10月の代表的な行事といえば、10月31日に行われる「ハロウィン」。
といわれても、恐らく高齢になればなるほど、ハロウィンが恒例行事であるという実感は沸かないのではないでしょうか。
実際、40代のわたしは未だにハロウィンと言われてもピンとこないというのが正直なところです。
ハロウィンとは古代ケルト人に古くから伝わる魔除けがルーツ
ハロウィンとはいったい何なのでしょうか。
ハロウィンの起源は古代ケルト人の悪霊除けだと言われています。ケルト人とは紀元前のヨーロッパやアジアなどを席巻していたと言われている民族であり、現在でも世界にたくさんのケルト系の人たちが存在していますが、特にアイルランドやスコットランド、ウェールズ、フランスのブルゴーニュ地方などに特に多くの人が住み、文化なども色濃く残っています。
ケルト人にとって10月31日という日は特別な日でした。10月31日はケルト人にとっては夏が終わる日であり、同時に冬の始まりの日でもありました。そしてこの10月31日には人間に害を及ぼす魔女や精霊が出てくるといわれており、魔よけのために仮面をかぶってたき火を焚いていたのです。これがハロウィンの起源と言われています。ですから、ハロウィンというのは10月31日なのです。
これらの古くからのケルト人の風習は、ケルト人が世界中に移っていく事によってその地域に広がっていきました。
現在ハロウィンが行事として定着しているのは主に英語を話す国々です。
イギリス、アイルランド、アメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドなどですね。そして英語圏ではないですが、日本でもここ数年は飛躍的にハロウィンが普及し始めています。他の国々とは多少違った意味でですが(苦笑。まあそのことについては後述することとしましょう。
「ジャック・オー・ランタン」「トリック・オア・トリート」とは?
夏が終わって冬が始まる10月31日に悪霊除けとしてケルト人の間で古くからおこなわれていた風習が元となって現在に伝わるハロウィン。
では現在のハロウィンというと、どうなのでしょうか。
一番印象深いのはかぼちゃの中身をくりぬいて目や口などの形に穴をあけてかぼちゃを顔に見立てたものの中にろうそくを入れて火をつける「ジャック・オー・ランタン(ジャック・オ・ランタン)」なのではないでしょうか。

ジャック・オー・ランタン
出典:wikipedia
ハロウィンを祝う家ではこの「ジャック・オー・ランタン」を飾って魔除けとします。これは古来からのハロウィンの風習が色濃く受け継がれているものと言えますね。
そして現代におけるハロウィンのもう一つの代表的なものが、子どもたちが「トリック・オア・トリート!」といって近所の家を訪問するという事です。
「トリック・オア・トリート」とは直訳すれば「いたずら?それともごちそう?」という意味であり、現在では「お菓子ちょうだい。くれないといたずらしちゃうよ」という意味でつかわれる事が多くなっています。
近所の家の大人たちはハロウィンの10月31日にはお菓子を大量に用意して「トリック・オア・トリート」といって訪問してくる子供たちにお菓子をあげるのが一般的となっています。
この風習は個人的には凄くいいと思いますね。日本では近年でも特に近所付き合いという昔ながらのコミュニティが無くなって来つつありますが、その意味ではこの「トリック・オア・トリート」はいいのではないでしょうか。大人がついてないともちろんダメですけどね。
子供のためのイベントという側面よりも仮装パーティの要素が強い日本のハロウィン
さて、近年飛躍的にハロウィンが広まってきているここ日本ではどうなのでしょう。
日本にハロウィンが広まるきっかけとなったのは、なんといってもTDLのハロウィンイベントでしょう。これによって広まった上にお菓子業界やおもちゃ業界が乗っかる形で参入していき、現在の様な広がりを見せるに至りました。
