室賀正武の息子・久太夫(むろがきゅうだゆう)が登場!「黙れ、小童ぁ!!」再び・・(泣)
遂に大坂夏の陣が始まりました。まさに真田幸村(堺雅人)が伝説の武将となった大坂夏の陣、天王寺・岡山の戦いの前夜を描いた第49話「前夜」。
1年間の長い長い真田信繁(幸村)との旅も、ついに次週第50回の最終回で幕を下ろします。
「武田勝頼ロス」から始まり、「室賀正武ロス」、「豊臣秀吉ロス」、「石田三成ロス」、「真田昌幸ロス」・・思えば様々な「ロス」と対峙してきたこの真田丸ですが、次週でいよいよ「真田丸ロス」となってしまいます。見ていて複雑な気分になったのはわたしだけではないでしょう。
とまあ、感傷はこれくらいにして、本題へと参りましょう(苦笑)。
室賀正武ロスが出たついでに触れておきましょう。今週の真田丸ではまさかまさかのお兄ちゃん、信之による
「だまれ、こわっぱぁっ!!」
が出ましたよね。本来なら笑う場面なのでしょうが、わたし的には思い入れが強すぎてむしろ感傷的になってしまいました・・ああ、室賀正武の息子にあの源三郎が・・って感じでしたね。
相手は室賀正武の息子と名乗ってましたね。演じていたのはまさかのアンジャッシュ・児島一哉(笑)。
ちなみに室賀家は正武の暗殺後、息子の室賀久太夫(むろがきゅうだゆう)が尾張徳川家の初代藩主・徳川義直の家臣として仕える事となりました。久太夫は大坂の陣にも徳川家として参戦したことが記録として残っています。久太夫の血筋は代々尾張徳川家に仕え、幕末まで名を残していきました。
にしても児島とはビックリしました。実年齢では大泉洋とほとんど変わらないはずなんですけどね(笑)。
にしてもここにきてまさかの室賀ネタとは・・しかもあの「黙れ、小童あ!」ですからね。三谷幸喜も憎いですよね(涙)。
後藤又兵衛、木村重成、塙団右衛門の壮絶な最期とは?
今週は大坂夏の陣の前哨戦ともいえる「樫井の戦い」、そして5月6日に行われた「道明寺の戦い」と「八尾・若江の戦い」が行われました。
樫井の戦いでは塙団右衛門直之(ばんだんえもんなおゆき/演:小手伸也)が、そして道明寺の戦いでは後藤又兵衛基次(哀川翔)が、「八尾・若江の戦い」では木村長門守重成(白石準也)がそれぞれ壮絶な討ち死にを果たしました。
団右衛門は樫井の戦いで太股を射抜かれながらも徒歩立ちになって奮戦した後に討ち取られたといわれています。この団右衛門の首は、浅野長晟軍と亀田高綱軍の双方が取ったと主張し、両家の争いの火種になったともいわれています。
又兵衛は四方を敵に囲まれながら突撃し奮戦しますが、腰に銃弾を浴びたといわれています。しかしそれでも尻もちをつきながら自慢の槍を振るって敵を迎え討ったと伝わっています。そして又兵衛を担いで逃げようとした家臣に銘じて自分の首を刎ねさせ、首を隠すよう伝えたといわれています。又兵衛の首の行方に関しては諸説あってハッキリした事はわかっていません。出来ればこのエピソードを入れてほしかったですね。槍の又兵衛らしい最期じゃないですか。
重成は深いぬかるみの多い水田地帯に陣取り、劣勢の中でも一歩も退かずに前へと押進んだといわれています。しかし敵軍の槍によって引き倒され、討ち取られたといわれています。
木村重成の首は家康の前で首実検がなされたそうです。その時、重成の頭髪からはほのかに香の香りが漂ったといわれています。出陣の前に洗髪して香を焚き込ませていたのです。色白で大変な美男子であったと伝わる重成らしい逸話ですね。ちなみに重成の妻・青柳は重成の一周忌を終えると自害したといわれています。まだ20歳の若さでした。
春、梅、大八、そしてきりの史実における大阪の陣後
今週は伊達陸奥守政宗(長谷川朝晴)の下に春(松岡茉優)、梅(大出菜々子)、大八が引き取られる場面も描かれましたね。
伊達政宗に幸村の妻子が引き取られたのは史実なのですが、引き取られた経緯については諸説あります。幸村が政宗を見込んで託したという説と、戦乱の中で伊達軍が乱取り(兵による略奪行為)したという説ですね。
今回は幸村が伊達に庇護を頼んだという説を採用していましたね。
ちなみに定説では、梅は伊達家の重臣・片倉小十郎重長に嫁ぎ、重長の正室の死後に重長の継室(後妻)となりました。大八は真田守信と名を改めて、伊達家家臣として天寿を全うします。春は七女・おかねの嫁ぎ先である石川貞清の元で剃髪して仏門に入り、大坂の陣から34年後、京で死去したといわれています。
