小さいお子さんがいらっしゃる家庭は、子どもが小学校や保育園などから様々な病気を貰ってくる事もしばしばなのではないでしょうか。
これからは特にインフルエンザが猛威をふるい始める季節にもなってきます。特に、子どもが病気を貰ってきて、親や祖父母に感染して家族が重症化する・・などという事も考えられます。
冬に向かっては一層注意しなければならない事となりそうです。
子供たちを中心に感染が広がるマイコプラズマ肺炎
そんな中、気になるニュースを見つけました。
マイコプラズマ肺炎という病気が大流行の兆しを見せており、すでにここ10年で2番目という猛威を振るっているとの事です。
マイコプラズマ肺炎とはいったいどのような病気なのでしょうか。
肺炎と言えば、今俳優の西田敏行さんがテレビCMで65歳以上の高齢者の肺炎予防を呼びかけていますね。
肺炎というと、我々一般のイメージでは、特に高齢者の方が亡くなる病気といったイメージが強いかと思うのですが、実はこのマイコプラズマ肺炎という病気は、子供を中心として流行する肺炎なのです。
マイコプラズマ肺炎という病気は、別名を非定型肺炎、あるいは異形肺炎といいます。
これは、マイコプラズマ肺炎が、肺炎として最も有名な肺炎球菌(肺炎レンサ球菌)やインフルエンザ菌による細菌性肺炎とは違った種類の肺炎である事からこう呼ばれています。
肺炎球菌やインフルエンザ菌などではなく、マイコプラズマという真性細菌を主な感染源として発生する事からマイコプラズマ肺炎と呼ばれているのです。
高齢者に多くみられる細菌性肺炎などとは違い、このマイコプラズマ肺炎の特徴は、子どもを中心とする若い年齢層に多い事です。
乾いた咳が長く続く場合はマイコプラズマ肺炎を疑おう
患者の年齢層のピークは7歳から8歳くらいであるとされており、5歳から35歳までの間での疾患がメインの年齢層となります。5歳から35歳の肺炎で一番多いのがこのマイコプラズマ肺炎です。
5歳未満の幼児に関しては、マイコプラズマに感染したとしても多くは軽微な症状で収まるといわれています。
感染経路としては、保育園・幼稚園の年中・年長あたりから小学生辺りの学童が感染し、家庭内に広がるというのが多いのが特徴です。
このマイコプラズマ肺炎ですが、感染経路は飛沫感染が主となります。インフルエンザなどと同じように、マスクの装着や手洗い、うがいなどの徹底が最善の予防策となります。
症状ですが、マイコプラズマ肺炎の最も特徴的な症状が咳です。中でもこれらの症状があるようだと要注意とされます。
- 痰の絡まない乾いた咳が出る
- 咳が長く続いてなかなか治らない
- 咳がだんだんひどくなってくる
- 風邪の症状が治まっても咳だけが続く
マイコプラズマ肺炎の初期の症状は、風邪などと同じように、発熱や倦怠感、咳、のどの痛みなどを伴う事が多いですが、発熱の無い場合などもあり、初期症状のみでマイコプラズマ肺炎と診断する事は非常に難しいと言われています。
最も重要なのは、風邪の症状があろうとなかろうと、とにかく咳が長く続くという事です。特に痰があまり出ない乾いた咳というのは、マイコプラズマ肺炎の症状でも最も大きな特徴なので、乾いた咳がなかなか治まらないという場合はこのマイコプラズマ肺炎を疑う必要があるといえますね。
ワクチンは実用化されておらず、免疫も生涯続くものではないので再感染の可能性も
肺炎球菌などは、今テレビコマーシャルなどでもやっているように、予防するワクチンがありますが、このマイコプラズマ肺炎に関しては、まだワクチンが実用化されていないのが現状です。
よって、いかに予防するかという事が最も重要となります。
さらに、一度かかった事のある人でも何度もかかる可能性があります。一般的にこのマイコプラズマに感染した場合、体内には免疫が作られますが、その免疫は数年で効力を失うとされており、再度の感染リスクは年数がたつほどに大きくなっていきます。
昔、マイコプラズマに感染してるから自分は大丈夫!!という事は通用しないという事ですね。
とにかく、当たり前ですが上記のような症状を感じれば、医療機関に相談してみる事です。
ただし、このマイコプラズマ肺炎の潜伏期間は2~3週間程度(最小1週間から最長4週間)といわれており、感染してから発症するのに最大で1か月近くかかる事もあります。マイコプラズマが排出されるのは発症前からといわれており、症状が出現するときにはすでに病原体の排出はピークに達しているのです。
先に述べたように、初期症状でマイコプラズマ肺炎と診断するのはかなり困難であり、この潜伏期間の長さも併せて、マイコプラズマ肺炎が流行しやすいのはこのような特性によるものなのです。
というわけで当たり前の結論になってしまうのですが(汗)、普段からマスクの着用、うがい、手洗いの徹底によって予防するのが最善の策であるといえそうです。
それでも罹ってしまったのであれば、上記の症状などに気をつけながら、気になったらすぐに病院へ行って検査を受けましょう。特に小さいお子さんのいる家庭などでは家族全体に飛び火する前に防ぐことを考えなければいけません。
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