いよいよ、来年1月から三谷幸喜オリジナル脚本のNHK大河ドラマ「真田丸」がスタートします。
思えば同じく三谷脚本の大河「新選組!」以来12年ぶりの三谷大河。
12年ですよ、12年。干支一周ですよ?生まれたばかりの子供が中学校に入る年月ですよ?
当時30代前半だったわたくしも今や40半ば。
待ち焦がれていました。待ち焦がれ過ぎました。
もう一度三谷作品を大河ドラマで見たいという一心で・・・
しかし「新選組!」は大河ドラマとしては視聴率的に歴代大河でも下位の方であり、三谷作品独特のタッチが古くからの大河ドラマファン離れも起こしたと言われています。二度ともう三谷幸喜の大河ドラマは見れないんじゃないか・・・そんな思いをずっと抱き続けていました。
ですが、12年経った今でも全く色あせない「新選組!」を時々見返しながら、
「それでも三谷なら・・・三谷ならきっと何とかしてくれる・・・!!」
と、仙道を信じてやまない陵南チームのような思いで過ごした日々(涙)
そんな日々ともいよいよあと2か月ほどでおさらば出来るのです。こんなに・・・こんなに嬉しい事はない・・・(アムロ・レイ風)
三谷幸喜×真田信繁(真田丸主人公)
これだけで面白くならないわけがないとわたくしは確信しているのです。
真田幸村という武将は実在しない!?
この「真田丸」の主人公は超有名な真田幸村ではなく、真田信繁という人物です。
あえて三谷幸喜はそうしています。
ここに三谷幸喜のこだわりを垣間見ることが出来ます。
真田幸村と言えば、戦国末期~江戸時代初期にかけての戦国武将であり、大阪冬の陣で豊臣家について真田丸を築き、徳川方を散々に蹴散らしました。
続く大坂夏の陣では、豊臣の敗戦確実な状況において徳川家康の本陣に突入し、徳川家康に自害を覚悟させるほど追い詰めたと言われています。しかし結局豊臣家は敗北し、大阪城は炎上し豊臣家は滅亡。幸村も自害して果てます。
そして、その真田幸村の鬼気迫る戦いに対しては敵である徳川方からも、
「真田日本一の兵(つわもの)なり」
と称賛され、真田幸村の名は後世まで語り継がれる事になるのです。
しかし、この歴史にあまり詳しくない人でも聞いた事はあると言うほどメジャーな武将・真田幸村は少なくとも、彼が生きている間の資料には一切登場しません。
真田幸村という名が登場するのは、真田幸村が戦死した大坂の陣から57年後の資料です。
真田幸村存命中の資料で真田幸村という名は一切出てこないのです。
この理由については諸説あるのですが、有力な説としてあるのが、真田幸村は講談で生まれたという話です。
大坂の陣後、盤石となった徳川政権ですが、庶民にとっては色々な不満も当然ありました。当時の政権に対する不満、これは現在も一緒ですね。
現在は民主主義国家という事もあり、我々は現体制に対する不平や不満を自由に口にすることが出来ますが、封建体制であった江戸時代当時は今ほど公に政権批判を口にすることは出来ませんでした。
当然、天下人である徳川家に歯向かった豊臣やその家臣の真田の活躍をそのまま公式に表に出す事ははばかられる時代であったと言われています。
しかし、徳川に敢然と立ち向かい、日光東照宮で神として祀られている家康をあと一歩まで追い詰めた真田の武勇は、徳川の政(まつりごと)に不満を持つ庶民たちにとっては胸のすくような話だったのです。
そこで、そのような獅子奮迅の活躍をした真田の一人の武将を架空の人物・真田幸村として講談師が語り始めたのが真田幸村の誕生だと言われています。
新たな真田伝説の幕開けとなるのか?
講談師が真田幸村として語り継いだ物語。それは、実際にあった史実を基にして語られています。
その実際にあった史実の主人公、そして真田幸村と名を変えられた人物その人こそが真田信繁なのであります。
つまり、「真田幸村=真田信繁」という事です。
これまでの大河ドラマや時代劇では真田幸村として登場する事が当たり前であり、真田幸村と言えば知っている人でも、真田信繁?誰それ?ってほど幸村の名が一般的になってしまっている以上、製作者が幸村の名で登場させるのは当たり前と言えば当たり前だと思います。
しかし敢えてこの「真田丸」では真田幸村としてではなく、真田信繁として三谷幸喜は描くのです。
そこに三谷幸喜の
真田幸村ではなく、真田信繁という名を世間に定着させてやるぜ!!
という、強い意志を感じるのです。
真田幸村という名で日本人の心を捉え続けてきたこの武将の新たな幕開けとなるのでしょうか?自分はそうなるであろうと信じています。いや、きっとそうなるでしょう。
前作「新選組!」で三谷幸喜によって新たな新選組の歴史が書き加えられたと信じていますので。
ちなみに、真田幸村という呼び名については前途した通り諸説あります。ここで紹介した説はあくまでその説の一つでありますのでもちろん異論は認めます(笑)
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