きり(長澤まさみ)についても触れておきましょう。
劇中最後の有働由美子アナのナレーションにあった通り、彼女に関しては高梨内記(中原丈雄)の娘であったこと以外はほとんどわかっていません。いつ生まれていつ死んだのかもわかっていないのです。幸村の側室であったという説や伊達家に引き取られた梅の母であったという説は根強くありますね。ただしこれらも確証はありません。
どちらにせよ、恐らくは幸村の最初の妻であった梅(黒木華)とともに幸村と最も長い時を過ごした女性であったことは確かでしょう。果たして三谷幸喜はこのきりのこの後をどう描くのか?非常に気になりますが、あのナレーションだと、「もう出ないのか??」とも思ってしまいましたよね(汗)。まあ史実では検証できませんので、きりに関しては来週を待つほか無さそうです。
真の裏切者・大角与左衛門と毛利勝永が徳川家から誘われなかった理由
遂に織田有楽斎(おだうらくさい/演:井上順)以外のもう一人の裏切者が公になりましたね。
そう、大阪城台所番の大角与左衛門(おおすみよざえもん/演:樋浦勉)です。これは紛れもない史実ですね。与左衛門は大阪夏の陣後に徳川家康に取り立ててもらう事を希望し、結局それが叶えられぬまま病死したと伝えられています。
大阪城は夏の陣で火事によって消失してしまうのですが、この火の手は大坂城の台所付近から出火したといわれています。裏切った与左衛門の手の者が火をつけたともいわれていますね。有楽斎と見せかけての与左衛門。というか、どっちもですが(笑)。しかし与八(今野浩喜)が気の毒でしたね。九兵衛(大内田悠平)もそうですが、呆気ない死でした。まあそれが逆に戦のリアルさを感じさせるのですが。
あとは、又兵衛には播磨一国、幸村には信濃一国で徳川に寝返りの誘いがあった事に納得いっていない毛利豊前守勝永(岡本健一)の様子も描かれていましたね。
実際に又兵衛と幸村に誘いがあったという逸話は残っていますが、勝永にはありませんね。又兵衛には本多正信と血縁関係にある京都相国寺の僧が使者として又兵衛に接触したといわれていますし、幸村には叔父の真田信尹(栗原英雄)が使者として勧誘したといわれています。
毛利勝永という人物は、武将としての能力も格も決して又兵衛や幸村には劣っていません。いやむしろ、上であるといってもいいほどの武将です。
ただし、又兵衛や幸村が豊臣家の外様なのに対して、毛利勝永は秀吉が織田家の家臣であったころからの豊臣家臣です。いわば譜代の家臣だったという事です。しかも妻子を土佐に残して大阪に駆けつける程の忠義の士でもありました。恐らくは徳川家としては万に一つも寝返る事はないだろうと踏んだのだと思いますね。
「前夜」のMVP ついに結ばれた源次郎ときり・・
毎週毎週楽しみながら書いていたこのMVPコーナーも残りあと1回ですか・・今回がラス前って事ですね。
まあ寂しいってかなんつーか・・。まあじめじめしてても仕方ないので行きましょう(笑)。
今回は二人!もちろん幸村ときりです。これ以外にありますか?(笑)
ようやく通じたきりの源次郎(幸村)への想い・・そしてそれに気付いて抱きしめる源次郎・・
戸惑うきりにまさかの接吻・・
これまでの二人を見てくれば熱い思いがこみ上げてこない視聴者はいなかったのではないでしょうか。しかしこの名場面をただのラブロマンスにしないのが三谷幸喜らしいですよね。接吻しながら「10年前が一番きれいだったんですから(モゴモゴ)」。
うん、やっぱりきりはこれでないとね。てか、これだからいいんですよね。あの場面できりがうっとりしちゃったら、それはきりではない(笑)。あれがいいんです。だからこそ余計にジーンときましたね。わたしがこれまで見てきた大河ドラマの中で、最も素晴らしいラブシーンでした。文句なしのMVPです。
それにしても源次郎、もう少し早く気づいてやれよ・・(笑)。きりちゃん何歳になっちゃったんだっつーの(涙)。まあでもだからこそいいんですけどね。今だからこそ、このタイミングだからこそいいんですよね。
にしても最後の有働アナのナレがやっぱり気になりますね。これまでの法則に照らし合わせると・・いや、最終回を信じて待ちましょう!
