プロ野球セパ交流戦とオープン戦や日本シリーズとの違いは?ペナントレースとの関係性やNPBイベントとの関連等

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3月に開幕した日本プロ野球(NPB)のペナントレース。

5月末~6月にかけての日本プロ野球界の風物詩ともなっているのが、セントラル・リーグ(セ・リーグ)とパシフィック・リーグ(パ・リーグ)がリーグの垣根を越えて対決するセ・パ交流戦でしょう。マイナーチェンジを繰り返しながらも導入から10年以上が経過したこのセ・パ交流戦についてここでは簡単にその内容やシステムなどを解説していきたいと思います。

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プロ野球にそれほど詳しくない母の交流戦に対する疑問

熱心なプロ野球ファンの方ならば説明不要のセ・パ交流戦ですが、うちの妻のようなライトなプロ野球ファン層や、巨人のON時代時代の野球ファンであるうちの母などのようなオールドファン層にはその仕組みを理解していない人も多いのが実情です。

特に交流戦に関する皆さんの疑問で多いのが、

「セ・リーグとパ・リーグが戦う交流戦って日本シリーズやオープン戦とどう違うん?」

という疑問です。

振り返りますと、セパ交流戦が行われるようになったのは2005年。早いもので2018年シーズンでもう14度目のセ・パ交流戦を迎えるという事になります。

セ・パ交流戦というイベント自体はもうすでにプロ野球ファンにはすっかりなじんでいるのですが、未だにそのシステムを理解していない人は多いような気もします。そんな方のためにもビシッとわかりやすく説明しておきたいと思います。

NPB準公式試合でシーズン開幕前の練習試合に近いオープン戦

まずはオープン戦との違いから。

オープン戦は、ペナントレースという本番が始まる前の練習試合のようなものです。オープン戦でいくらいい成績を残そうと、その成績は何の意味ももちません。オープン戦で12球団1位の成績を残したとしても、本番のペナントレースでなにか特典やメリットがあるかというと、何もないというのが実情です。オープン戦ではセ・リーグ同士の試合、パ・リーグ同士での試合、さらにはセ球団とパ球団との試合が混合しており、リーグがほとんど関係ないマッチメークとなっています。

オープン戦はあくまでも本番(NPBペナントレース)に向けての調整の場であり、若手や控えの選手にとっては本番での試合で使ってもらうためのアピールの場であり、さらにはペナントレースではプロ野球の試合がなかなか見られないような地方でもオープン戦は開催される事になっており、プロ野球の地方巡業的な意味合いもあります。

ただし、オープン戦は練習試合のようなものですが、練習試合ではありません。

練習試合はプロ野球のチーム同志が合意したうえで行うNPB管轄外の非公式戦ですが、オープン戦はNPB(日本プロ野球機構)の管轄の下で行われる有料での準公式試合という位置づけとなっています。あくまでペナントレースに向けての調整試合ですが、れっきとしたNPB主催の準公式戦でペナントレースの一連の流れの中で行われる正規の練習試合という位置づけこそがプロ野球オープン戦といってもいいのかもしれません。

プロ野球日本一球団を決めるセパによる真剣勝負、メインイベントの日本シリーズ

オープン戦が2月から3月にかけて行われる、まさに球春を到来させるプロ野球のオープニングイベントだとすれば、晩秋に行われる、プロ野球の最後を締めくくる一大ビッグイベントこそがプロ野球日本シリーズです。プロ野球ファンの間ではすっかり日本シリーズの名でお馴染みとなりましたが、正式名称は「日本選手権シリーズ」といいます。

日本シリーズとは、セントラル・リーグのCS(クライマックスシリーズ)優勝チームと、パシフィック・リーグのCS(クライマックスシリーズ)優勝チームがその年のプロ野球日本一の座をかけて争う、プロ野球ファンにはお馴染みの日本プロ野球界のクライマックスイベントです。セパ両リーグのCS優勝チームが最大で7試合を戦い、先に4勝した方が日本シリーズ優勝となり、栄誉ある日本一球団となります。

以前は純粋にセ・リーグの優勝チームとパ・リーグの優勝チームが日本一をかけて争うというスタイルだったのですが、クライマックスシリーズ導入後は、必ずしもリーグ優勝チームが日本シリーズに出場するわけではないという少々ややこしい事態となっています。リーグ優勝出来なかったチームが日本一となるという、かなり矛盾を抱えた図式に対して賛否両論がある、現在の日本シリーズですが、それでもやはりプロ野球の一年の最後を締めくくる一大イベントに変わりはありません。

