NHK大河ドラマ「真田丸」第8話「調略」詳細ネタバレ&あらすじと視聴感想、今週のMVP

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真田六文銭 真田丸
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第8回「調略」詳細ネタバレストーリー

上野国を奪って勢いに乗る北条軍は、信濃に侵攻し、信濃の国衆を続々と傘下に収めながら上杉軍と対決すべく、越後に迫っていた。

大勢力がそれぞれの思惑を秘めながら対峙するその時、真田信繁(堺雅人)は、父・昌幸(草刈正雄)の命によって、上杉家臣・春日信達(前川泰之)を北条家に寝返らせるべく、叔父である真田信尹(栗原英雄)の下にいた。

信繁をは信尹の三男・真田信春という架空の人物として信達に自己紹介した。酒席で信繁と信尹は、信達に調略の本題を切り出そうとする。しかし、信達はみなまで話を聞くことなく、その場を立ち去ってしまう。しかし、信尹はその様子を見て、調略の成功の可能性が高いことを確信する。

そこで、調略の最後の詰めを任せさせてほしいと信尹に申し出た信繁は、信達に昌幸の息子・信繁である事を明かしたうえで説得を始める。理詰めで上杉家から寝返るよう説得する信繁に対して、信達は機嫌を損ねてしまい、説得は不調に終わってしまう。

信尹から調略成功の吉報を待っていた昌幸であったが、手遅れになるのを危惧して、既に上杉軍と対峙していた北条氏直(細田善彦)に謁見するため、小諸城へと赴く。

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信濃国衆で素っ破の頭領でもある出浦昌相(寺島進)、国衆のライバルである室賀正武(西村雅彦)ら、既に北条へ降った信濃国衆たちも列席する中、真幸は氏直と対面する。

昌幸は、実際にはまだ調略していない春日信達を北条に寝返らせたと氏直に伝えるが、自信過剰な氏直からは逆に叱責されてしまう。そんな不穏な空気の中、氏直の父にして、北条家の実質的最高権力者でもある北条氏政(高嶋政伸)が姿を現す。

氏政は氏直とは対照的に、昌幸に感謝の意を伝えてその加勢を大そう喜ぶとともに、信達調略も褒めたたえた。

この対面により、昌幸は氏直の、人の反対の事を言いたがる性格を掴んでいた。昌幸は氏直を操りやすい人物と捉えていたのである。

真田昌幸が北条に降ったという知らせは、すぐに上杉景勝の知るところとなった。信尹は景勝に呼び出され、昌幸を見限り上杉に忠誠を尽くす事を明言する。

しかし、それは勿論方便であり、信達調略をすぐに成し遂げねばならなかった。信達と面会した信尹は、切り札を出す。北条に寝返れば、春日家の旧領である海津城を春日家に譲り渡すという条件である。父祖伝来の地・海津城への帰還は、信達にとって悲願ともいえるものであり、この条件で信達はついに上杉を裏切る事を決意する。その後、信繁に慕われる信尹は、まだこの調略の真の目的を知らない信繁にこう告げる。

「俺の様にはなるな」

信州・川中島では、北条軍3万と上杉軍7千が千曲川を挟んで対陣し、決戦はすでに間近に迫っていた。

陣を張る氏直の元に一人の漁師が現れた。その漁師は、数万の上杉軍を見たという。上杉の兵を7千と聞いていた氏直は、疑心暗鬼に陥り、不安を募らせる。実はこの漁師は、昌幸の命によって変装していた佐助(藤井隆)であったのだ。

そして、北条の見張り兵が、上杉軍の陣中で磔にされている春日信達を見たと氏直に伝える。兵力の圧倒的優位に加えて、春日信達裏切りによる挟み撃ち作戦も断たれた氏直は、余計に不安にさいなまれる。そこで、昌幸と昌相は三万の兵力をもって力押しする事を氏直に進言する。しかし氏直は二人の進言に耳を貸さずに、信濃から撤兵して徳川軍が狙う甲斐に向かう事を決断する。空白地帯となった甲斐を狙う徳川をけん制する狙いだ。撤退の殿(しんがり)を昌幸に命じて立ち去る氏直。そしてしてやったりと笑みを浮かべる昌幸と昌相。そう、全ては氏直の性格まで利用した、昌幸の計略通りであったのだ。

信達調略の舞台であった海津城から、真田の郷への帰途の信繁は、信達調略の顛末を思い浮かべていた。

信尹は、北条氏直からの書状を信達に見せていた。海津城を春日家に譲ると書いてある。念願だった海津城への帰還が認められ、感慨に耽る信達。

その時、信尹が突然懐刀で信達を刺し貫いた。呆気にとられる信繁を尻目に、信尹はこと切れた信達の遺体を、自らの都合のよいように細工して上杉景勝(遠藤憲一)とその側近・直江兼続(村上新悟)を呼ぶ。信達が北条への寝返りを工作し、それに気付いた信尹に切りかかってきたので、やむなくそれを討ち果たしたと信尹は報告する。全ては昌幸と信尹の自作自演の調略であった。信達に謀反を決意させたうえで葬り去り、謀反人に仕立て上げたのである。

