スペイン・リーガエスパニョーラのレアル・マドリードFW・クリスティアーノ・ロナウド(ポルトガル)の周辺が慌ただしくなってきましたね。
彼はこれまで3度のバロンドールを受賞するなど、世界中が認めるトップ選手です。
レアル・マドリードでは、宿命のライバルであるバルセロナのFW・リオネル・メッシ(アルゼンチン)と毎年のように高レベルの得点王争いを繰り広げており、バロンドール(2010ねんからはFIFAバロンドール)は2008年から、メッシとこのロナウドで分け合い続けています。(メッシ5回、ロナウド3回)
今シーズンも、リーグ戦21得点を挙げ、トップを走るバルセロナのルイス・スアレス(ウルグアイ)に3点差の2位につけており、得点王も十分に狙える位置につけています。
しかし、このロナウドに関しては数年前から移籍の報道が後を絶ちません。
これだけの成績を残し、もはや歴代のレジェンドたちと肩を並べたといってもいいほどのロナウドは、何故これほどまでに移籍が報じられるのでしょう。ちなみに、永遠のライバルであるメッシにはほとんどそのような報道は出ません。
しかも、今年はその移籍報道を裏付けるような言動や行動も多く、いよいよかという感じになってきてもいます。
レアル・ファンに渦巻くCR7不要論。ファンはネイマールを求めている?
現地記事によると、レアルの本拠地・サンチャゴ・ベルナベウで行った調査で、レアルファンの80%の人が、ロナウドよりもバルセロナFW・ネイマール(ブラジル)が必要だと思っているという結果が出たと伝えています。理由としては、ロナウドのゴールは格下相手で稼いだものであり、バルセロナとのクラシコなど、上位チームとの重要な試合で結果を出せていないという事、反対にネイマールには勝負強さと決定力があるという事が理由として挙げられています。
まあ確かにネイマールはバルセロナでメッシ・スアレスとともにMSNと呼ばれるほどの若手有望株です。しかし、さすがにロナウドと比べるのはまだまだ失礼な気もしますね。
ネイマールのヨーロッパでのキャリアはまだ3シーズン目。個人タイトルもなく、実績的にはロナウドと比較するものは何もありません。将来的にバロンドールを取るであろう選手である事は間違いないとは思いますが。
ロナウドが格下相手にゴールを荒稼ぎしているというのはまあその通りと言えばその通りなのですが、元々スペインのリーガ自体がそんなリーグですよね(苦笑)。
レアルとバルサの2強体制が長く続いており、近年ではシメオネが監督になって以降のアトレチコ・マドリードがこれに割って入って3強体制になっていますが、それでも下位チームとは歴然たる力の差があると言っても過言ではないでしょう。
必然的に強豪チームとの対戦自体が少なく、ゴールの大半は格下チームとの対戦で、という事になります。強豪チームとの対戦で簡単にゴールを奪えないのは、何もロナウドだけの問題ではないような気がします。
ハッキリ言わせてもらうと、レアル・ファンよ、あんたたちは贅沢すぎんだよ!って事です(笑)。
傲慢なクリロナと献身的なネイマール?
