2017年の3月に開幕する野球の国際大会、第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)。
日本は2大会ぶり3度目の優勝を狙ってプロ野球選手で構成する野球日本代表、通称「侍ジャパン」の強化をしてきましたが、遂に今日12月20日に第1次メンバーが発表されました。
これまでの小久保裕紀監督の下での「侍ジャパン」メンバーは、あくまで強化試合における代表でしたが、今回発表されたメンバーは正真正銘の3月に行われるWBC本番での正式メンバーとなります。
ここでは、その顔触れやこの第一次選抜選手発表後に選ばれそうな選手たち、さらには侍ジャパンの命運を握るともいわれているメジャー組の選抜などについても見ていきましょう。
本格派の先発投手に加え、ワンポイント、ロングリリーフ、抑えを揃えた投手陣
まずはピッチャーから行きましょう。ちなみに、投手と外野手の二刀流である日ハムの大谷翔平選手については、この投手の方に入れておきます。一次発表では7人の投手が選ばれています。
大谷 翔平(おおたにしょうへい) 北海道日本ハムファイターズ 22歳
2016成績 投手:10勝4敗 防御率1.86 打者:.322 22本 67打点
増井 浩俊(ますいひろとし) 北海道日本ハムファイターズ 32歳
2016成績 10勝3敗10S 防御率2.44
宮西 尚生(みやにしなおき) 北海道日本ハムファイターズ 31歳
2016成績 3勝1敗2S 39H 防御率1.52
菅野 智之(すがのともゆき) 読売ジャイアンツ 28歳
2016成績 9勝8敗 防御率2.01(セ・リーグ最優秀防御率、最多奪三振)
秋吉 亮(あきよしりょう) 東京ヤクルトスワローズ 27歳
2016成績 3勝4敗19S 10H 防御率2.19
則本 昂大(のりもとたかひろ) 東北楽天ゴールデンイーグルス 26歳
2016成績 11勝11敗 防御率2.91(パ・リーグ最多奪三振)
牧田 和久(まきたかずひさ) 埼玉西武ライオンズ 32歳
2016成績 7勝1敗25H 防御率1.60
経験の嶋と、今年の日本一捕手・大野のキャッチャー陣。残る椅子はあと一つか?
次にキャッチャーです。ここは現時点ではまだ2人の発表にとどまっていますね。
恐らく本番までにはあと一人の追加となるはずです。
嶋 基宏(しまもとひろ) 東北楽天ゴールデンイーグルス 32歳
2016成績 打率 .271 2本17打点
大野 奨太(おおのしょうた) 北海道日本ハムファイターズ 29歳
2016成績 打率 .245 5本35打点
各ポジションのスペシャリストを揃えた攻走守バランスのとれた内野手
次に内野手。ここは5人が選ばれています。
ファースト中田、セカンド菊池と山田、サード松田、ショート坂本と、どのポジションも取りそろえたバランスの良さが光りますね。本番でもスタメンの可能性が濃厚な5選手です。
坂本 勇人(さかもとはやと) 読売ジャイアンツ 28歳
2016成績 打率 .344 23本75打点13盗塁(セ・リーグ首位打者)
菊池 涼介(きくちりょうすけ) 広島東洋カープ 26歳
2016成績 打率 .315 13本56打点13盗塁
中田 翔(なかたしょう) 北海道日本ハムファイターズ 27歳
2016成績 打率 .250 25本110打点(パ・リーグ打点王)
山田 哲人(やまだてつと) 東京ヤクルトスワローズ 24歳
2016成績 打率 .302 38本102打点30盗塁
松田 宣浩(まつだのぶひろ) 福岡ソフトバンクホークス 33歳
2016成績 打率 .259 27本85点
外野手はセ・リーグ二冠王にベテラン、新星を加えた布陣
続いては外野手。ここは現時点では4人にとどまっています。
注目はなんといってもセントラルのホームラン、打点の二冠王に輝いた筒香選手。この選手は不動のスタメンで本番でもクリーンナップを打つのは間違いないでしょう。それ以外にも国際舞台の経験豊富な内川選手、プレミア12でスタメンを張った秋山選手、そして2016年に大ブレイクした「神ってる」男、若手の期待株でもある鈴木誠也という、新旧バランスの取れたメンバーですね。
個人的には、今年は2015年よりも数字を落としたとはいえ、日本の打線には欠かせないであろうと考える、ソフトバンクの柳田悠岐(やなぎたゆうき)がいないのが少し意外でしたね。ケガを考慮しての事でしょう。
筒香 嘉智(つつごうよしとも) 横浜DeNAベイスターズ 25歳
2016成績 打率 .322 44本110打点(セ・リーグ本塁打王、打点王)
鈴木 誠也(すずきせいや) 広島東洋カープ 22歳
2016成績 打率 .335 29本95打点16盗塁
内川 聖一(うちかわせいいち) 福岡ソフトバンクホークス 34歳
2016成績 打率 .304 18本106打点
秋山 翔吾(あきやましょうご) 埼玉西武ライオンズ 28歳
2016成績 打率 .296 11本62打点18盗塁
2月6日までには全選手発表か?メジャーリーガー次第で大きく変わる侍ジャパン
WBC本大会に出場できる選手は総勢28名。
今回はそのうちの18選手が発表されました。残る侍ジャパンのWBC行きの切符は10枚という事になりました。
最終的な選手がいつ確定するのか今の段階ではわかりませんが、最終登録期限の2月6日までに決まる事間違いありません。
それまでの経過でカギを握るのが、メジャーリーグで活躍する日本人選手たちの動向です。彼らがWBCに出場するのかどうかという事で、残り10名の選手の顔ぶれがどうなるかが決まるでしょう。
メジャー組の場合は、所属チームの意向などもあいまってかなり流動的な状態となっています。もしも所属チームの了解が得られ、本人も侍ジャパン合流に前向きであれば、ヤンキースの田中将大やドジャースの前田健太、レンジャースのダルビッシュ有、マリナーズの岩隈久志、カブスの上原浩治、そしてマーリンズのイチローやアストロズの青木宣親などは当然のようにメンバー入りしてくることでしょう。
前回第3回WBCは残念ながらメジャーリーガーの参加がなく、全員NPB所属選手で挑んだ日本代表。メジャーリーガーの参加は、本大会での成績ももちろんですが、この第一次選手選考で漏れた日本プロ野球界所属選手の選手選考にも大きな影響を及ぼす事は間違いないでしょう。
追記:12/21 アストロズの青木宣親外野手がワールドベースボールクラシック出場へ!
WBCに臨む侍ジャパン18選手を選出した翌日の21日に早速朗報が舞い込みました。
2006年の第1回、2009年の第2回WBCの優勝メンバーでもあったヒューストン・アストロズの青木宣親外野手の日本代表メンバー入りが決まったとの事なのです。
侍ジャパンの2大会連続WBC優勝の中心メンバーとして活躍した青木宣親外野手は、北京オリンピックにも日本代表として出場するなど、日本人選手の中でも国際舞台での経験は一番ともいえる名選手。2大会ぶりのWBC優勝を目指す小久保裕紀監督にとってはこれほど頼もしい存在はいないでしょう。
青木選手の侍ジャパン入り表明によってこれまで態度を保留してきたメジャー組にも何らかの影響を与える可能性も大いに考えられるかもしれません。
とにかく小久保ジャパンにとっては先行きに明るい希望を与えるニュースであることは間違いないでしょうね。
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