次点は全員です(笑)。
だって選べないっしょ。徳川家康(内野聖陽)や本多佐渡守正信(近藤正臣)、徳川秀忠(星野源)らの徳川勢もらしさが存分に発揮されてて素晴らしかったですし、高梨内記、堀田作兵衛(藤本隆)、真田大助(浦上晟周)らはこの後の運命を考えると切なくなりました・・
豊臣秀頼(中川大志)、茶々(竹内結子)、大蔵卿局(峯村リエ)、大野修理治長(おおのしゅりはるなが/演:今井朋彦)らも過酷な結末を考えると胸に厚い思いがこみ上げてきましたね。
真田信之(大泉洋)に至ってはもう・・。
とにかくラス前に相応しい出来でしたね。後はもう最後を見届けるだけです。
第50話最終回「無題」のストーリー
大坂夏の陣の道明寺の戦い、八尾・若江の戦いが終わり、後藤又兵衛、木村重成ら多くの犠牲を出した豊臣家。
形勢は豊臣家に圧倒的な不利という状態の中、いよいよ豊臣と徳川の最終決戦が火ぶたを切る。
死を悟ったかの如き茶々に対して、幸村は「望みを捨てなかった者だけに道は開ける」と諭すのであった。
野戦でぶつかり合う大坂方と関東勢。
一進一退だった戦局は、大阪城五人衆の一人、毛利勝永の奮戦によって豊臣家に流れが傾く。豊臣家は徳川の所隊を次々と撃破。だが同じころ、大坂城内の秀頼の元には真田幸村が徳川に寝返ったという報が流れ、幸村裏切りの噂が広まる。
戦場の幸村は、千載一遇の好機を逃すまいと狙いを徳川軍の大将・徳川家康の首だけを狙って徳川本陣へと単騎突入する・・
史実から見た最終回ネタバレと考察 毛利勝永と真田幸村の奮戦が家康を追い詰める
徳川家と豊臣家が激突した最終決戦、大坂夏の陣という戦は実質たった二日間の戦いでした。
「前夜」では塙団右衛門が戦死した「樫井の戦い」も描かれていましたが、あの戦いは徳川家康、秀忠が到着する前に豊臣軍が畿内の制圧を目指して紀州に攻め込んだ、いわば前哨戦ともいえる局地戦です。
各地から集結した徳川軍と豊臣軍が激突したのは、5月6日の道明寺の戦い、八尾・若江の戦いが緒戦であり、翌日5月7日の岡山・天王寺の戦いが実質上の最終決戦となりました。
最終決戦となった岡山・天王寺の戦いでは、毛利勝永が次々と徳川の大軍を撃破し、本多忠朝や小笠原秀政親子を討ち取るなどして徳川軍を突き崩して大混乱に陥れます。そして真田幸村は対峙する松平忠直軍が真田の隊を抜けて大坂城を目指すのを利用して徳川家康の本陣へと突撃をかけたのです。
この時、幸村は徳川方に潜り込ませていた間者に「浅野長晟が裏切って豊臣に味方した」という偽情報を流させ、さらに徳川の混乱を引き起こしたといわれています。
大混戦と偽情報で混乱に陥った徳川本陣に突撃した幸村の乾坤一擲の策によって、徳川家康は二度までも自害を覚悟したといわれたほどに追い詰められます。
徳川本陣の徳川家の馬印(旗印)は、この幸村の突撃によって引き倒されたといわれています。徳川家の馬印が倒れたのは、徳川家康最大の惨敗とも言われている三方ヶ原の戦い以来、42年振りでした。三方が原の戦いで甲斐の虎・武田信玄によって倒された馬印は、42年後、その武田家臣であった真田幸村によって再び倒されたという事です。
しかし数で圧倒的に勝る徳川軍の混乱が収まってくると、形勢は逆転。家康の首に一歩届かなかった幸村率いる真田隊は壊滅状態となって幸村は戦場離脱。豊臣軍で唯一隊の体裁を保っていた毛利勝永は、敗残兵をまとめて殿(しんがり)を務め、見事に兵を大阪城へ退却させることに成功したのです。
ここに、実質的な大坂夏の陣は終戦を迎えました。5月6日早朝、後藤又兵衛の進撃によって口火を切った大坂夏の陣は、5月7日の昼過ぎには豊臣軍の全軍退却によって大勢が決したのです。
幸村、秀頼、茶々、大助、大野修理(しゅり)・・豊臣方の最期とは?
