140年以上の歴史を誇るメジャーリーグベースボール(MLB)と、遅れる事60年後に極東で産声を上げた日本プロ野球。
今でこそアメリカへ日本選手がわたって活躍するグローバルな時代となりましたが、そこに至るまでに両国では様々な国内リーグでのレジェンド選手が生まれて活躍してきました。
ここではそんな両国のプロ野球の歴史において記録に名を残す通算記録のトップ10ランカーをご紹介していきたいと思います。
なお、通算記録とランキングは日米両国ランキングとも2017シーズン終了時点のものとなっています。
日米通算安打数 ピート・ローズや張本勲ら日米の安打製造機‥イチローは?
メジャーリーグ(MLB) | 日本プロ野球(NPB) | ||||
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順位 | 選手名 | 安打数 | 順位 | 選手名 | 安打数 |
1 | P・ローズ | 4256 | 1 | 張本勲 | 3085 |
2 | T・カッブ | 4191 | 2 | 野村克也 | 2901 |
3 | H・アーロン | 3771 | 3 | 王貞治 | 2786 |
4 | S・ミュージアル | 3630 | 4 | 門田博光 | 2566 |
5 | T・スピーカー | 3515 | 5 | 衣笠祥雄 | 2543 |
6 | D・ジーター | 3465 | 5 | 福本豊 | 2543 |
7 | H・ワグナー | 3430 | 7 | 金本知憲 | 2539 |
8 | C・ヤストレムスキー | 3419 | 8 | 立浪和義 | 2480 |
9 | P・モリター | 3319 | 9 | 長嶋茂雄 | 2471 |
10 | E・コリンズ | 3314 | 10 | 土井正博 | 2452 |
通算安打数といえば2016年にマイアミ・マリーンズ所属のイチロー選手が日米通算4257安打目を放ってP・ローズの持つ通算ヒット数記録を更新し、日米通算記録の事についてちょっとした議論を巻き起こしたことが記憶に新しいところです。ちなみにそのイチロー選手、日本で1278安打、アメリカで3080安打という事でこのランキングにはまだ入っていません。
日本における3000本安打達成選手は張本勲さんしかいないのに対し、メジャーリーグでは31人の達成者がいます。年間試合数の違いなどもありますが、歴史の違いというのも大きいでしょうね。
日米通算ホームラン数 王貞治異次元の868ホーマー。ボンズ、ルースら上位陣
メジャーリーグ(MLB) | 日本プロ野球(NPB) | ||||
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順位 | 選手名 | 本塁打数 | 順位 | 選手名 | 本塁打数 |
1 | B・ボンズ | 762 | 1 | 王貞治 | 868 |
2 | H・アーロン | 755 | 2 | 野村克也 | 657 |
3 | B・ルース | 714 | 3 | 門田博光 | 567 |
4 | A・ロドリゲス | 696 | 4 | 山本浩二 | 536 |
5 | W・メイズ | 660 | 5 | 清原和博 | 525 |
6 | K・グリフィーJr | 630 | 6 | 落合博満 | 510 |
7 | J・トーミ | 612 | 7 | 張本勲 | 504 |
8 | S・ソーサ | 609 | 7 | 衣笠祥雄 | 504 |
9 | A・プホルス | 591 | 9 | 大杉勝男 | 486 |
10 | F・ロビンソン | 586 | 10 | 金本知憲 | 476 |
※赤字は現役選手
何といってもこの部門の通算記録で日本人として嬉しいのはやはり「世界の王」こと世界のホームラン王、王貞治さんの持つ868本という世界記録ですよね。球場の広さや投手のレベル等、色々と議論はありますがこの868本塁打というのは常人で成し遂げられるものでない事は明らかです。なんといっても40本塁打を22年続けてようやく達成できる記録なのです。まあ普通に考えたらまず無理ゲーでしょう。
そんな異次元ともいえる王さんの記録に最も近づいたのがバリー・ボンズ。左打者、ボール球は絶対に振らない驚異の選球眼など二人の共通点は多いです。他、ハンク・アーロンやベーブ・ルース、野村克也、門田博光など生粋のホームランアーティストが名を連ねます。
現役選手で唯一この歴史的長距離砲のランキングに入ったのプホルス。エンゼルスに入団してからは緩やかに成績が下降気味なのが気になりますが、何といってもまだ37歳。どこまで上位に迫れるか注目ですね。
日米通算打点数 メジャートップはハンク・アーロン。現役選手では広島カープのあの大砲が?
