3月7日から開幕する第4回WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)の日本代表侍ジャパンの所属する予選プールB。
侍JAPANの初戦の相手はカリブ海の野球の強豪、キューバ。ここではキューバの戦力や試合の見どころ、ポイントなどを解説していきたいと思います。
世界ランキング5位のキューバ、WBCとプレミア12での実績
まずは現在の世界ランキングの比較からまいりましょう。
世界ランキング1位の日本に対して、対戦相手のキューバは世界ランキング5位。
過去のWBC及びプレミア12での成績は以下の通りとなっています。
大 会 名 日本成績 キューバ成
第1回WBC 優 勝 準 優 勝
第2回WBC 優 勝 2次R敗退
第3回WBC ベスト4 2次R敗退
プレミア12 3 位 準々決勝敗退
キューバは2006年のWBC準優勝が最高成績となっており、それ以降は優勝はおろかベスト4にさえ進出できていません。
方や日本は全てがベスト4以上の成績を収めており、ここ最近の国際大会では日本代表の方が圧倒的に勝っているというのが現状です。
20世紀のアマチュア大会で最強と呼ばれた野球王国・キューバ
では、世界ランキング1位の日本代表は世界ランキング5位のキューバに対して必勝態勢を築けるのか?
確かに、プロ選手が参加せずにどの国もアマチュア選手で臨んでいた20世紀以前はキューバが圧倒的な強さを誇っていました。国技といってもいいほどに国策として力を入れていましたし、何よりもパワー、スピードなどで他国を圧倒していたのです。
しかし野球の国際化が進み、どの国も五輪や他の国際大会などに自国のプロ選手を派遣するようになってから(メジャーリーグ以外)は、確実にキューバの国際成績は落ちてきています。その背景にはキューバの主力選手の相次ぐ亡命による戦力ダウンという背景もあります。
謎に包まれた戦力と確かな実力。ノーデータの不気味さ
とはいえ地力はやはり侮れません。今回のWBC参加選手には日本プロ野球界でもおなじみの選手がいるとはいえ、ほとんどの選手はキューバの国内リーグで活躍している選手がほとんどです。
これは非常に厄介な問題です。何が厄介化というと、ほとんどデータがないという点においてです。
逆に例えば日本の選手などはほとんどキューバに丸裸にされているといっていいでしょう。日本プロ野球のデータなど、どこででも簡単に手に入れられます。
キューバとの戦いは試合前から大きなハンディキャップを背負っているといってもいいかもしれません。相手はこちらを十分研究し尽くしている上に、こちら(日本側)はほぼノーデータといってもいいかもしれません(日本での強化試合のデータを参照するくらいでしょう)。
というわけで、ここ最近の成績が振るわないといっても全く油断はできません。何より基本的にキューバ国内リーグのレベルが高いのは今も昔も一緒なのですから。
元ロッテ、現ソフトバンクのデスパイネはパワーと確実性を兼ね備える
さて、そんな未知なる強豪といってもいいキューバチームですが、多少は日本でもデータを集められる選手が存在します。それがNPBで活躍した、またはしていた選手です。
まずはアルフレド・デスパイネ。2014年から16年まで3年間千葉ロッテマリーンズで主力として活躍し、17年からは福岡ソフトバンクホークスへの移籍が決まったスラッガーです。
175㎝・95㎏というコミカルな体系とは裏腹にその打撃技術は天才的。来日初年度から3割以上を打ったように、パワーと確実性を兼ね備えた打撃はまさに日本にとっては脅威となることでしょう。
2004年には18歳でキューバ代表に選ばれてさらに4番まで打ったという国際大会での豊富な経験は、間違いなくこのキューバナインの中でも主力中の主力といえるでしょう。間違いなく中軸として出てくる選手であり、日本の投手陣はこの選手を最優先で抑えなければならないのは間違いありません。
デスパイネの日本での通算成績(3年間)
1010打数280安打54本塁打187打点
元巨人のセペダはチームの精神的支柱。試合のカギは日本打線が握る
そしてもう一人、日本になじみの深い選手が、2014年から2年間読売ジャイアンツでプレーしていたフレデリク・セペダ選手です。
巨人では2年間でわずか21安打と本領を発揮できませんでしたが、キューバ国内では英雄視されているほどのスーパースターであり、国際大会経験も豊富で実績も残しています。
日本選手にも詳しいでしょうし、精神的支柱としてキューバを支える存在となるでしょう。出場してきたとしたら絶対に打たせてはならない相手になります。彼が打てば間違いなくキューバを勢いに乗せることとなるでしょう。
その他の選手は本当に謎に包まれていますね。
どの国もそうなのですが、キューバの選手たちもかなり個性派揃いです。特に投手などは変則投手を数多くそろえており、データの少ないままでこの変則投手達をうち崩すのは至難の業といってもいいでしょう。
投手がしっかり抑えるのは当然ですが、ポイントは日本の打者がこの変則的な投手達にいかに対応して行けるかだと思いますね。
ハッキリ言って全く簡単な試合にはならないでしょう。むしろかなり厳しい試合になる可能性がかなり高いですね。前回の2013年第3回大会ではいきなり1次ラウンドで3-6の敗戦を喫したように、今回も厳しい戦いになるでしょう。
何度も言いますが、ポイントは打線です。打線がキューバ投手陣から何点取れるか?これに尽きると思いますね。日本の打者対キューバの投手陣、ここに注目しましょう。
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