家康に突撃をかけた幸村は、戦場を離脱して安居神社(安井神社/現在の大阪府天王寺区逢阪)で休息していたところを、松平忠直隊の鉄砲隊・西尾宗次に見つかり交戦となって討ち取られたといわれています。
大阪五人衆の一人、長曾我部盛親(阿南健治)は大坂落城前に戦場を離脱、再起を期して身を隠しますが、京都八幡で見つかり、市中引き回しのうえ六条河原で斬首されました。
同じく五人衆の一人、明石全登は真田隊の壊滅後、遊軍を率いて大阪城に迫る松平忠直隊に突撃。そのまま行方不明となります。その後については戦死したとも、戦場を離脱してキリシタンに匿われたともいわれていますが、どれも定かではありません。
大野修理の弟・大野治房は大阪城落城前に城を脱出したといわれており、その後の消息は不明です。
豊臣軍の全軍退却によって徳川軍は裸城となった大阪城に攻め込みます。城は徳川に寝返った者の手によって放火され(台所付近から火の手が上がったという説が有力)、大阪城は炎上。
秀頼、淀殿(茶々)らは籾蔵に身を隠し、大野修理は秀頼の妻であり家康の孫、秀忠の娘の千姫(永野芽郁)を徳川本陣へと送り届け、大野修理自身の切腹を条件として助命嘆願を願います。
しかしついに助命嘆願の願いは叶えられず、籾蔵の豊臣家主従は全員自害して果てる事となり、ここに豊臣家は滅亡したのです。
大阪城落城とともに自害したのは、秀頼、茶々の他、大蔵卿局、大野修理、毛利勝永、真田大助らでした。
最終回予想 幸村の最後、大阪城落城は描かれるのか?まさかの幸村生存も?
最終回はどのようなものになるのでしょうか。正直全く予想がつきません。
幸村が安居天神で西尾宗次に討たれるまで描くのかどうか?個人的にはそこまで描かないような気もします。主人公の最期を描かない大河ドラマもこれまでには例があるので、最期をはっきりさせない描き方という可能性も大いにあると個人的には思いますね。
真田幸村には生存説もあります。幸村が大坂落城後に大阪城を脱出、秀頼や大助らを連れて薩摩に落ち延びたというものです。もちろん後世の創作によるものなのですが、この伝説は結構有名な話であり、これを三谷幸喜が採用する可能性も・・ま、これはさすがに無いか(笑)。
とにかく、わたし的にはラストは全く想像できません。恐らくこれまでの大河ドラマのラストとは一線を画するものになるのではないかと思いますね。
この大河ドラマで三谷幸喜が貫いてきたのが、主人公である真田信繁が見ていない事についてはどれほどの大事件であろうとも極力描かないという事でした。
その原則を最終回でも貫くのであれば、大阪城落城・秀頼らの自害も描かれない可能性が高いかと思われます。
とにかくどのようなラストになろうとも、我々は見届ける以外にありません。泣いて笑って楽しませてもらったこの一年間。本当に脚本の三谷幸喜氏やNHKスタッフ、そして素晴らしい俳優の皆さんには感謝の気持ちしかありません。これほどのめり込んで見た大河ドラマは何年振りだったでしょう。
今はただ、素晴らしいドラマをありがとうという感謝とともに最終回を楽しみに待ちたいですね。
コメント