライミ、いきものがかり、絢香、コブクロなどもこの大会イメージソングを手掛けた事もあるなど、かなりの大物アーティスト揃いなのです。
さらに大会を応援するイメージキャラクターというのも毎年ちがう人物が務めています。
2016年はイングランド・プレミアリーグのレスターシティに所属する岡崎慎司選手。滝川第二高校時代にはこの大会出場経験もある高校サッカー選手でした。このイメージキャラクターというのは、高校のサッカー部に所属していた選手が毎年選ばれており、昨年は青森山田高校出身の柴崎岳選手、その前は浦和東高校出身の川島永嗣選手、といった選手が選ばれています。
高校サッカー出身の有名プロサッカー選手がCMに出て、あの「振り向くな君は美しい」が流れる。これはもう年末・年始のある種の様式美的なものを感じますよね(笑)。
高校三冠の一つ、冬の国立 ユースと高校サッカーはウインウイン状態?
ちなみにこの全国高校サッカー選手権という大会ですが、高校サッカー界の三冠の一つといわれています。
ちなみに三冠とは、全国高校サッカー選手権(別名:冬の国立)、全国高校総合体育大会(インターハイ)、そして国民体育大会(国体)または高円宮杯U-18サッカーリーグのうちの3つを制することをいいます。しかし、勝ち進んでいけば地上波で全国中継がされるという意味でも、他の大会よりも注目度は段違いに大きいのがこの全国高校サッカー選手権なのです。その証拠に、この冬の国立を機にスーパースターとなっていった選手たちも数多く存在します。
過去の得点王だけみても、現役選手では大会最多の10得点を挙げた鹿児島城西の大迫勇也(ケルン)や四日市中央工業の浅野拓磨(シュトゥットガルト)、二年連続得点王に輝いた国見の平山相太(仙台)、Jリーグ最多得点の記録を更新中の国見・大久保嘉人(川崎)ら、そうそうたる面々です。
それ以外にも高校サッカー選手権経験者は前述の柴崎岳や岡崎慎司の他にも、本田圭佑(ACミラン)や長友佑都(インテル)、乾貴士(エイバル)、遠藤保仁(ガンバ大阪)、森重真人(FC東京)、田中マルクス闘莉王、昌子源(鹿島)、植田直通(鹿島)など、全日本クラスがズラリと揃っています。
最近ではユースチームへの有力選手の流出などによって高校サッカーのレベル低下が叫ばれていますが、個人的にはそれはそれで面白いと思っています。というよりも、以前に比べると格段にサッカー人口の底上げがなされて優秀なサッカー選手の総数が昔よりも断トツで増えてきており、その大勢の優秀な選手たちがユースと高校サッカーに別れ、再びプロで一緒になるという図式だとわたしは思っています。
それに、ユースの充実によって以前よりも各都道府県毎のレベル差が解消され、どのチームが上位に行くのかわからないというスリリングな大会が多くなっているというのも、近年の高校サッカーの大きな魅力だと思います。
個人的にはユースの存在によって高校サッカーは盛り上がり、ユースと高校サッカーで競い合ってアンダーカテゴリーはレベルを高め、それがクラブや代表に還元される・・今のサッカー界はウインウインの関係だと思いますね。
米子北高校に鳥取県勢悲願の優勝を!
今年はどんなスター選手がこの全国高校サッカー選手権で生まれるのでしょうか。
そしてどんな名試合・好試合を見せてくれるのでしょう。
個人的にはもちろん地元鳥取県代表の米子北高校を全力で応援したいと思っています。今年こそは鳥取県勢悲願の冬の国立制覇を成し遂げて欲しいと思いっきり本気で思っています。
ただ気がかりなのが、大晦日や正月三が日はなんだかんだ家の事で忙しくて、見たくても見られない年が結構あるという事。
つーわけで、どうしてもダメなときは録画して見る事にしているのですが、お金も暇も出来るようになったら一度でいいから鳥取県代表の試合を東京(関東)まで見に行ってみたいものです。
やっぱりサッカー観戦は生に限りますからね(笑)。
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