プロ野球のシーズンを締めくくる最大のビッグイベントといえば、なんといっても日本シリーズでしょう。
セントラル・リーグとパシフィック・リーグのクライマックスシリーズを勝ち上がってきたチーム同士で日本一の座をかけて雌雄を決するこの日本シリーズこそ、NPB(日本プロ野球)の選手たちや球団全てが目指すものでもあります。
日本プロ野球界がセ・パ両リーグの2リーグ制となって以来、60年以上も続いているこの日本シリーズ。そこでここでは、NPB12球団それぞれの日本シリーズでのこれまでの全成績を参考に、どの球団が最も日本シリーズで好成績を残しているのかを見ていきたいと思います。
ちなみに、例えば福岡ソフトバンクホークスであれば、その前身球団である福岡ダイエー、更にその前の南海・・といった具合に、身売りしてオーナーが変わる前のチームの成績も含めますのでご了承下さい。
なお、データは2017シーズン終了時のものとなっています。
日本一回数の多い球団ランキング 不滅のV9を誇るあの名門チームがぶっちぎりトップ
まずはシンプルに日本一になった回数の順位を見てみましょう。ただし、1リーグ制時代の優勝は含まず、あくまで日本シリーズに勝って日本一になった回数をカウントしています。
日本シリーズ優勝回数ランキング | ||
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順位 | 日本一回数 | 球団名 |
1 | 22回 | 読売ジャイアンツ |
2 | 13回 | 埼玉西武ライオンズ |
3 | 8回 | 福岡ソフトバンクホークス |
4 | 5回 | 東京ヤクルトスワローズ |
5 | 4回 | オリックス・バファローズ |
4回 | 千葉ロッテマリーンズ | |
7 | 3回 | 広島東洋カープ |
3回 | 北海道日本ハムファイターズ | |
9 | 2回 | 中日ドラゴンズ |
2回 | 横浜DeNAベイスターズ | |
11 | 1回 | 阪神タイガース |
1回 | 東北楽天ゴールデンイーグルス |
まあ、大方の予想通りなのではないでしょうか。ON(王貞治・長嶋茂雄)らを擁した川上哲治監督時代のV9時代をはじめとして、草創期から名門として君臨している巨人がぶっちぎりの1位です。
さらに昭和30年代・西鉄時代の3連覇や1980年代の西武黄金期などで日本一を数多く経験した西武がこれまた3位以下に倍近くの差をつけた2位、鶴岡一人監督時代の黄金期や、近年のソフトバンクになってからの強さが際立つソフトバンクが3位、そして初日本一は広岡監督時代の1978年(昭和53年)と遅かったものの、そこからコンスタントに日本一を重ねたヤクルトが単独の4位となっています。
球団創設が2005年という楽天が1度しか日本一経験が無いのは当然といえば当然なのでしょうが、一番意外だったのが、ともに球団創設80年以上の歴史を誇る中日が2回、阪神が1回という両名門チームの日本一の少なさでしょうか。リーグ優勝はしているのですが、日本シリーズでなかなか勝てないのが大きな要因です。
あと、個人的に意外だったのがオリックスの4回という数字。個人的に阪急ブレーブスの黄金期の凄さをぼんやりと覚えているもので、回数的にはこんなものだったのか・・という感じです。やはり70年代後半の巨人のV9時代に悉く日本シリーズで敗れた(9連覇中5度までのパの覇者が阪急ブレーブス)のが痛かったといえるかもしれませんね。
日本シリーズ勝利試合数ランキング 日シリ109勝で断トツ球団はやはり・・
続きましては、日本シリーズでの総勝利数へといきましょう。以下が日シリ総勝利数ランキングです。
日本シリーズ勝利数ランキング | ||
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順位 | 勝利数 | 球団名 |
1 | 109 | 読売ジャイアンツ |
2 | 68 | 埼玉西武ライオンズ |
3 | 48 | 福岡ソフトバンクホークス |
4 | 31 | オリックス・バファローズ |
5 | 24 | 東京ヤクルトスワローズ |
6 | 22 | 中日ドラゴンズ |
7 | 20 | 広島東洋カープ |
8 | 19 | 北海道日本ハムファイターズ |
9 | 17 | 千葉ロッテマリーンズ |
10 | 13 | 阪神タイガース |
11 | 10 | 横浜DeNAベイスターズ |
12 | 4 | 東北楽天ゴールデンイーグルス |
当然日本一回数のランキングと大きく密接に関連するランキングですので、トップ1~3は日本一回数と変わらず、巨人、西武、ソフトバンクとなっています。
しかしこの後の4位以下でやはり古豪チームが日本一回数ランキングより順位を伸ばしています。オリックスが5→4位、中日が9→6位、阪神も11→10位となっています。
日本シリーズ優勝率ランク 未だ日本一決定戦敗退のない球団とは??