セパ両リーグのペナントレースの1位から3位までが日本シリーズ出場権をかけて戦うクライマックスシリーズの優勝チーム同士が、日本一のプロ野球チームの座をかけて戦うのが日本シリーズというイベントなのです。まさに日本プロ野球界のメインイベントといってもいい存在ですね。

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ペナントレースに成績が加算され、リーグ優勝に大きな影響を及ぼすのがセ・パ交流戦

オープン戦と日本シリーズについてここまでザックリ説明してきましたが、最も大事なポイントはこのオープン戦と日本シリーズについては、ペナントレースとは全くの別物であるという事です。日シリはペナントの延長線上、結果によるイベントではありますが、シーズン中のペナントレースの結果には影響も及ぼしません。

しかしセ・パ交流戦はそこが全く違います。

最も分かりやすい例を出しましょう。2016年のパシフィック・リーグの勝敗表です。

順位 球団              勝 敗 分 勝率 差
優勝 北海道日本ハムファイターズ   87 53 3 .621 —
2位 福岡ソフトバンクホークス    83 54 6 .606 2.5
3位 千葉ロッテマリーンズ      72 68 3 .514 15.0
4位 埼玉西武ライオンズ       64 76 3 .457 23.0
5位 東北楽天ゴールデンイーグルス  62 78 3 .443 25.0
6位 オリックス・バファローズ    57 83 3 .407 30.0

ご存知のように日本ハムファイターズが優勝、CSも制して日本シリーズでも広島カープを破って日本一に輝きました。ペナントレースでは87勝53敗3引き分けという成績だったのですが、この勝敗の球団別内訳を見てみましょう。

対ソフトバンク 15勝9敗1分
対千葉ロッテ  15勝9敗1分
対埼玉西武   14勝11敗
対東北楽天   17勝8敗
対オリックス  16勝8敗1分

対広島     1勝2敗
対巨人     1勝2敗
対DeNA     3勝0敗
対阪神     2勝1敗
対ヤクルト   2勝1敗
対中日     1勝2敗

こうなっています。セ・リーグの6球団との対戦成績も含めての87勝53敗となっています。そうです、セ・パ交流戦の結果はペナントレースの成績に含まれるという事です。

セ・パ交流戦のみの成績によって交流戦優勝チームなどが決められたりしているので、実はプロ野球に詳しくないファンの中には単独で独立したイベントであるという風に勘違いしている人も未だにいらっしゃるようです。しかし、交流戦が本当に重要なのは、交流戦の結果がペナントレースの勝敗、順位表に含まれるからなのです。リーグ優勝を果たすためには、全143試合中、18試合を占めている交流戦で良い成績を残すのは必須といえるでしょう。ペナントレースとは完全に独立しているオープン戦や日本シリーズとの最も大きな違いはそこにあるのです。

13年の歴史を誇る「日本生命セ・パ交流戦」はリーグ優勝の行方を決める重要なシリーズに

2005年に開始されてから早いもので2018年で14年目を迎えるセ・パ交流戦。2018年は2017年に引き続いて日本生命が冠スポンサーとなって「日本生命セ・パ交流戦2018」と銘打って行われます。

2016年は劇的な優勝劇で日本中にカープ旋風を巻き起こした広島東洋カープ。そのカープが一気に勢いをつけたのがこのセ・パ交流戦でのセントラル・リーグ唯一の勝ち越しチームだったという奮闘ぶりだったという事からもこの交流戦の重要性はよくわかると思います。交流戦を境として勢いがつく球団と下位に低迷する球団が色分けされる傾向というのはよく見られますよね。

セ・リーグとパ・リーグとの真剣勝負の場は日本シリーズのみであるべきという意見などもまだあり、交流戦に対するプロ野球ファンのとらえ方というのは様々なのが実情ですが、確実に交流戦というプロ野球文化が根付いてきているのは紛れもない事実でしょう。

ファンにとっては普段は見られない対戦が楽しめるセ・パ交流戦。個人的には一昔前のプロレスの団体対抗戦のような趣きさえ感じます。今年も楽しみたいですね。

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