メジャーリーグ(MLB) | 日本プロ野球(NPB) | ||||
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順位 | 選手名 | 打点数 | 順位 | 選手名 | 打点数 |
1 | H・アーロン | 2297 | 1 | 王貞治 | 2170 |
2 | B・ルース | 2220 | 2 | 野村克也 | 1988 |
3 | C・アンソン | 2075 | 3 | 門田博光 | 1678 |
4 | A・ロドリゲス | 2055 | 4 | 張本勲 | 1676 |
5 | B・ボンズ | 1996 | 5 | 落合博満 | 1564 |
6 | L・ゲーリッグ | 1992 | 6 | 清原和博 | 1530 |
7 | S・ミュージアル | 1951 | 7 | 長嶋茂雄 | 1522 |
8 | T・カッブ | 1938 | 7 | 金本知憲 | 1521 |
9 | J・フォックス | 1922 | 9 | 大杉勝男 | 1507 |
10 | E・マレー | 1917 | 10 | 山本浩二 | 1475 |
アーロン、ルース等ホームラン数上位の選手が順当にいる中で通算本塁打数メジャー1位のバリー・ボンズは打点では5位となっています。しかしこれはボンズがチャンスに弱かったというわけではなく、チャンスで敬遠や敬遠気味の四球で歩かされるケース、さらには驚異的な選球眼のために際どいボールに手を出さず四球が増えた事が原因でしょう。同じことが追う選手にも言えますが、王選手は日本では打点数₁位となっていますが、打点ではアーロンやルースの後塵を拝しています。
現役で最もトップ10に近いのが日本では広島カープの新井貴浩選手。チャンスでの強さには定評のある選手ですよね。そしてメジャーでは同じく18位のマニー・ラミレス。高知ファイティングドッグス所属の一応現役という事で・・
日米通算盗塁数 球場名にもなったヘンダーソンと国民栄誉賞辞退の福本豊
メジャーリーグ(MLB) | 日本プロ野球(NPB) | ||||
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順位 | 選手名 | 盗塁数 | 順位 | 選手名 | 盗塁数 |
1 | R・ヘンダーソン | 1406 | 1 | 福本豊 | 1065 |
2 | L・ブロック | 938 | 2 | 広瀬叔功 | 596 |
3 | B・ハミルトン | 914 | 3 | 柴田功 | 579 |
4 | T・カッブ | 897 | 4 | 木塚忠助 | 479 |
5 | T・レインズ | 808 | 5 | 高橋慶彦 | 477 |
6 | V・コールマン | 752 | 6 | 金山次郎 | 456 |
7 | A・レイサム | 742 | 7 | 大石大二郎 | 415 |
8 | E・コリンズ | 741 | 8 | 飯田徳治 | 390 |
9 | M・キャリー | 738 | 9 | 呉昌征 | 381 |
10 | H・ワグナー | 723 | 9 | 赤星憲広 | 381 |
うーん、リッキー・ヘンダーソン強すぎですよね。さすがは1990年代前半のオークランド・アスレチックス黄金期の最強の1番バッターです。ちなみにアスレチックスの本拠とする球場名は「リッキー・ヘンダーソン・フィールド」です。まあそれだけ凄い男だという事ですね。
ヘンダーソンに通算盗塁数では抜かれたものの元記録保持者だったのが阪急ブレーブス黄金期の斬り込み隊長・福本豊さん。「立小便もでけへんようになる」との理由で国民栄誉賞を辞退したというこの世界の盗塁王も凄かったですよね。盗塁技術だけでなく小柄ながらパンチ力もありミートも上手いという、レジェンドです。
その他はルー・ブロックやタイ・カップ、ティム・レインズなど、凄い面々が並ぶメジャーリーグに対し、日本も南海ホークスの韋駄天、広瀬叔功(よしのり)さんや巨人V9時代のトップバッター、“赤手袋”の柴田勲、カープの色男・高橋慶彦など個性豊かな面々が名を連ねています。
なお、中日ドラゴンズの荒木雅博選手は9位タイにあと3つと迫る378盗塁で現在11位につけています。なんとかトップ10入りを果たしてもらいたいですね。
日米通算勝利数 金田正一の記録を上回るサイ・ヤングの勝利数の異次元さ
メジャーリーグ(MLB) | 日本プロ野球(NPB) | ||||
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順位 | 選手名 | 勝利数 | 順位 | 選手名 | 勝利数 |
1 | C・ヤング | 511 | 1 | 金田正一 | 400 |
2 | W・ジョンソン | 417 | 2 | 米田哲也 | 350 |
3 | P・アレクサンダー | 373 | 3 | 小山正明 | 320 |
3 | C・マシューソン | 373 | 4 | 鈴木啓示 | 317 |
5 | P・ガルヴィン | 365 | 5 | 別所毅彦 | 310 |
6 | W・スパーン | 363 | 6 | V・スタルヒン | 303 |
7 | K・ニコルズ | 361 | 7 | 山田久志 | 284 |
8 | G・マダックス | 355 | 8 | 稲尾和久 | 276 |
9 | R・クレメンス | 354 | 9 | 梶本隆夫 | 254 |
10 | T・キーフ | 342 | 10 | 東尾修 | 251 |
