民主党の公約「渡しきり奨学金」とは?なぜマニフェストと言わないのか?政権交代時のポピュリズム再び?

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つい先日、民主党と維新の党が合流し、新党である「民進党」が新たに結党されるというニュースがありました。

この件については、特に民主党に嫌悪感の強いネットを中心に色々な意見が出ていました。

そんな民主党が、今夏行われる参議院選挙の公約の柱となる政策を発表しました。

返済不要奨学金公約へ=民主

「渡しきり奨学金」というものを創設するという事です。

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返済不要の「渡しきり奨学金」

「渡しきり奨学金」というのは手っ取り早く言うと、返済しなくても良い奨学金という事だそうです。

普通奨学金というのは、卒業した後で分割して返していくものなのですが、この奨学金の場合は返さなくても良いとの事です。確かに貧しい家庭には有り難い制度であると思います。うちにも幼い娘がいますので、将来的にわたしたち夫婦に何かあった時でも娘が進学する事に支障が無くなると言う意味ではセーフティネットとして安心できるかも、とは思いますね。

ただし、学生時代は奨学金を返す余裕は無いでしょうが、しっかり就職して給料をもらうようになったのであれば、月々わずかでも返済していくのが当然だと思うのですがどうでしょう?

当然、病気や就職先の倒産などで返済能力が無くなった人には救済が必要ですが、返せるようであれば返してもらうというのが筋でしょう。最初から返さなくてもいいですよってのは何か違うと思うんですよね。

まあハッキリ言って人気取りの政策って気がしますよね。

財源は富裕層から 金融所得課税とは?

この「渡しきり奨学金」の財源はというと、金融所得課税を20%から25%へと5%引き上げる事で捻出するという事らしいです。金融所得課税5%引き上げによって得られる財源が数千億円になると試算しているとの事ですね。

財源としている金融所得課税とは、株式や国債、社債など様々な金融商品から得られる利子、配当、譲渡益などの所得から徴収される税金の事です。いわゆる不労所得ですね。

ずばり言うと、富裕層が大多数を占める金融所得課税を増やして、そのお金で貧困層の学資を免除するという事です。

民主党の党是ともいえる格差是正、社会的弱者の救済という点から見れば、なるほど民主党らしい公約とも言えますね。

ではなぜネットを中心として好意的な意見が少ないのか?ネットでは富裕層が多数を占めており、社会的弱者はほとんどいないのか?そんな事はないと思います。

理由は、民主党に対する根強い不信感からくるものだと思います。

民主党政権を煽ったマスコミと危惧したネットユーザー

民主党と言えば、現在の自民党の前の政権与党です。

2009年の9月から約3年3か月の間、政権与党として国政を司りました。その時のあまりの体たらくが未だに国民には根強く残っているのです。

麻生政権を2009年の衆議院選挙で倒し、多数派となって鳩山政権となった民主党ですが、ネットでは政権交代する前から民主党に政権を取らせることを危惧する声が非常に大きかったです。テレビなどは政権交代前から当時の麻生太郎首相をこれでもかというほど寄ってたかって叩き、逆に民主党を救世主の如く扱っていたのとは全く対照的でした。どちらにも目を通していたわたしには、この両世界のあまりの乖離に心底驚きましたね。この正反対ともいえるネットとテレビ・新聞を見ていると、ネットユーザーがよく言っていた「マスコミの民主政権への誘導」というのもあながち間違いではないなと思ったものです。結果的に民主党は選挙で圧勝して政権を取ったわけですしね。

「ネットの力はそんなもんだよ」っていう意見もあるかもしれませんが、わたしはそうは思いません。やはりマスコミが意識的に民主党への政権交代の動きを煽っていたのは間違いのない事実だと思っています。その原動力が特定のイデオロギーによるものなのか、政権交代によって盛り上がって視聴者を獲得する事が出来ると思ったのかは分かりませんが。

民主党政権3年3か月を終えた後、危惧したネットと煽ったマスコミ、どちらが慧眼の士だったかは言うまでもありませんよね(笑)。

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返済不要奨学金は以前の「詐欺フェスト」の再来?

民主党に対する不信感の大きな原因は、やはり政権を取った時のマニフェストによるものが一番だと思います。マニフェストで公約した政策は実施されなかった(出来なかった)ものも多く、ネットなどでは「マニフェスト詐欺」という言葉さえ生まれましたね。

減税だとか給付金だとかが多かった事もあり、「票を金で買うのか?」という批判も多かったです。

確かに、民主党のマニフェストはポピュリズムの極致と言ってもいいものだったと個人的にも思います。スーパーのチラシのような感覚さえあったものです(苦笑)。「こっちのお店(政党)はこれだけお得ですよ、安くなりますよ、ポイント還元ありますよー」ってな感覚ですね(笑)。

政治ってそんなもんじゃないでしょ?って思った人は多かったんですが、選挙結果的にはこのマニフェストが大きくものをいったんでしょうね。

と考えると、この「渡しきり奨学金」って昔の民主党そのまんまじゃんって思っちゃいますね。

それに公約と言っていますけど、もう「マニフェスト」って言葉は使わないのかな?使えないか?また「詐欺フェスト」って言われちゃいますからね(笑)。マニフェストって言葉を「胡散臭いもの」という意味で印象付けてしまった民主党の罪は重いですね。

二大政党制が自民党と民主党の一択なのが問題

今回の民主党と維新の党との合流も、ネットでは批判で溢れていますね。

民主党の党名では勝ち目がないから党名を変えたのだ、とか辛辣な意見が多いです。しかも橋下徹元大阪市長と袂を分かった維新の党との合流ですからね。党の実績や規模を考えると、普通は民主党に吸収合併されると思うのですが。民主党が党名を変えたかったと見られても致し方ないと思いますね。

どちらにせよ、健全な国政を考えると、自民党の一強体制ではなく対立軸となる政党が必要なのは間違いないです。現在の国政を見る限りではその候補はやはり民主党という事になるとは思います。

前回の反省を生かしてしっかり足に地をつけてやっていかなければならないと思いますね。

自民に対抗する二大政党の候補が民主党しかないっていうのが一番の問題なのかもしれませんが・・(苦笑)

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