7月に入り、プロ野球は交流戦を終えてオールスターを控えた折り返し点を間近に控えています。
Jリーグは第1ステージを終わり、第2ステージへと突入。これからは降格やポストシーズン進出をかけたトップ3を決める年間順位もだんだんクローズアップされてくる頃です。
というわけで、どちらも夏真っ盛りのまさに盛り上がりを見せているのですが、相変わらず某匿名掲示板ではプロ野球ファンとサッカーファンが、お互いの事を「サカ豚」「やき豚」と罵り合っている平常運転でもあります(笑)。
野球とサッカーの試合が同時間帯にテレビ放送で被ろうものならもう祭り状態。視聴率が高い低いでそりゃあもう大騒ぎのお祭り状態。まあそれはそれで面白いんですけど(笑)。
まあ、ほとんどのファンは他競技をけなすようなファンではないんですけど、確かにお互いの熱狂的なファンの中にはサッカーや野球に敵対心を持っている人も少なからずいますね。わたしの周りがそうですから。
野球とサッカー、日本を代表する2大人気スポーツ
わたしの周りにはサッカーファンも野球ファンもいます。やはり30代以下にはサッカーファンが多く、50代以上には野球ファンが多いといった印象ですね。わたしと同じ40代は割とどちらも好きという人間が結構います。まあわたしもどちらも好きです。子供の頃はサッカー小僧でしたが、親がプロ野球ファンで、茶の間のテレビは常にプロ野球でしたからね。そりゃあ洗脳されて好きにもなりますよ(笑)。
職場でも海外サッカー好きもJリーグ好きも代表戦好きもいますし、プロ野球ファンもメジャーリーグファンもいますね。
やっぱり何だかんだで日本を代表する2大人気スポーツなんだなと思います。
そんな中、ついこの前に上司であるプロ野球ファン(熱狂的阪神ファン)の50代管理職と飲みに行ったときに、野球とサッカーの話題になりました。基本的にその上司の人は仕事面でも尊敬できる人で、人間的にも信頼できる人なのですが、そんな上司のサッカー観に納得がいきませんでした。
具体的に言えば、野球とサッカーにおける監督の重要性についての話です。
こういうやり取りで野球ファンとサッカーファンの間にしこりが出来るのかなぁとふと思ったので、ちょっとご紹介したいと思います。
とある酒席での野球ファンの上司との会話
この議論に至った詳しいやり取りはハッキリと覚えていないところもありますので、途中からです。
上司「まあ、野球は監督が重要だからなぁ。経験もない監督じゃあ優勝は出来んわな。名選手名監督にあらずって言うしな」
自分「そうですねえ。確かに。知名度だけで監督選ぶ風潮有りますよね、最近」
上司「そういや、○○(わたしの名前)はサッカー好きだよなあ。今の監督、なんとかジッチだっけ?サッカーも外国人監督ばっかで日本人を監督にしないよなあ(日本代表の話)。日本人に監督やらせりゃあいいんだよ、サッカーの監督なんて誰がやったって一緒なんだからさ」
自分「うーん、でもサッカーで監督って凄く重要ですよ。世界のベストイレブン揃えたって、監督がクソだとチームもクソになっちゃいますからねえ」
上司「いやいや、それは野球の話だよ。野球こそ監督大事だぞ。サッカーなんて試合中に3人交代させるだけだろ?野球とは監督の仕事量が違うって」
自分「確かに試合中の仕事はそうですね。ただし、チーム作りという点においては野球よりサッカーの方が監督は大事になると思いますよ。監督によって同じメンバー選んでも全く違うチームになりますからね」
上司「いやいや、監督の重要性だったら野球の方が絶対上だって・・(以下うろ覚えなので略笑)」
この後わたしが素直に折れましたが(笑)、どうにも納得できないやり取りでしたね。何度も言いますが凄くいい上司なんですが、この話についてはやっぱり納得できませんね。
近代サッカーは戦術ありき。強豪と弱小の差は昔ほどない?