日本球界で散々と輝く金田正一さんの400勝。米田哲也さん、小山正明さん、鈴木啓示さん、別所武彦さん、スタルヒンさんの300勝も凄いです。先発投手の中4日以上登板が常識化した現代野球において、もう日本球界で300勝投手は生まれる事はないでしょう。だって金やんの400勝って20勝を20年続けなければならないわけですから・・どう考えたって無理です(笑)。
そんな金やんよりさらに100勝以上多く勝ったのがアメリカのサイ・ヤング。そう、MLB最高の投手に贈られる「サイ・ヤング賞」にその名を残す伝説的名投手です。511勝って・・もう笑てまうしかないでしょう(苦笑)。
なお、日本でも伝説の名投手として最高の投手に贈られる「沢村賞」にその名を残す沢村栄治さんの通算勝利数は62勝。つくづく戦争のない時代にこの天才投手が生まれていたら・・と夢想してしまいますよねえ・・
日米通算奪三振数 ライアン、ジョンソン、クレメンス‥伝説の剛速球投手がズラリ
メジャーリーグ(MLB) | 日本プロ野球(NPB) | ||||
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順位 | 選手名 | 勝利数 | 順位 | 選手名 | 勝利数 |
1 | N・ライアン | 5714 | 1 | 金田正一 | 4490 |
2 | R・ジョンソン | 4875 | 2 | 米田哲也 | 3388 |
3 | R・クレメンス | 4672 | 3 | 小山正明 | 3159 |
4 | S・カールトン | 4136 | 4 | 鈴木啓示 | 3061 |
5 | B・ブライレブン | 3701 | 5 | 江夏豊 | 2987 |
6 | T・シーバー | 3640 | 6 | 梶本隆夫 | 2945 |
7 | D・サットン | 3574 | 7 | 工藤公康 | 2859 |
8 | G・ペリー | 3534 | 8 | 稲尾和久 | 2574 |
9 | W・ジョンソン | 3504 | 9 | 三浦大輔 | 2481 |
10 | G・マダックス | 3371 | 10 | 村田兆治 | 2363 |
日本の上位トップ4は通算勝利数上位4人がそのままスライドしています。その後には江夏豊や工藤公康、村田兆治など一時代を築いたドクターKがランクインしています。
アメリカは更に凄いですね。ノーラン・ライアンにランディ・ジョンソン、ロジャー・クレメンス・・この辺りはもう日本でもお馴染みですよね。共通するのが、どの投手も恐ろしく速い球を投げる剛速球投手であったという事です。やはり奪三振の基本はストレート(フォーシーム)だという事を改めて思い起こさせてくれる投手たちです。
アメリカではこのランキングに入りそうな投手はまだ見当たりませんが、日本にはトップ10入りを伺う奪三振マシンが一人います。巨人の杉内俊哉投手がそうです。現在通算2156三振で14位にランクインしています。ここ数年は怪我に泣かされていますが、ケガさえ治ればその実力は成績が示している通り。不死鳥のように蘇っての記録更新に期待したいですね。
日米通算セーブ数数 岩瀬、球児、サファテら現役ストッパーがランクイン!
メジャーリーグ(MLB) | 日本プロ野球(NPB) | ||||
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順位 | 選手名 | 勝利数 | 順位 | 選手名 | 勝利数 |
1 | M・リベラ | 652 | 1 | 岩瀬仁紀 | 404 |
2 | T・ホフマン | 601 | 2 | 高津臣吾 | 286 |
3 | L・スミス | 478 | 3 | 佐々木主浩 | 252 |
4 | F・ロドリゲス | 437 | 4 | D・サファテ | 229 |
5 | J・フランコ | 424 | 5 | 小林雅英 | 228 |
6 | B・ワグナー | 422 | 6 | 藤川球児 | 223 |
7 | D・エカーズリー | 390 | 7 | 江夏豊 | 193 |
8 | J・ネイサン | 377 | 8 | 馬原孝浩 | 182 |
9 | J・パペルボン | 368 | 9 | M・クルーン | 177 |
10 | J・リアドン | 367 | 10 | 武田久 | 167 |
※赤字は現役選手
まだ公式記録制定から半世紀も経たない、この中では新しい記録の概念となるセーブ記録。昔に比べると抑え投手の役割が格段に重要となっている現代野球ではチームの浮沈を握る程に重要な数字といえるでしょう。
年々投手の分業制が進んで、中継ぎ、セットアッパー、クローザーと、先発投手以外のピッチャーの重要性が増していることを示すように、ランキングには比較的新しい選手たちが多くランクインしています。現役投手も日米合わせて6投手が入っていますね。
この現役投手達の中でバリバリのストッパーとしてこれからもセーブ数を伸ばしていきそうなのが福岡ソフトバンクホークスのサファテでしょう。年齢的な衰えもほとんど見えず、どこまで記録を伸ばしていくのか楽しみです。
通算1位の岩瀬や藤川球児らにも当然期待なのですが、現在156セーブで13位にランクインしているオリックスの平野佳寿投手もさらなるランクアップが期待できるクローザーですね。
打撃部門・投手部門それぞれのシーズン記録の日米比較についてはこちらをご覧ください。
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