各店舗ではハロウィンが近づく10月に入ると「ジャック・オー・ランタン」を飾ったりしてハロウィン気分を盛り上げている店が多いですし、うちの近所などでも小さい子供のいる家庭などでは手作りのジャック・オー・ランタンを飾っている家も増えて来ました。
しかし日本でハロウィンと言えば、ほとんどの人が「仮装」というキーワードを思い浮かべるのではないでしょうか。本来の趣旨である魔除けの要素や、子どもたちがお菓子を集めるといった英語圏で主流となっている要素は少ないのが現状です。
アメリカでは子供たちを迎える大人たちも仮装して迎えるという傾向が強く、それが発展してティーンエイジャーたちが仮装して楽しむという部分が発展した経緯がありますが、日本のハロウィンではそちらの側面が強く出ている傾向にありますね。ハロウィンイベントの古参である「カワサキ・ハロウィンパレード」を始めとして、各地で多くの仮装パーティ、仮装パレードが催されているのがいい例ですね。
まあ日本の場合、クリスマスやバレンタインなども西洋の本来の趣旨からは外れて独自の発展を果たしてきましたから、これは当然といえば当然の事なのかもしれません。
西川貴教、マツコ・デラックス、おぎやはぎ矢作、伊集院光らの批判
しかし、ハロウィンに関しては近年多くの弊害が出始めています。特に仮装して騒ぐ若者たちのマナーに関するものが多いですね。ニュース等でもマナーの悪い仮装参加者や、騒いで練り歩く仮装者に困惑する高齢者たちの姿が毎年のように取り上げられるようになっています。
日本の芸能人などにもこうしたハロウィンの在り方などに疑問を呈する人たちも増えてきており、公式に発言する人たちもいます。
矢作兼(おぎやはぎ)
ハロウィンで盛り上がる西麻布・六本木に居合わせ、「世も末だと思った」「日本の終わりを見た」
TBSラジオ「おぎやはぎのメガネびいき」内での発言
伊集院光
「ハロウィンに渋谷のセンター街で『今、これ超ウケるんじゃねえの』って言って、日本エレキテル連合の仮装してるヤツ」について「俺が一番友達になれないタイプ」
2014年11月3日の「伊集院光 深夜の馬鹿力」(TBSラジオ系)内での発言
マツコ・デラックス
「あれは暴動だよ」「やりたい奴だけ集めて富士の樹海かなんかでやればいい」
日テレ「月曜から夜ふかし」内での発言
T.M.Revolution(TMレヴォリューション)西川貴教
ハロウィンの盛り上がりに水を差す気はないですが、やっぱ本来のハロウィンで仮装するのは小さな子供達で、大人がコスプレして我がもの顔でねり歩いたりするもんじゃないんですよね。日本で言えばお盆みたいなもんなんだから、クリスマス同様家族で過ごすものなんだなと改めて思うヒースロー空港なう。
— 西川貴教 (@TMR15) 2015年10月30日
かなりみなさん疑問に思っていらっしゃいますよね。というかかなり辛辣です(苦笑
ガラパゴス化の一途をたどる日本のハロウィン文化??
まあ、ここに紹介した有名人の皆さんの声としては、基本的には「やりたきゃやってもいい」というスタンスの上で、迷惑はかけちゃあいかんという論調ですね。
やるからには節度を持って人の迷惑にならないようにっていうのが基本スタンスですね。当たり前っちゃあ当たり前の話です。
加えて、やはり日本のハロウィン文化が、本来の趣旨とは外れて広まっていく事に対する違和感のようなものもあるような気がしますね。
西川貴教さんがいうように、海外では子供が主役なんですよね。子供が可愛くコスプレしてお菓子をねだるイベントだからほっこりして癒されるんです。それだとこんだけ批判は出ないでしょう。大人はあくまで見守ってお菓子をあげる役なのです。
うちの子の幼稚園でもハロウィンイベントやりますが、ハッキリ言って大人からしたら「ハロウィンってなんやねん?!」ってな父兄がほとんどですよ。でも子供が楽しみにしているからつき合うか・・的なノリです。
にしても、急速に発展するハロウィンですが・・これから日本独自でどのようにガラパゴス化していくのでしょうかね?
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