民進党代表戦の真っ只中に沸きあがった民進党・蓮舫代表代行の二重国籍疑惑。
ネットでは当初からかなりの話題になっていたこのニュースですが、ここ数日になってようやくテレビもこの話題を取り上げ始めました。
と同時にネットでは次々と過去の蓮舫議員のインタビュー記事や国籍に関する資料が出てきており、もはやカオス状態ともいえる状態となっています。
ここでは時系列で整理しながら事の推移を説明したいと思います。
産経新聞記者への質問に対する「分からない」という回答がネットで拡散
事の起こりは先月末。
蓮舫氏が日本国籍取得後に台湾国籍を抜いていない二重国籍状態ではないかとの一部メディアでの報道でした。
そしてこの二重国籍問題をいち早く取り上げた大手メディア、産経新聞のインタビューの中で産経記者がこの疑惑について蓮舫氏に質問します。
二重国籍疑惑に対する質問に対して蓮舫氏は
「ごめんなさい、それ分かんない」
「質問の意味が分からない」
などと回答。イエスかノーかの質問に対してこのような回答をした事で、特にネットではちょっとした「祭り」状態となりました。しかしこの時点でテレビを初めとする大手メディアはほとんどこの話題は取り上げていませんでした。
そんなメディアの動きに対する不信感も募り、ますますネットでは祭り状態が加速していったのです。
辛坊治郎氏に対してキッパリと台湾籍を18歳で抜いている事を明言
そして問題が段々と大きくなってきていた9月3日放送の読売テレビ「ウェークアップ!ぷらす」に蓮舫代表代行は、民進党代表選立候補者である前原誠司元外相と玉木雄一郎議員とともに出演します。
そしてこの番組の中でメーンキャスターの辛坊治郎氏がこの話題について蓮舫氏に切り込んだのです。以下がそのやり取りです。
辛坊治郎「週刊誌やネット等の噂でですね、二重国籍で、台湾籍をお持ちじゃないのかという話があります。これについては?」
蓮舫「あの…今、そういう噂が流布されるの本当にね、正直悲しいんです…あの…国連のね、男女差別撤廃条約を日本が批准をしている……」
辛坊「唯一、一言なんです。これもう一言、違うという話ならそれだけの話なんで」
蓮舫「私は、生まれた時から日本人です」
辛坊「日本国籍で?」
蓮舫「はい」
辛坊「二重国籍は?今台湾籍は?」
蓮舫「籍、抜いてます」
辛坊「籍、抜いてます?いつですか?」
蓮舫「あの、高校3年で…18歳で、日本人を選びましたので…ハイ」
辛坊「わかりました。えー、ですから、これに関してはデマだと言うことは、お伝えしておきたいと思います」
ここで蓮舫氏はキッパリと「生まれた時から日本人」「台湾積は18歳で抜いた」と言っています。
この蓮舫氏の否定発言によって騒動は収束するかに思われました。
そして結局台湾国籍除籍の手続きを取る・・
しかし事態は大きく動きます。
「ウェークアップぷらす」内でハッキリと二重国籍状態を否定した蓮舫氏でしたが、9月6日の記者会見で状況を一変する発言をするのです。
詳細はコチラの記事を参照なさって下さい。
蓮舫代表代行、台湾籍の除籍手続き取る 「二重国籍」問題で「確認取れない」
かいつまんで説明すると、台湾国籍が放棄されていない可能性を示唆するとともに、台湾籍放棄の手続きを始めたという事です。
この発言によって問題の本質は大きく変わってきました。
二重国籍の問題よりも政治家としての資質の問題?経歴詐称の疑いも?