続いては、日本シリーズにおける優勝率を見てみましょう。つまりこれは普通の勝率と同じで、日本シリーズ優勝回数を日本シリーズ出場回数で割って算出します。以下がそのランキングです。
日本シリーズ優勝率ランキング | ||||
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順位 | 優勝率 | 出場回数 | 優勝回数 | 球団名 |
1 | 1.000 | 1 | 1 | 東北楽天ゴールデンイーグルス |
2 | .714 | 7 | 5 | 東京ヤクルトスワローズ |
3 | .667 | 3 | 2 | 横浜DeNAベイスターズ |
.667 | 6 | 4 | 千葉ロッテマリーンズ | |
5 | .647 | 34 | 22 | 読売ジャイアンツ |
6 | .619 | 21 | 13 | 西武ライオンズ |
7 | .444 | 18 | 8 | 福岡ソフトバンクホークス |
8 | .429 | 7 | 3 | 広島東洋カープ |
.429 | 7 | 3 | 北海道日本ハムファイターズ | |
10 | .333 | 12 | 4 | オリックス・バファローズ |
11 | .200 | 10 | 2 | 中日ドラゴンズ |
12 | .167 | 6 | 1 | 阪神タイガース |
日シリ出場回数は少ないものの、まだ日本シリーズで負け知らずの球団が1球団あります。最も球団創設からの日が浅い東北楽天ゴールデンイーグルスが勝率10割で1位となっています。これから日シリ出場が増えるにしたがってこの数字がどうなっていくのかが楽しみですね。
2位は東京ヤクルト、3位は横浜DeNAと千葉ロッテが同率タイで続き、5位に名門・巨人がランクインです。日シリ出場34回での勝率6割越えはさすがというしかない素晴らしい成績ですね。6位の西武もこの出場回数での勝率6割以上は見事です。
セントラル・リーグ西の名門である中日と阪神にはこれからの巻き返しに期待しましょう。
日本シリーズ勝率ランク 唯一勝率6割以上の驚異の数字を誇るセ・リーグ球団とは?
最後に、日本シリーズにおける全試合の勝敗数による勝率ランキングをご紹介しましょう。
日本シリーズ勝率ランキング | |||||
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順位 | 勝率 | 勝 | 負 | 分 | 球団名 |
1 | .625 | 10 | 6 | 0 | 横浜DeNAベイスターズ |
2 | .585 | 24 | 17 | 0 | 東京ヤクルトスワローズ |
3 | .571 | 4 | 3 | 0 | 東北楽天ゴールデンイーグルス |
4 | .551 | 109 | 87 | 2 | 読売ジャイアンツ |
5 | .531 | 17 | 14 | 1 | 千葉ロッテマリーンズ |
6 | .523 | 68 | 60 | 2 | 西武ライオンズ |
7 | .485 | 48 | 50 | 1 | 福岡ソフトバンクホークス |
8 | .463 | 19 | 21 | 1 | 北海道日本ハムファイターズ |
9 | .443 | 31 | 37 | 2 | オリックス・バファローズ |
10 | .417 | 20 | 25 | 3 | 広島東洋カープ |
11 | .400 | 22 | 32 | 1 | 中日ドラゴンズ |
12 | .361 | 13 | 22 | 1 | 阪神タイガース |
日本シリーズ全試合における勝率1位は横浜です。3度の日本シリーズのうち4-0、4-2と優勝しており、勝率は12球団唯一6割以上を誇ります。
さらに日シリで強さを誇るヤクルトが2位、1度の進出で日本一となった楽天が3位につけます。
巨人は12球団断トツとなる109勝を挙げて4位、勝利数2位となる68勝の西武も勝率5割以上で6位にランクインしています。
ここ数年で黄金期に入った感のあるソフトバンクと広島はこれから大きく数字を伸ばす可能性があるのではないでしょうか。
クライマックスシリーズ導入でますます重要となる短期決戦での強さ
どうでしたでしょうか。中には数字が少なすぎてデータ云々とはならない球団もありますが、こうして見てみるとなかなか面白い数字が出て来ますね。
当然日本シリーズという短期決戦だけでそのチームの強さ云々を測れるものではないでしょう。しかし、だからこそ短期決戦というのは面白いともいえると思います。
チームを率いる指揮官にも短期決戦向きの監督、長丁場のペナントレース向きの監督など様々なタイプがいるように、チームにも短期決戦に強いチーム、苦手なチームというのが存在するのは必然といえるでしょう。
クライマックスシリーズというシステムが誕生し、近年はますます短期決戦の重要性が増している日本プロ野球界。これからも短期決戦の戦い方を重視する傾向が強まっていくのではないでしょうか。
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