個人的に結構ショッキングなニュースです。
トルコの伝説的な名フォワードである、ハカン・シュクルが逮捕されそうだという話題です。
罪はトルコの大統領である、レジェプ・タイップ・エルドアン大統領を侮辱したというもの。
一体、この名選手にどんな事が起こっているのでしょうか。
完璧なセンターフォワードであり、日韓W杯3位の立役者
ハカン・シュクルは1971年9月1日生まれの44歳。
身長は191㎝を誇り、その強靭なフィジカルを生かしたポストプレーで点を取る、典型的なセンターフォワードでした。
トルコ代表としては51得点を記録。これは現在のトルコ代表の通算得点記録歴代1位でもあります。
クラブでは、やはり地元トルコの名門クラブ・ガラタサライでの活躍が印象的ですね。ガラタサライでは通算13年プレーしましたが、3度の得点王に輝くなど、ガラタサライのサポーターの間では、「王」と呼ばれていました。それだけ圧倒的な存在であったのです。
2002年の日韓ワールドカップ時はまさにハカンの全盛期でしたね。この大会ではトルコ史上初のワールドカップ3位に、不動のレギュラーとして大きく貢献しました。3位決定戦の韓国戦では、ワールドカップ記録となる、開始10秒での最速ゴール記録も打ち立てています。
凄かったですね。とにかく高くて強い。ターゲットマンとしてポストプレーをこなし、さらにヘディングで得点も決めてしまう。さらに、長身選手にありがちな足元の不安定さがない、まさに完璧なセンターフォワードでしたね。日韓ではチームメイトであり、後にJリーグのヴィッセル神戸に移籍するイケメン選手・イルハンばかりが日本では話題となりましたが、選手としてはこのハカン・シュクルの足元にも及びません。なんせ「王」ですから(笑)。
イタリア・セリエAの名門・インテルなどにも移籍しましたが、国外チームではあまり活躍できませんでしたね。そのため、能力値以上に評価が分かれる結果になっているのもまた事実です。しかし、全盛期のプレーはまさに世界のトップクラスであったと断言します。
国会議員だったハカン・シュクル
それにしても驚いたのは、ハカン・シュクルが現役引退後にトルコの国会議員になっていたという事。しかも、今回侮辱したとされるエルドアン大統領の政党に所属していたらしいのです。
しかし、エルドアン大統領に汚職疑惑が持ち上がると、突然議員を辞職。エルドアン大統領と対立関係にある、アメリカに亡命中のイスラム聖職者の支持者となったとの事。
エルドアン大統領は、SNSなどのソーシャルメディアなどでの政権批判を容認しないというスタンスを取っており、ハカン・シュクルの他にも、ジャーナリストや批判的なブログ記事を書いた一般人なども法廷に出廷させられるなどの事態が相次いでいるらしいです。これには、独裁的だという批判もトルコ国内では巻き起こっているそうです。
当のハカン・シュクル自身は、議員を辞職して以降はアメリカのカリフォルニアへ移住し、スポーツ関連のプロジェクトに関わっているとされています。この件に関する審理に出るかどうかはまだ定かではないとの事ですね。
日本にいると、トルコの政治事情というのはあまり入ってこないのですが、こういう感じだったんですね。
もしも日本で同じように政権批判するジャーナリストやブロガーを侮辱罪で訴えたらどえらい事になりそうですね(苦笑)。出廷させられる人間は数百人、数千人にも上りそうです。いや、自分は政権批判してませんけどね(笑)。
親日国・トルコ
トルコと言えば、昔からかなりの親日国として有名な国ですよね。
トルコ料理は、フランス料理、中華料理と並んで世界三大料理と呼ばれるほど美味です。国は広大な自然と中世の面影を残した美しさが絶品であり、ヨーロッパと中東地域の境目にあるという地理的条件も重なって、どちらの趣きも称えた、世界でも例を見ない雰囲気を持った国だと言われています(すんません、行ったことないんですw)。
カッパドキアやペルガモンなどの世界遺産もたくさんあって、是非一度は行ってみたい国ですね。
しかし、シリアやイラクと国境を接しているという事もあり、早くあの地域が安定してくれるといいんですけどね・・
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