二重国籍と言うのは仮にもしその状態であったとしても、違法ではありますが罰則があるわけではありません。しかしこの現状となれば、キッパリと「生まれた時から日本国籍」であり、「台湾籍は18歳で抜いた」と言っているのが問題となります。
つまりこれは「経歴詐称」に当たるのではないかという問題へと繋がってくるのです。
一般人であれば「いやぁ、ついつい忘れてしまって・・」とか「確認を怠っていました」のうっかりミスで済まされるのかもしれません。
しかし蓮舫氏は閣僚も経験している日本国の国会議員です。しかも野党第一党である民進党の次期代表候補でもあるほどの公人なのです。
「うっかり」「つい」「ケアレスミス」「思い込み」で済まされる立場ではないでしょう。
第一、経歴詐称はれっきとした「公職選挙法違反」となるのです。二重国籍状態が確認できなかったのであれば、「まだ確認が取れていません」と答えればよかったのです。
それとも本人的には台湾籍が確実に抜けていたと思っていたのでしょうか。それならそれで、野党第一党の党首となろうともいう人の資質を問われる事となるでしょう。確認を怠っていたという事ですからね。
自民党・菅官房長官は慎重なコメント
そしてこの問題に関して質問を受けた、与党である自民党の菅義偉官房長官が記者の質問に答えました。
菅官房長官はこの件に関して質問された後、
「詳細は承知していないので、政府としてコメントは控えたい」
と前置きしたうえで、
「ご自身が説明すべき問題」
と述べました。
さらに、
「一般論として申し上げれば、外国の国籍と日本の国籍を有する人は、22歳に達するまでにどちらかの国籍を選択する必要があり、選択しない場合は日本の国籍を失うことがあることは承知している」
とも語ったのです。
与党の中でも切れ者と評判の菅官房長官のこの発言は、個人的には事の重大性を改めて感じる事となりました。
菅義偉官房長官と言えば、バックボーンを持たない状態から国会議員となり、ここまでのし上がったたたき上げの国会議員です。その能力は自民党内でも一目置かれる程であり、発言は極めて的確でかつ失言などはほとんど聞いた事もありません。慎重居士で知られる菅官房長官が、あくまで一般論と前置きしながらここまで踏み込んだ発言をするという事は、深読みすれば何かしらの根拠があるのでは?とも受け取れますね。
次から次へと出てくる過去の発言などへの蓮舫議員の対応は議員としてどうなの?
とにかく蓮舫議員は菅官房長官のコメント通り、しっかりと説明責任を果たす事が求められます。
そして今、ネットでは過去の蓮舫議員が登場した雑誌のインタビューが取り上げられて話題となっています。
1997年に蓮舫氏が受けた雑誌のインタビューにおいて、
「わたしの国籍は台湾なんですが・・」
という文言がしっかりと掲載されているのです。
1997年発売のこのCREA2月号に掲載されたインタビュー時に蓮舫議員は30歳前後です。そして蓮舫議員は前述した「ウェークアッププラス」と9月6日の会見においてハッキリと18歳(会見では17歳)で日本国籍となり、台湾籍を抜いたと言っています。
という事は、18歳で日本国籍を選択したはずなのに30歳の時点では台湾籍であるという認識だったという矛盾が生じる事となり、ネットではまたも疑惑の目が向けられる事となったのです。
そしてこの疑惑に対して蓮舫議員はこう答えています。
「多分編集の過程で、“だった”の部分が省かれてしまった」
と述べました。
約20年前の雑誌インタビューのお話ですし、当然インタビュー内容を記録した録音テープなども残ってはいないでしょうね。真相は分からずという事になるのでしょうが、ここまで発言が二転三転している以上、人間の心理としては「本当なの?」と疑いたくもなりますよね。
とにかく二重国籍云々は別として、この一連の話題に対する蓮舫議員の発言はあまりにもお粗末すぎますね。
その場を嘘で切り抜けているという印象を抱かれても仕方がないほどだと思います。
国会議員として、そして民進党代表候補として、今蓮舫氏に求められているのは一連の自身の発言などに関する説明責任なのではないでしょうか。仮に国籍問題が解決したとしても、その過程での対応や発言に対しての不信感は拭いきれるものではないと思いますね。
蓮舫議員に対する批判は、彼女の二重国籍云々という問題よりも、この問題が話題に上がってからの対応なんだと思います。
発言は二転三転、次から次へと出てくる昔の発言への対応も到底有権者を納得させるものではないのではないでしょうか。
議員として、民進党代表候補としていかがなものなのかという気がしてしまいますよね。
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