オリンピック種目の中でも花形競技の陸上。
その中でも1番と言っていいほどの注目を集める今回のリオオリンピック男子100m走。
世界的な注目度はもちろんウサイン・ボルト(ジャマイカ)のオリンピック三連覇や、そのボルトを破るのは誰なのか?という事なのは致し方ありません。
しかし、我々日本人にはもっと大きな注目要素があります。それは、今回のリオでこそ
日本人初の9秒台が出るのか?
戦後初の日本人選手の決勝進出なるか?
この2点といってもいいでしょう。
ケンブリッジ、山縣、桐生は日本人初の9秒台の記録を出せるのか?
まずは日本人初の9秒台に突入するのか?という事からです。
今回のリオ五輪男子100m日本代表はこの三人です。
ケンブリッジ飛鳥
山縣亮太
桐生祥秀(きりゅうよしひで)
各自の100mベストタイムが下記の通りとなっています。
ケンブリッジ飛鳥 10秒10 2016年5月21日
山縣亮太 10秒06 2016年6月5日
桐生祥秀 10秒01 2016年6月11日(2013年にも記録)
3人が3人とも自己ベストを今年に入ってから更新しているのです。
日本でこの3人に9秒台突入の期待がかかるのは当然と言えるのかもしれません。
一昔前までは、日本人の身体能力では9秒台の記録は無理だという風潮が根強くありました。しかし同じ東アジアの中国人選手、蘇炳添(スー・ビンチャン/そへいてん)はすでに昨年9秒99を記録し、一足早く9秒台スプリンターの仲間入りを果たしています。人種的に日本人には無理だという定説はすでに覆されているのです。
陸上の識者の人たちは口々にこう言います。
「日本人選手は既に9秒台を出せる力は持っている。後はそれを大舞台で出せるかどうか」
だと。
その大舞台がオリンピックという最大最高の舞台となるのかどうか?楽しみで仕方ないじゃあありませんか。
戦後初の日本人100mファイナリストになるためには準決勝での9秒台が絶対に必要??
そしてもう一つの日本国内の関心事、日本人選手がオリンピック100mファイナリストになれるかどうか?
これに関しては、日本人選手たちが頑張ってもどうにもならない可能性もあります。いくら素晴らしい記録を残したとしても、世界の強豪たちがそれ以上の記録を出してしまえば終わりだからです。ファイナリストに用意されている席はわずかに8席しかないのです。
そこで参考までに、陸上競技の最後方の大会である世界陸上の男子100mを見てみましょう。
2015年の世界陸上男子100mでは、先ほどご紹介した中国の蘇炳添が準決勝で9秒99をマークして決勝へ進出。アジア人初のファイナリストとなりました。ちなみに蘇炳添とともに中国短距離界のエースとして世界的に知られている張培萌(ちょうばいほう)は2013年の世界陸上準決勝で10秒00の記録で走りながら決勝進出出来ませんでした。
この事実から言えることはたった一つ。100mのファイナリストになるには9秒台が必要だという事です。つまり、日本人が戦後誰も成し遂げていない100m決勝進出者になるためには、同時に9秒台を準決勝という舞台でたたき出す必要があるという事です。
日本人初の100m決勝進出と日本人初の9秒台というのは一対といってもいいという事なのです。
確かに非常に難しく、困難なミッションなのは間違いないでしょう。
しかし、安定感抜群の山縣亮太、爆発力の桐生祥秀、若さと勢いのケンブリッジ飛鳥という日本人100mスプリンター最強メンバーであれば、この困難なハードルを誰かが飛び越してくれそうな期待が大いに持てると思います。
このリオ五輪100mの注目はウサイン・ボルトやジャスティン・ガトリン(アメリカ)だけではないという事ですね。日本人が誰も踏み入れた事の無い領域に足を踏み入れる事が出来るのかどうか?そこにも大いに注目しましょう。
陸上男子100mの日程とテレビ中継予定
リオオリンピック陸上男子100m
8月13日 予備予選 21:30 日本テレビ・NHKBS-1で放送予定
8月15日 準 決 勝 09:00 フジテレビ・NHKBS-1で放送予定
8月15日 決 勝 10:25 フジテレビ・NHKBS-1で放送予定
放送予定は予告なく変更となる場合がありますので、念のため番組表などでご確認ください。
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