代表の監督が日本人がいいか外国人がいいかはとりあえず置いとくとして、一番納得がいかなかったのは、サッカーの監督の重要性を全く認識していない事です。
試合中の選手交代が一番の役割であるという認識からして大間違いなんですよね。
確かに昔のサッカーは個人技頼みの側面が大きく、優れた選手を多く揃えたチームが勝ちやすいスポーツでした。
しかし近代サッカーは違います。戦術は日々新しいものが出てきて、それに対抗する戦術が生み出されています。特にヨーロッパでは戦術は生き物であり、常に新陳代謝が行われているような状態です。
選手個人の技量を尊重するよりも、選手を戦術に当てはめ、そこに最も適した選手を選び起用するという、チーム戦術ありきの考え方が現在の主流となっています。どのチームもしっかりとした戦術を持ってそれを浸透させて戦っているため、昔に比べると強豪チームと弱小チームの差がなくなってきています。
ユーロ2016で強豪国が早期敗退し、初出場のアイスランドやウエールズが躍進したのはそういった理由からです。個々のタレント能力からしてみれば、ベスト8で姿を消したベルギーや決勝T1回戦敗退のイングランドなどの方が遥かに格上です。
一番の両者の違いは監督です。どんなに優れたタレントを揃えても、監督が凡庸だとチームも凡庸な成績しか残せないという事をユーロ2016でのベルギーとイングランドはハッキリと示してくれたと思っています。
王国・ブラジル衰退の原因はトレンドに取り残された古いサッカーが原因
王国ブラジルが簡単に勝てなくなったのもそれが大きな原因だと思っています。ブラジルのサッカーはやはり古いですね。古き良き時代への懐古主義を引きずるが故に時代に取り残されたようなサッカーです。反対に、南米の各国はしっかりとした組織的な近代サッカーを取り入れ、個々のレベルもアップしているため、ブラジルといえどもコパ・アメリカで予選敗退し、南米予選で大苦戦を強いられているのです。
確かにブラジルの選手たちが小粒になってしまったという面もあるでしょう。
現在のブラジル代表ではネイマールがクローズアップされていますが、その他の選手は本当に地味ですね。とっくにピークを過ぎたカカがまだ代表に選ばれているくらいですから、タレント不足なのでしょう。ネイマールは一昔前の代表だったらワンオブゼム(大勢のタレントのうちの一人)といった存在だったと思います。そんくらいセレソン(ブラジル代表の愛称)は層が厚かったのです。
おっと、話が脱線しそうだ(笑)。
何が言いたいかというと、ブラジルもしっかりとした監督を据えれば復活できる可能性は大だという事です。
先ほど述べたように、ヨーロッパでは常に新しい戦術が生まれ、それに対抗する戦術が生み出されています。サッカーのトレンドは常にヨーロッパにある状態なのです。ブラジルは徹底して自国の監督に拘っていますが、ブラジル代表の監督はトレンドに取り残されたような監督ばかりです。要するに時代遅れという事ですね。
しっかりとした戦術を持ち、それに沿ったチーム作りを出来る監督を選べば、全く違ったチームになると思いますね。
サッカーの場合、補強の優先度は監督>選手?
ああ・・話が脱線しまくり・・(涙)。
とにかく何が言いたいかというと、サッカーチームは監督によって石ころがダイヤモンドにも石ころにもなるって事です。
例えば、あるサッカーチームがあったとして、100億の補強資金があるとします。最もチームを強くするためにこの資金をどう使うか?
リオネル・メッシやクリスティアーノ・ロナウドといった超一流選手を獲得するよりも、わたしであればまず、ジョゼップ・グアルディオラやアントニオ・コンテ、カルロ・アンチェロッティ、ディエゴ・シメオネといった超一流監督を招聘するために使います。
それがチームを強くする最も効率的なお金の使い方だと思うからです。
野球の場合は逆だと思っています。
一流の監督を獲得するよりも、バリバリのメジャーリーガーや2桁勝てる先発投手を補強した方がチームは強くなると思います。
まああくまで私見ですが、それくらい監督の重要度は野球とサッカーで違うと思っています。
野球の醍醐味は選手同士の個と個の力のぶつかり合い
とはいえ、野球の監督は誰でもいいと言っているわけではもちろんありません。
野球の監督は試合中に決断しなければならない采配はサッカーとは比べ物にならないくらい多いのは事実です。ただし、チーム作りやチーム戦術といったものはサッカーに比べて各監督によってそう差はないと思います。
あくまで野球は個々の選手たちの実力がダイレクトに反映されやすいスポーツだと思うのです。
ちなみに往年の巨人V9の名捕手で、監督として西武ライオンズ常勝軍団を作り上げ黄金時代を築いた森祇晶(もりまさあき)氏は現役監督時代にこんなことを言っていました。
「実際に監督の采配で勝敗が左右される試合なんて年に数試合程度だよ」
野球の試合の醍醐味はやはり個と個との力のぶつかり合い、投手と打者の対決、走者と捕手、走者と外野手などなど・・そこだと思うんです。
あくまで監督はスパイスのようなものだとわたしは思っています(んなこと言ってたらノムさん怒り狂いそうですけど汗)。
サッカーと野球は面白さの質が違うので棲み分け可能
というわけで、個人的にはサッカーと野球は面白さの質が全く違うという事でわたしの中では棲み分けが出来ているんです。
職場でもサッカー好きとはサッカーの話で、野球好きとは野球の話で盛り上がっています。どちらも面白いし、大好きなスポーツですね。
だからこそ、野球好きの人にはサッカーの面白さを、サッカー好きの人には野球の面白さをもっと知ってもらいたいなと思っています。
サッカー大好きな方の自分から言わせてもらったら、「サッカーの監督なんて誰がやったって同じ」などと言われたら、そりゃあ黙ってはいられませんよ(だったらなぜ折れる?笑)。
とにかく、これからもどっちも大いに楽しませてもらいたいと思っています。だってどっちも面白いから。
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