熊本地震で考える緊急災害報道番組の在り方 被災地のためなのか?視聴率や局の面子のためなのか?

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4月14日にマグニチュード6.7、震度7の大地震で始まった熊本地震。

その後、地震は激しい余震を繰り返しながら継続し、4月16日の未明にはマグニチュード7.3という阪神大震災とほぼ同規模の地震が襲いました。当初14日の地震が本震であると思われていた中で襲った16日の本震により、熊本を中心とした各地域には深刻な被害が出ています。

道路や鉄道などのインフラが寸断され、現在は救援物資や救助活動もままならない状況が続いています。

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ほりえもんが提起した自粛ムードの是非は?

この熊本地震を受けてテレビ局各社は既存のテレビプログラムを変更し、報道特別番組と銘打って番組を編成していました。バラエティ番組などは各社とも自粛する傾向が顕著になっており、テレビだけに限らず、全国各所でもイベントなどが自粛されるという現状となっています。

そんな中、全国のこういった自粛ムードに噛みついたのがあの人、ホリエモンこと堀江貴文氏です。

堀江貴文氏、災害後の過度な自粛「ばかげた行為」

まあ徹底した合理主義者であるほりえもんらしい意見ですね。自粛する事で被災者の人たちには何の支援にもならない、というのはまあ確かにその通りだとは思います。

しかし、やはり日本という国は、というより日本人が古来から持っている感覚としては、地震でこれだけ苦しんでいる人たちがいる中で楽しく笑っている番組を放送したりイベントを行うというのは配慮に欠けるという事なのだと思います。もちろんそう言った事を自粛したからといってどうにかなるというものでももちろんないのですが、関係ないからといって普段通りに楽しく明るく振る舞うというのは、やはりそれもどこか違うのだろうと個人的には思ってしまいます。

これは非常に難しい問題ですね。堀江氏の意見もよくわかります。ですが、やはり被災者の方々への配慮という感覚、これも日本人として大事にしなければならない部分ではないかと思うのです。

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被災地での食料現地調達とそれをネットでアップする感覚

そして現在話題になっているニュースがこれです。

被災地で食糧を現地調達 アナウンサーが弁当画像を投稿し非難殺到

熊本で現地取材を行っていたMBSのアナウンサーがツイッターに現地で調達した弁当の写真をアップした事で巻き起こったバッシングですね。これも一言で言うと配慮が足らないなという感じですね。ただでさえ被災者の人たちの食料などが足りていないという状況であるのに、関西から来た取材班が現地で食料を調達しているって事を公にしてどういう事になるのか予想できないというところが情けないですよね。

取材に行くのであれば、最低限自分たちの食料は自分たちで持ち込んだうえで取材しろと言いたいですね。てか、それが当たり前でしょう。取材班に分ける弁当分だけ被災者の人たちの食べるものが減っているのですから。こんな当たり前の配慮も出来ないからマスコミが叩かれているんだっていう事を自覚してほしいですね。

被災地のガソリンスタンドでの中継車割り込みについて

もう一つマスコミ関係者のニュースを。

関西テレビ謝罪「割り込み認識あった」

関西テレビの中継車が被災地のガソリンスタンドで割り込み給油して非難されたというニュースです。これも関西のテレビ局ですね。

開いた口が塞がらないって言葉がこれほど的確にあてはまるニュースもないですよね。本当に何のために取材に行っているのか分かりませんね。被災地の現状を伝えるために行っているのに、逆に被災地の迷惑になるという、まさに本末転倒状態。情けない限りです。

関テレの内規では「災害取材時の給油は深夜帯に行う」等と定めてあるそうですが、ハッキリ言うと、災害取材事態行かなくていいよって言いたくなりますね。前日は深夜まで取材を行っていて深夜での給油が出来なかったという事ですが、そんな事は被災地にとってはどうでもいい事ですね。全く関係ありません。だったら取材せずにおとなしくしとけって言いたいですね。

困った時はお互いさまというのは、日本人が誇るべき美徳であるとわたしは思っていますが、この中継車の取材スタッフの人たちは自分たちの都合優先という人たちであったようですね。

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緊急災害時の報道合戦こそ自粛するべきでは?

2つの事例をご紹介しましたが、報道番組の被災地でのレポートは加熱するばかりです。どの局も大量の取材陣を送り込んで報道合戦を繰り広げている感があります。

東日本大震災の時なども問題になりましたが、これってどうにかならないものでしょうか。キー局ばかりだけではなく、関西のテレビ局まで独自取材陣を送り込んでいるというこの状況。被災地からの中継と銘打って、報道ヘリからの空撮中継もこれでもかというほどやってますね。被災地の人たちからは、ヘリの音がうるさくて防災無線が聞こえないという苦情も出ているそうです。このヘリが、例えば自衛隊などの救援活動を行っているヘリコプターであれば致し方ないと思えますが、報道ヘリだったらどうでしょうか。ホントに腹が立ちますよね。邪魔しに来てんのか?って思います。

本来であれば、現地の実情をリポートして全国の視聴者に伝え、認識してもらって支援の声を広げるというのがマスコミの役目です。今の報道を見ていると、各局のスクープ映像合戦になっている感さえあります。他の局よりももっと凄い映像を・・という感じがしてなりません。いうなれば、獲物を求めてさまようハイエナといった感さえあります。その結果として、前途のような給油割り込みなどに繋がっているのだと思います。被災者たちの事よりも取材が大事という本末転倒の状態に陥っているのです。

難しい事だと思いますが、テレビ各局の取材を厳しく規制するという事を本気で議論する必要があるのではないでしょうか。こんな事を言うと、また報道の自由がどうたらという声が上るのでしょうが、そんな事よりも被災地の事を第一に考えるべきです。実際に取材している人間が被災地に迷惑をかけている事例がこれだけ上っているのですから。

テレビ各局は協力して現場に入るスタッフを交代制にするなどする事が出来ればいいのではと思いますね。もちろん難しいのは承知の上ですが、そこは緊急時の対応という事で大同団結すべきですね。小異を捨てて大同に付すって事です。民法・NHKで取材を一本化してどの局も現場の映像はそれを使えばいいのです。こうする事で被災地への救助や救援の妨げになるようなトラブルは随分減らす事が出来ると思うのですが。

とにかく被災地の状況よりも局の体裁や面子、視聴率の事が優先されているような気がして仕方ありません。こんな事を続けているようではますます視聴者のテレビ離れは加速していくばかりだと思います。

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