レアル・ファンの言いたいことも分かります。
確かにロナウドはエゴイストであり、メッシのようにスアレスやネイマールのために、自分がゴールを狙える場面でもアシストを選択するというようなことはほとんど無いです。
逆に、ロナウドと前線でコンビを組むマドリーFW・カリム・ベンゼマ(フランス)などは、それはそれは献身的な働きをしています。ワントップとしてのポストプレーや、両サイドや後ろの選手のために相手DFを引き付けてスペースを作る動きなど、ロナウドとは全く正反対の選手といえます。ロナウドがこれだけレアルで得点を重ねているのは、このベンゼマありきといってもいいくらいです。
献身的に味方の攻撃のサポートとして黒子の働きが出来るベンゼマに対して、ロナウドは自分がフリーでいるのにパスを出さずにシュートしてゴールを決めた味方選手に対して、露骨に不満を現したり、逆に見方が逆サイドでフリーでいるにもかかわらず、パスせずにドリブルで抜こうとしてチャンスを潰すなどといったシーンも良く見受けられますね。
そういったCR7の自己中心的なプレーを普段から見せられているファンは、メッシやスアレスのために自己のゴールにこだわらずにプレーできるネイマールを評価しているのでしょう。
しかし、ではネイマールが今のロナウドのポジションに入ってどのような働きが出来るかというと、またそれは別問題でしょう。ロナウドの得点力はやはり世界でも類を見ない程卓越したものであり、これに匹敵する選手はメッシ・スアレスくらいのものだと思います。ベンゼマとあれだけ息の合ったプレーが出来るのもロナウドくらいのものです。ネイマールがレアルに来ても、どれだけできるかは未知数だと思います。
つまり、やっぱり「レアル・ファンたちよ、君らは贅沢なんだよね」って事になっちまうのです(笑)。
ファンの求める物とロナウド自身の意識のあまりにも遠い距離
先日、このような記事がyahooトップニュースで出ていました。
C・ロナウド、敵地不発質問に激怒 「私より多くゴールを決めた選手がいるのか!」と会見打ち切り
最近4試合のアウェー戦でノーゴールである事を質問されたロナウドがキレてしまったというニュースです。
「あなたは、私がスペインに来てから、私よりも多くアウェーで得点を挙げた選手の名前を上げられるかい?できないだろう。1人でもいるか? そんな選手はいないんだ」
こういって会見途中で出て行ってしまったそうです。
気持ちはわかりますよね、確かに。これだけ実績を残してるのに何が不満なの?って事でしょう。
ファンやメディアにしてみれば、ゴールの数は多いけど、肝心な時に役に立たないし、チームプレーを放棄しているといった印象を持っているから残している成績以上に見る目はより一層厳しくなる。
一方で、ロナウドからしてみれば、これ以上俺に何を求めるんだ?気に入らないんなら俺以上の選手を探して来い!ってなところでしょうか。
ロナウドの中でもかなりうっ憤がたまっており、レアルでの居心地の悪さを感じていることが感じ取れるニュースですね。
となると、近年定期的に話題に上がっていたロナウドの移籍が現実味を帯びてくるのです。
モウリーニョとのタッグがユナイテッドで復活?
真っ先に挙げられる候補がイングランドの古巣・マンチェスター・ユナイテッド。
この「赤い悪魔」と呼ばれるイギリスの名門チームは今、非常に苦しい状況にあります。かつての名門も、今やイングランドでは凋落の象徴として取り上げられることも多く、現監督のルイス・ファン・ハールの監督辞任は時間の問題であるとみられています。
そんな中で、このマンUの次期監督として有力候補とみられているのが、ロナウドと同じポルトガル人であり、レアルで指揮を執ってロナウドとも師弟関係にあったジョゼ・モウリーニョです。
報道では既にユナイテッドと監督就任で内定しているというものまであり、かなりの確率でこの名将が来季のユナイテッドを率いる事となるでしょう。
深刻な得点力不足に悩むユナイテッドにとっては、まさにロナウドは喉から手が出るほど欲しいはずです。レアルでともに戦ったモウリーニョであれば、今の居心地の悪いレアルを離れる後押しをする大きな要因にもなるかもしれません。ユナイテッドのフロントには、ロナウドが恩師と言ってはばからない、元監督のサー・アレックス・ファーガソンもいます。
モウリーニョとは、レアルの最終年に確執が生まれたと言われていますが、最近ではロナウドがモウリーニョの事を名将だと褒めたたえるコメントなどもあり、気まずい関係ではなさそうです。
状況的には、全て揃ったといえるクリスティアーノ・ロナウドのマンチェスター・ユナイテッドへの移籍話。
「白い巨人」から「赤い悪魔」へ。
再び、オールド・トラッフォードのピッチを駆けまわるクリスティアーノの姿が見られる日が来るのでしょうか。
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