津川雅彦の映画・ドラマ代表作 大河に伊丹十三作品、秋吉久美子との濡れ場が話題の渡辺淳一作品も

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エンタメ

2018年8月7日の未明(日付は既に8日)、何気にスマホを見ていると、とあるネットニュースが目に飛び込んできました。

俳優の津川雅彦さん死去 78歳

おしどり夫婦として知られた朝丘雪路さんの死去からわずか3か月余りのこの訃報に、しばし絶句してしまいました。津川さんの体調は朝岡さん逝去時に心配されていましたが、まさかこんなに早く…というのが偽らざる気持ちでしたね。

ここでは、個人的に大好きだった名優・津川雅彦さんの魅力やその代表作等についてご紹介していきたいと思います。

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映画界の華麗なる一族、マキノ家出身の天才・津川雅彦(つがわまさひこ)

名   前:津川雅彦(つがわまさひこ)
本   名:加藤雅彦(かとうまさひこ)
生年月日 :1940年(昭和15年)1月2日
出   身:京都府京都市中京区
身   長:171cm
血 液 型:O型
配 偶 者:朝丘雪路
子 ど も:真由子(女優)
兄   弟:長門裕之(兄)
両   親:沢村國太郎・マキノ智子
祖   父:牧野省三(母方の祖父)
所属事務所:グランパパプロダクション

母方の祖父は「日本映画の父」とも称された、戦前の映画監督・マキノ省三であり、父は歌舞伎役者から映画界へ転身した映画スタアの四代目・澤村国太郎で母は同じく映画スタアとして活躍したマキノ智子。兄には長門裕之で妻は朝丘雪路、さらに叔父・叔母には俳優の沢村貞子や加東大介、映画監督のマキノ雅弘、プロデューサーのマキノ光雄…というまあ戦前・戦後の日本映画史を彩る華麗な一族に生まれ育った津川雅彦さん。

しかし津川さんが俳優としてこれだけの地位を築かれたのにこの華麗なる出自が関係ないものであることは、津川雅彦という俳優をご存知の皆さん全員がご理解の事と思います。

最近、役によって自由自在に変化する俳優さんを「カメレオン俳優」と呼ぶ事が多いですが、そんな俳優さんも津川さんの前では霞んでしまいます。現代劇から時代劇、善人役から悪人役、全てを完璧にこなしてしまうスペックの高さ。全ての役に憑依して表現してしまう、まさに完璧な俳優さんでした。

津川さんと同世代の、いわゆる「大御所」と呼ばれる俳優さんたちの中にはハッキリ言って、「どの役も同じじゃね??」って思う程に演技幅の狭い方も結構いらっしゃるのですが(すんません涙)、津川さんは本当の意味での演技派の大御所といえる方ですね。ちょっとした表情や声色だけでハッキリとした違いを出せる稀有な存在でした。本当に、日本の芸能界にとっての損失は計り知れません。

「葵徳川三代」で最年長主演記録を持つNHK大河ドラマの常連、天下人徳川家康役は二度も

津川雅彦さんの代表作って何??

これ程難しい質問はないでしょう。何故なら、その数多い作品における津川さんの貢献度は計り知れず、さらにどの作品においても光り輝いていらっしゃるからです。

というわけで、個人的に大好きな作品をご紹介していきます。あくまで現在40代という年齢である小生の独断と偏見という事でお許しください(苦笑)

最初にご紹介したいのが、半世紀以上の歴史を誇るNHK大河ドラマにおける活躍です。

歴代の主演俳優の中で最高齢という記録を打ち立てた、2000年の「葵 徳川三代」での徳川家康役をはじめ、以下の各作品に出演されています。

放映年 ドラマ名 役名
 6 1968年 竜馬がゆく 久坂玄瑞
 12 1974年 勝海舟 徳川慶喜
 16 1978年 黄金の日日 津田宗及
 21 1983年 徳川家康 大久保長安
 25 1987年 独眼竜政宗 徳川家康
 34 1995年 八代将軍吉宗 徳川綱吉
 39 2000年 葵 徳川三代 徳川家康
 42 2003年 武蔵 MUSASHI 本阿弥光悦
 45 2006年 功名が辻 不破市之丞
1984年 宮本武蔵 沢庵宗彭

いやいや、津田宗及からは全部見てますね。んでハッキリと覚えてます。どの役も本当に印象深い。こう見てみると、清濁併せ呑む、一筋縄でいかない人物が多いなという印象が強いですね。難しい役ばかりです。

中でも戦国レースの最終勝者となった徳川家康は、「独眼竜政宗」「葵 徳川三代」というジェームス三木作品において演じられました。同じ家康でもテイストの異なるこの2種類の家康役の演じ分けがとにかく見事という他ないですね。見てない人は両作品の天下人を見比べていただきたいです。

津川さん最後の大河出演は、2006年「功名が辻」での主人公・千代(仲間由紀恵)の父親代わりの叔父、不破市之丞役となりました。千代を温かく見守る好々爺然とした津川さんもまたよし!というドラマです。

個人的に大好きなのが、準大河ドラマといわれる新大型時代劇「宮本武蔵(1984年)」での沢庵(たくあん)和尚役。荒くれ者だった宮本武蔵の人生の師ともいえる名僧の役ですが、これがまさに硬軟自在の素晴らしい沢庵となっています。これを見たら、もう沢庵和尚は津川さんしか考えられません。主演の若き役所広司さんとの演技バトルも必見です。知名度の低いこの作品ですが、ドラマのクオリティは恐ろしい程高いです。DVD化されているので、若い世代の大河ファンにも是非見てほしいドラマですね。

