その確固たる演技力、存在感で今や日本の俳優界でも屈指の人気俳優となった山田孝之。
数々のはまり役を持ち、多くのヒット作を生み出してきた若き天才俳優・山田孝之のはまり役だと思う作品を独断と偏見で選ばせていただきたいと思います。
丑嶋馨(うしじまかおる):闇金ウシジマくんシリーズ
大人気漫画として有名なビッグコミックスピリッツ連載中の真鍋昌平作・「闇金ウシジマくん」。
そのタイトル名通り、闇金業者「カウカウファイナンス」の社長、丑嶋馨とその顧客の債権者などとの人間関係などを描いた作品ですね。“トゴ”だとか“ジャンプ”、“ヒサン”なんていう聞きなれない言葉が飛び交う(笑)、かなりマニアックな作品ともいえるかもしれません。
そんなウシジマくんの世界観を支えるのが何といっても圧倒的存在感とカリスマ性を秘めた主人公の丑嶋馨。ぶっちゃけ、ウシジマくんが実写ドラマ化されると聞いた時は、誰がやったって丑島のあの雰囲気なんて再現できるわけがねーよってタカをくくっていました。例えそれが大好きな山田孝之であっても無理だろうと思っていました。それくらい丑嶋というキャラは特異なキャラなのです。
しかし・・2010年から始まったドラマを見てビックリしました。山田孝之が演じている丑嶋馨は、原作好きなわたしから見てみてもどう見たってあの丑嶋馨にしか見えないのです。髪形や髭、眼鏡やファッションなどといった細かいところがどうって話ではありません。オーラ、存在感、そして圧倒的な静の迫力・・どこをとってもあの丑嶋馨だったんです。
結局この山田孝之による「闇金ウシジマくん」シリーズは、テレビドラマで3シリーズ、映画で4作が製作されるという大人気シリーズへと成長を遂げました。もちろん、演出や脚本、音楽、さらには個性豊かなシリーズごとの実力派俳優たちの演技も素晴らしかったです。しかし、この作品がこれだけの人気を博したのはやはり山田孝之の圧倒的な演技力があってこそでしょう。個々に関しては異論は受け付けません(苦笑)。
闇の世界に生きるダークヒーロー・丑嶋馨を今の芸能界でここまで完璧に演じられる俳優が山田孝之以外にいるでしょうか。絶対にいません。断言します。
ヨシヒコ(よしひこ):勇者ヨシヒコシリーズ
闇金ウシジマくんの丑嶋馨とは全く正反対の役どころでありながら、恐らく丑嶋と同様の高い人気を誇る山田孝之の人気キャラクターがこのヨシヒコです。
2011年に始まったシリーズ第1作の「勇者ヨシヒコと魔王の城」で人気を博し、翌年には第2作目の「勇者ヨシヒコと悪霊の鍵」が制作され、昨年2016年には待望の3作目、「勇者ヨシヒコと導かれし七人」で再び話題をさらったのは記憶に新しいところです。
あの大人気RPGゲームの「ドラゴンクエスト」シリーズの世界観をモチーフとして、それを巧妙にパロりながら進んでいくゆるーい冒険活劇は、まさにテレビ界に衝撃の一石を投げかける作品でした。ハッキリ言って初めてテレビ東京の深夜にこの番組を見つけた時の衝撃度は凄まじかったです。
お金(予算)が無いという事を逆手に取った徹底的にチープな作り(笑)、本家ドラクエの世界観をおちょくりつつも見え隠れする深い深いドラクエ愛、予算が無いと公言しているくせにやたら豪華な毎週のゲスト、徐々にHPを削られていくかの如く繰り広げられるセンス抜群のお笑い・・。
そして何よりも、こんなエキセントリックなドラマの主役をあの「山田孝之」がやっている!しかも下ネタ満載、ギャグてんこ盛りで(笑)。しかもそれがことごとくハマってしまっているという・・(笑)。
この番組に関して言えば、ヨシヒコと冒険を共にするメレブ(ムロツヨシ)、ムラサキ(木南晴夏)、ダンジョー(宅麻伸)、そして彼らを展開から見守る(?)仏(佐藤二朗)の働きも非常に大きいというのはもちろんなのですが、やはりその中心に位置するヨシヒコの天然キャラなくして物語は成立しないでしょう。
このドラマを見れば、山田孝之のギャグセンスの高さもハッキリと分かるはずです。とにかく間の取り方などは本職のお笑い芸人ではないかというくらいに完璧です。見た事ない人はすぐに見ましょう。ドラクエ知らない人でも十分楽しめる事は保証します。うちの嫁はドラクエやった事ないけど毎度大爆笑ですから(笑)。
芹澤多摩雄(せりざわたまお):クローズZEROシリーズ
先に挙げた丑嶋馨と勇者ヨシヒコは、ドラマにおける主人公でした。
ここで紹介する映画「クローズZERO」シリーズの芹澤多摩男は、主役ではありません。主人公の前に立ちはだかる宿命のライバルともいえるポジションのキャラクターです。
クローズといえば、うちら以下の世代ではかなり有名な硬派な漫画です。いわゆるヤンキー漫画ってやつです。メチャクチャ面白い漫画ですが、だからこそ実写化は難しいともいえるでしょう。このクローズZEROシリーズは漫画クローズの世界観を受け継いではいますが、ストーリーは完全なる映画オリジナルストーリーとなっています(原作者の高橋ヒロシはそれを条件として映画許可を出した)。
映画の方は素晴らしい出来でした。さすがは三池崇史という程の極上のアクション映画でしたね。出てくる鈴蘭高校の生徒たちはどのキャラも魅力的でキャラが立っていました。
そんな中で最も異彩を放っていたのが山田孝之演じる芹澤多摩雄。第1作目の「クローズZERO」では主人公の滝谷 源治(小栗旬)の鈴蘭制覇の前に立ちはだかる最強の敵、そして第2作の「クローズZERO2」では源治らとともに鈴蘭を守るために戦う最強の助っ人として登場しました。
まあとにかくカッコイイんです。ただひたすらカッコいいんです。主人公やほかのキャラを完全に食っちまうくらいに(笑)。
小栗旬とのタイマンを初めとするそのアクションシーンももちろん必見なのですが、やはりこの芹澤の存在感がハンパなさ過ぎてやっぱり芹澤に肩入れしてしまう自分がいますね(笑)。
山田孝之の芹沢多摩雄は色濃く原作のクローズの世界観をこの作品に持ち込んでくれている一番のキャラだと思います。流石というしかないですね。
丑嶋、ヨシヒコ、芹沢の三キャラを演じ分ける恐るべき才能
というわけで、超有名な山田孝之の代表作をご紹介しました。
ええ、わかっていますとも。どれも超有名な作品じゃねーか!!って意見があるのはね(苦笑)。
これら以外にも山ほど素晴らしい作品や素晴らしい役はあります。それはまたの機会に必ずご紹介します。ですが、やっぱり山田孝之という俳優の凄さを知ってもらうにはこの3作はうってつけだと思うのです。
丑嶋馨、ヨシヒコ、芹澤多摩雄。全く違ったこの3人のキャラをこれだけ見事に演じ分けられる俳優がいるでしょうか。絶対にいません。
全部知ってるよ!ていう人はとりあえず我慢してもらうとして、この3人のキャラのうち一人でも知らないキャラがあるのであれば是非見てみてください。あなたの知らない山田孝之がまた現れる事は保証しますんで。
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