直江兼続がこの件に関して疑っていると悟った信尹は、信繁に逃げるよう伝え、信繁は家臣の矢沢三十郎(迫田孝也)とともに屋敷を出る。脱出途中で出会った上杉景勝に、春日信達への深かった信頼を告げられた信繁は、より一層の罪悪感を感じるのであった。

あまりに衝撃的な調略の真の目的に衝撃を受けていた信繁は、事の次第を兄・信幸(大泉洋)に打ち明ける。父の行動を理解できない兄に対して、弟の信繁には父の狙いが読めてきていた。そこに昌幸がやってくる。

全て計画通りにいったと打ち明け、信濃は信濃国衆で治める事を改めて宣言する。

その頃、甲斐に駐留していた徳川家康(内野聖陽)は腹心・本多正信(近藤正臣)と語り合っていた。

「正信、ひょっとするとこれは全て真田のさくではないのか?」

「そうだとすると、真田安房守、兵を一兵も失うことなく、信濃から北条も上杉も追い出したことになりますな・・」

家康は底知れぬ昌幸の智謀に、得体の知れぬものを感じ取っていた・・

「真田昌幸、やつの狙いはなんじゃ・・まさか・・?」

家康は迫りくる北条との対決に備えながら昌幸の事を考えていたのであった。

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「調略」の視聴感想

いやいや、ブラック昌幸&信尹兄弟の本領発揮!!の回でしたね(笑)。

わたしはこのような回こそ、戦国の世の本質をついた神回だと個人的には思っています。聖人君主では生きていけない、まさに食うか食われるかのギリギリのところで生きていた当時の弱小豪族の生き残りのための凄まじさを端的に表現していたと思います。

しかし、これまでのマイルドな大河ドラマになれてきた、歴史にそんなに詳しくないマイルド層には少し刺激が強すぎないかと心配になってしまったのも事実です。これだけ主人公サイドがブラックだった大河って久しぶりですよね。2007年の「風林火山」で、主人公の山本勘助が今川義元を桶狭間の戦いで嵌めた時以来だと思います(笑)。

いや、個人的にはこの路線でオールオッケーなんですが、視聴者が大量脱落して視聴率下がって変なテコ入れされたら困るもんで、それだけが心配なのです(苦笑)。

とはいえ、やはり気の毒だったのは春日信達。いい人じゃないですか。義理と宿願の狭間で揺れる武田家の名門の悲哀を存分に感じられました。しかしそれを生き残りのために利用しなければならない、真田家の立場というのも十分に描かれていたと思います。

とにかく、この第8回「調略」の全編に漂っていたのは、言いようもない、この時代独特の「悲哀」ですね。

宿願を果たしたかった春日信達の悲哀、生き残りをかけた真田家の悲哀、そして信じながらも裏切られた上杉景勝の悲哀・・

しかし、これがこの時代なのです。これこそが戦国時代なのです。

どうでもいい事ですが、西村雅彦の「黙れ、小童ぁっ!!」がまたも見れませんでした。もうこれが無いと生きていけない性なのかもしれません・・(涙)


今週の最優秀キャラ(MVP)

今回は難しかったですね。

春日信達を演じた前川泰之さんの演技も素晴らしかった。凋落した名門の悲哀と葛藤を見事に演じられており、十分に感情移入できましたね。

しかし、わたしはそんな春日信達を抑えて、今週のMVPに信繁の叔父・真田信尹(さなだのぶただ)を選びたいと思います。

「わしのようにはなるな!!」

自らに憧れる甥を前に、この無慈悲な調略に臨む信尹の覚悟を示したこの言葉こそ、文句なしの今週のMVPですね。

常に真田家の行く末のために、兄・昌幸の影となり汚れ役に徹した黒子ともいえる存在の真田信尹。信繁や昌幸、信幸に比べると知名度はほとんど無いこの信尹。しかし、この作品によって再評価が高まる事は間違いないでしょう。何よりそれが嬉しいですね。そして、それは栗原英雄さんの鬼気迫る演技力あってのものだと断言できます。

次点には春日信達と、もう一人。

直江兼続です。村上新悟さん演じる直江兼続のあの、無機質な中にも比類なき能力を感じさせる演技も、目立ちませんが緊張感を出すうえで欠かせない要素であったと思います。

天地人」での兼続よりも、こちらの兼続の方がより実像に近いのではないかと思います。これからもっと出番が増えてくるであろう兼続の出番が楽しみですね。

前川泰之さんはこれで退場っていうのが非常にもったいないですが、間違いなく爪痕はしっかりと残してくれましたね。お疲れさまでした。

いやぁ、しかし本当に大どんでん返しの回でしたね。起承転結の見せ方もうまい。さすが三谷幸喜ですね。

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