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必殺シリーズでの名悪役ぶりと橋掛人での名仕事人との見事な演じ分け

大河ドラマにおける津川雅彦さんの活躍はご存知の方も多いかもしれませんが、個人的に大河と同じくらい好きな津川さんの作品が「必殺シリーズ」における数々の名演です。

津川さんがかつてインタビューでご自身の役者人生を振り返った時における一番のターニングポイントとして挙げられたのが、「悪役」への転身でした。女性問題などでバッシングを受けて仕事が減った時期に、どうせイメージダウンするなら悪役に…という逆転の発想で悪役に挑戦した時期と、必殺シリーズにおける出演時期がちょうど重なるのです。そう、必殺シリーズにおいて殺し屋に殺される役をあの津川雅彦さんがやられていたのです。

必殺シリーズの前期作品における津川さんのやられっぷりはそれはそれは見事なものでした。天誅を下されても致し方のない程の外道っぷり(特に女性を食い物にする女たらし役が多かったイメージ)、そして、中村主水(藤田まこと)に胴体を真っ二つにされたり、市松(沖雅也)に折り鶴に付けられた竹串で急所を刺されて顔が青くなったり、念仏の鉄に股間を握りつぶされて「あんぎゃあぁぁぁっ!!」と絶叫を上げるなど、とにかく見事なまでの悪役っぷりだったのです。

かつての時代劇が素晴らしかったのは、素晴らしい悪役がいたからこそです。今の時代劇に決定的に足りないのはそこといっても過言ではないでしょう。特に必殺シリーズでは最後の仕置シーンでのカタルシスという特性上、悪役の重要さは特に高いです。名悪役の名演の宝庫であった初期の必殺シリーズの中でも津川さんの悪役は群を抜く見事さなのです。

数々の見事な殺されっぷりを見せてくれた津川さん。1985年には「必殺橋掛人」では悪党を始末する側の柳次(りゅうじ)役で主演を務める事となったのです。過去に津川さんの名悪役っぷりをたっぷり堪能した必殺ファンが特別な感傷に浸ったのはいうまでもありません。

コメント

  1. リキ太 より:

    大河ドラマで徳川将軍の3人を演じていると言えば「ミスター大河」⁈の西田敏行さんと同じですね。しかも家康を2回ですからこれだけでも凄い事ですね。家康の演技はもちろん両方とも素晴らしい演技でしたが、綱吉も「生まれながらの将軍」感をとても上手く演じられていたのが印象的でした。
    家康役といえば再来週からBSプレミアムで「葵 徳川三代」の再放送が始まりますね。本放送以来の視聴なのでとても楽しみです。

    • りぞっと より:

      大河ドラマで演じた三人の将軍全員がそれぞれ全く違ったタイプでしたよね。
      大御所俳優さんの中には「この人って何しても〇〇(俳優さんのお名前)だよなぁ」って感じのあまり演技の幅が広くない方もいらっしゃるのですが、津川さんはその意味では別格です。役によって表情や所作はもちろんの事、声色も完全に別人になっていますから。
      「葵徳川三代」の再放送、日曜朝ですか…頑張って起きますか(笑)。あの関ヶ原は永久保存版ですね。
      西軍が魅力的なんですよね。三成はもちろんのこと、細川俊之さんの大谷吉継や夏八木勲さんの島左近、香川照之さんの宇喜多秀家や鈴木一真さんの小早川秀秋も…皆さんキャラが立ってました。

      • リキ太 より:

        葵 徳川三代…ハイビジョン!での関ヶ原の戦いはもちろん楽しみにしているのですが(特に大谷刑部と島左近!)、一般的に評価の高くない後半部分の政争も結構好きでした。宇都宮つり天井事件をやったのは当時も嬉しかった事を覚えています。

        • りぞっと より:

          意外と家光治世を扱った作品は無いのでその意味でも貴重な大河ですよね。
          大河ドラマはこういった馴染みのない時代を扱った作品にもっとチャレンジしてほしいです。個人的には足利義満・義教時代辺りやって欲しいんですけどいろんな意味で難しいかもですね。

          • リキ太 より:

            足利義満‼︎…良いですね〜。当然初期の登場人物の佐々木道誉にはあの俳優さんですね!
            りぞっとさんのおかげで花の乱を視聴してから室町時代がマイブームです。(以前の記事で)ご紹介いただき有難うございます。
            私の個人的な大河主役希望はあと1人、伊勢新九郎=北条早雲です。この2人をやってくれたら室町時代〜戦国時代が完全に繋がるのですが。

          • りぞっと より:

            北条早雲はいつ来るかいつ来るかと待っているのですがなかなか来ませんね。
            ともに下剋上の元祖といわれる斎藤道三は主人公になっていますし、尼子経久も毛利元就でカッコよく描かれたんですけど…
            早雲主人公なら日野富子や細川政元ら幕府中枢や今川氏親ら今川家、扇谷上杉家の太田道灌なんかも絡ませられて本当に面白い大河ドラマになると思うんですけどね。ただ…早雲を演じる俳優さんが思い浮かびません(苦笑